スーパーデリバリー、九州・沖縄地方の仕入れ傾向を分析・発表
~台風・高齢化・観光・DIY文化─地域特性が浮かび上がる仕入れカテゴリ別傾向~
株式会社ラクーンコマース(本社:東京都中央区、代表取締役社長:和久井岳)が運営する卸・仕入れサイト「スーパーデリバリー」は、2024年5月〜2025年4月における注文データをもとに、九州・沖縄地方8県(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)の仕入れ傾向を分析した「地域別仕入れ動向レポート」を発表しました。
本レポートでは、気候・人口・産業・生活文化といった地域特性が仕入れ傾向にどう反映されているのかを明らかにし、注目のカテゴリ別に解説しています。

■サマリー
・台風・火山地帯を背景に、防災用品やマスクの需要が長崎・熊本・鹿児島で高水準
・持ち家率や気候風土から、DIY・ガーデニング用品の仕入れが佐賀・長崎・宮崎・
大分で活発
・高齢化や長寿文化が健康雑貨・老眼鏡・オーラルケア用品の仕入れに影響
・農業・観光産業が作業服・日除け用品のニーズを牽引
・鹿児島・沖縄では、お茶・コーヒーなど嗜好品にも地域文化が色濃く反映
調査の背景と目的
スーパーデリバリーは、国内メーカーと小売店やサービス業などの事業者が取引する卸・仕入れサイトです。日本の事業者を対象とした国内版に加え、世界134か国への卸販売が可能な越境版も展開しています。アパレルや雑貨を中心に、家具、生活家電、食品など幅広いジャンルの商品が約186万点掲載されています。
九州・沖縄地方は、日本の南西部に位置し、温暖な気候と多様な産業、歴史文化をもつ広大な経済圏です。
本レポートでは、「スーパーデリバリー」の注文データと1会員あたりの注文点数をもとに、九州・沖縄地方における地域特性が、仕入れの傾向にどのように表れているかをカテゴリ別に分析しました。
地域特性に応じた注目カテゴリの傾向
【1】 防災用品・マスクなどの衛生用品
〜自然災害への備えと健康意識の高まり〜
台風・火山・地震といった自然災害が多い九州・沖縄地方では、防災意識の高さが仕入れにも表れています。気象庁「台風の平年値(1991~2020年)」によると、沖縄・奄美地方では年間平均7.9回、九州南部では4.3回の台風が接近しており、全国的に見ても高い水準です。(※)
・ 長崎県・熊本県・宮崎県では、防災用品の仕入れが特に活発。
・ 鹿児島県では桜島の降灰対策からマスク需要が突出。
・ 長崎県ではPM2.5や高齢化を背景に、福岡県・佐賀県・宮崎県でも花粉や日常的な衛生対策としてマスクの安定需要が見られます。
(※)気象データ出典:気象庁「台風の平年値(1991~2020年)」
https://www.data.jma.go.jp/typhoon/statistics/average/average.html
【2】 DIY・ガーデニング用品
〜住文化と温暖な気候に根ざした暮らしの工夫〜
九州・沖縄地方では、持ち家文化や気候風土、住宅構造の違いなどが、DIYやガーデニングに関する仕入れ傾向に色濃く反映されています。
特に長崎県・佐賀県といったエリアでは、自宅の維持管理や手をかける暮らしへの関心の高さがうかがえます。
・ 長崎県・佐賀県では、持ち家比率の高さや自家メンテナンスの必要性からDIY用品の仕入れが活発。複雑な地形や離島の多さも、DIY文化を育む一因と考えられます。
・ 沖縄県は、台風に備えたコンクリート造家屋が主流であるものの、塩害対策や台風被害後の修繕、内装のカスタマイズなど、独自のDIY需要が見られます。
・ 鹿児島県・宮崎県・大分県では温暖な気候と広い住宅環境を背景に、「鉢・プランター」などのガーデニング用品の仕入れが活発です。
・ 宮崎県・熊本県では「栽培セット」への関心が高く、沖縄県でも島野菜やハーブ栽培、食育といった家庭内での栽培ニーズが見られます。
【3】 健康雑貨・オーラルケア用品
〜高齢化・長寿文化とともに進むセルフケア意識〜
九州・沖縄地方では、高齢化率の高い県と若年層比率の高い県が隣接しており、ライフステージに応じた健康維持への関心が多様に表れています。
また、地域全体における「健康長寿」志向やQOL(生活の質)への意識の高まりが、仕入れにも影響しています。
・ 鹿児島県・長崎県では、高齢化率の高さを背景に「老眼鏡」やサポーターなどの健康雑貨が多く仕入れられています。
・ 沖縄県は高齢化率こそ低いものの、長寿県として知られ、幅広い世代から健康グッズへの関心が高く、暑さ対策品や健康食品関連商品の需要も見られます。
・ 福岡県では都市部特有の立ち仕事やスポーツニーズに対応するサポーター類の仕入れが活発です。
・ オーラルケア用品は、福岡県・鹿児島県・大分県で特に多く、セルフケアや口腔衛生に対する関心の高さがうかがえます。
・ 福岡県では歯科医療へのアクセスの良さ、鹿児島県では高齢者の口腔機能維持、大分県では観光・宿泊施設のアメニティ需要などが背景にあると考えられます。
【4】 作業服・日除け関連グッズ
〜第一次産業や観光を支える屋外需要と紫外線対策〜
九州・沖縄地方では、農業・漁業・観光などの屋外作業が多く、温暖な気候や強い紫外線も重なることで、作業服や日除け関連グッズの仕入れに明確な傾向が見られます。
・ 宮崎県では、農業をはじめとする第一次産業の盛んな地域性を背景に、作業用衣料や手袋の仕入れが顕著です。
・ 帽子やアームカバーなどの日除けグッズは、大分県・宮崎県・長崎県・鹿児島県・沖縄県で需要が高く、農作業や屋外労働、観光業など多様なシーンで活用されていると考えられます。
・ 宮崎県・鹿児島県では特にアームカバーの需要が高く、沖縄県でも紫外線対策や屋外レジャーでの活用が進んでいます。
・ 冷却用品は、大分県・長崎県・鹿児島県を中心に注文が多く、猛暑対策や観光客向けのニーズも考えられます。
・ 日焼け止めは、大分県が特に高く、福岡県・沖縄県が続きます。沖縄では年間を通じて紫外線が強く、住民・観光客双方の需要が安定しています。
【5】 飲料・嗜好品
〜地域文化と気候に根ざした独自の嗜好〜
九州・沖縄地方では、地域に根付いた飲料文化や気候風土が、仕入れ傾向に明確に現れています。お茶・コーヒーといった嗜好品へのこだわりは、生活スタイルだけでなく観光需要にも影響を与えていることがうかがえます。
・ 鹿児島県では、2025年の一次加工された茶葉(荒茶)生産量が日本一であるという背景もあり、「お茶」に対する親しみが強く、関連商品の仕入れが突出しています。
・ 沖縄県では、さんぴん茶や県産コーヒー、南国フレーバーの紅茶など、地域独自の飲料文化が浸透。観光客向けのカフェ文化やギフト需要も仕入れに反映されています。
・ 仕入れ商品には、オーガニックコーヒーやハーブティーなども多く見られ、健康志向やトレンド感のある嗜好が読み取れます。
・ 宮崎県・長崎県・大分県でも、1会員あたりの注文数は安定しており、日常的に嗜好品を楽しむ文化が伺えます。
・ 一方、福岡県・熊本県・佐賀県は、総注文数は多いものの会員数も多く、1会員あたりで見ると比較的控えめな傾向にあります。
仕入れ戦略のヒント:地域特性を捉えた商品展開が鍵
本調査から、九州・沖縄地方において「防災」「健康」「住まい」「嗜好」といった生活の基盤に関わるニーズが、気候や産業構造、人口構成といった地域特性と密接に結びついていることが明らかになりました。
こうした違いや、生活者視点に根ざしたニーズを的確に捉えたうえで、各エリアに応じた商品企画や販促施策を柔軟に設計することは、小売・流通事業者にとって重要な視点となります。
スーパーデリバリーでは今後も、地域に根ざしたテーマや消費傾向に注目し、特集企画や分析レポートを通じて、事業者の仕入れ判断を後押しする情報提供に取り組んでまいります。
■調査概要
・ 調査期間:2024年5月〜2025年4月
・ 調査対象: 「スーパーデリバリー」国内会員(九州・沖縄8県)による注文データ及び会員登録数
・ 対象地域:九州・沖縄地方8県(福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県)
・ 分析方法:ジャンル別「1会員あたりの注文点数」による比較分析
・ 参照資料:総務省統計局「統計でみる都道府県のすがた 2025」
本リリースは、スーパーデリバリー上の実際の注文データに基づいており、特定カテゴリ・商品の人気や売上を保証するものではありません。
※本リリースではポイントを抜粋して掲載しています。詳細は以下をご覧ください。
https://blog.superdelivery.com/aboutsd/report/120817.html
■参照
スーパーデリバリー https://www.superdelivery.com
メーカーと小売店やサービス業などの事業者が取引する卸・仕入れサイトです。商品掲載数は約186万点。メーカーにとっては、地域を超えた44万店舗への販路拡大ツールとして効果を発揮し、小売店にとっては3,200社を超える出展企業とインターネットを通して取引でき、仕入先を大幅に拡大することが可能です。またコストや手間、リスク等を解消し効率的な取引を実現します。第1回日本サービス大賞にて地方創生大臣賞を受賞。(数字は全て2025年1月末時点)
■会社概要
株式会社ラクーンコマース https://www.raccoon.ne.jp/commerce
代表者:代表取締役社長 和久井 岳
所在地:東京都中央区日本橋蛎殻町1丁目14番14号
設立:2018年11月
資本金:300,000千円
株主:株式会社ラクーンホールディングス100%
株式会社ラクーンホールディングス https://www.raccoon.ne.jp
代表者:代表取締役社長 小方 功
所在地:東京都中央区日本橋蛎殻町1丁目14番14号
設立:1995年9月
資本金:1,877,096千円(2025年1月末現在)
株式:東京証券取引所プライム市場上場 証券コード3031
■報道関係者からのお問合せ先
株式会社ラクーンホールディングス
広報 大久保・矢次
pr@raccoon.ne.jp
■サービスに関するお問合せ先
スーパーデリバリーサポートデスク
https://www.superdelivery.com/p/contents/guide/help/help_form.jsp
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