「ラーメン店」倒産 減少から一転、再び増加 過去最多ペース
「ラーメン店」の倒産動向(2026年1-9月)

株式会社帝国データバンクは、「ラーメン店」の倒産発生状況について調査・分析を行った。
SUMMARY
2025年に減少した「ラーメン店の倒産」が、再び増加傾向に転じた。2026年1-9月に発生した「ラーメン店」経営業者の倒産(負債1000万円以上、法的整理)は56件となり、前年の年間件数・60件に迫る勢いで推移した。個人店の閉業などを含めると、実際はより多くのラーメン店が市場から退出したとみられ、昨年4年ぶりに倒産が減少したラーメン店業界に変化がみられる。
集計期間:2000 年 1 月 1 日~2026 年 9 月 30 日まで
集計対象:負債 1,000 万円以上 ・法的整理による倒産
「ラーメン店」とは、飲食店業態のうち「ラーメン」メニューの提供を行っている事業者が対象
調査方法:帝国データバンクが継続的に収集・蓄積している倒産情報を基に、集計対象期間内に発生した倒産件数および負債総額を集計
「ラーメン店」倒産 減少から一転、再び増加
2025年に減少した「ラーメン店の倒産」が、再び増加傾向に転じた。2026年1-9月に発生した「ラーメン店」経営業者の倒産(負債1000万円以上、法的整理)は56件となり、前年の年間件数・60件に迫る勢いで推移した。個人店の閉業などを含めると、実際はより多くのラーメン店が市場から退出したとみられ、昨年4年ぶりに倒産が減少したラーメン店業界に変化がみられる。
2026年は総じて、創業間もない個人店ではなく、一定の知名度や実績を有し、複数店舗を展開してきた中堅クラスのラーメン店で倒産が相次いだ。ラーメン店の倒産を業歴別にみると、2026年は業歴「10年以上」の占める割合が36件・64.3%を占めた。個人店や創業間もない小規模企業が多かった2024~25年に比べて大幅に上昇し、件数では前年累計(25件)を超えた。
コロナ禍以降「ラーメンブーム」のなかで新規出店が相次ぎ、リピーター顧客などの獲得競争に負けた店から退出する動きが多かった。こうしたなか、2024~25年には小規模店を中心に個人の技量や職人技による味を競い合い、顧客を獲得する「個」の戦いから、1杯3000円を超える「プレミアムな体験」の価値提供へシフトする動きが進んだ。また、サプライチェーンの管理からDX化など、巨大資本による高効率経営で生き残りを図る動きがみられ、客数が少なくても利益が出せる体質への転換を急ぐ動きが、特に大手チェーンを中心に進行した1年だった。

他方で、すべてのラーメン店がこうした高価格帯戦略や効率経営への転換を進められたわけではなく、原材料費や人件費の高騰を販売価格へ十分に転嫁できなかった企業は多い。コスト上昇が続くなか、多店舗展開によるスケールメリットを十分に生かせない事業者や、価格転嫁と集客維持の両立に苦戦する事業者では、売上高を確保していても利益を残せず、経営体力を消耗するケースが目立った。D-vision(2026年、破産)では、食材価格の高騰に加え同業他社との競争激化による販売不振が経営を圧迫した。
また、ラーメン業界は「家系」「二郎系」「豚骨」「醤油」などジャンルの細分化が進む一方、消費者の価格感応度が高く、最終的に「千円の壁」を意識した価格設定を余儀なくされた側面もある。このため、原価上昇局面でも十分な価格転嫁ができず、利益率の低下に直面したラーメン店は少なくないとみられる。
足元では、うどんやそば、パスタなど他の麺業態の人気も広がり、ラーメン業界だけが特別に評価される環境ではなくなりつつある。「味」や「話題性」以外に、物価高に耐えうる経営体制を構築できるか否かが、ラーメン店における今後の生き残りを左右する要素になるだろう。
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