ザ・ローリング・ストーンズ50周年記念ライブ ONE MORE SHOT
現地時間12月15日夜、アメリカのニュージャージー州ニューアークのプルデンシャル・センターにて、ザ・ローリング・ストーンズ結成50周年記念の最終公演が行われた。会場には約2万人のオーディエンスが集まったが、このライブは各国への生中継に加え、インターネットで生配信もされたため、世界中のファンがリアルタイムで歴史的ロック・バンドの、歴史的パフォーマンスを目撃することとなった。
バンド結成50周年を記念した今回のライブは、11月25日・29日にロンドンのO2アリーナ、12月8日にニューヨークのバークレイズ・センター、そして12月13日・15日にニューアークのプルデンシャル・センターと、イギリスとアメリカでたった5公演しか行われないという大変に貴重なものであった。となると、最終公演のテレビ中継、ネット配信はストーンズからのプレゼントといえるもので、だからこそ、バンドはそれまでの4公演以上の集中力と気合いで、完璧ともいえるロックンロール・ショーを2時間半にわたって展開したともいえるのである。
1曲目は1965年の大ヒット曲「一人ぼっちの世界」。以降も「イッツ・オンリー・ロックンロール」「ホンキー・トンク・ウィメン」「ブラウン・シュガー」など、バンドの代表曲を次々と披露しながら、途中、50周年記念公演のお楽しみ要素となっているゲストとのセッションが挿まれていくという流れであった。「ギミー・シェルター」ではレディー・ガガ、「ゴーイング・ダウン」ではジョン・メイヤーとゲイリー・クラーク・ジュニア、「フー・ドゥ・ユー・ラヴ」ではザ・ブラック・キーズ、そして「ダイスをころがせ」では会場のあるニュージャージー出身のブルース・スプリングスティーンが登場。その場面とゲストの数は、50周年記念公演の中でもっとも多いものとなったが、ファイナルであることと、生中継、生配信を意識した演出であったのはあきらかだった。また、「ミッドナイト・ランブラー」では元メンバーのミック・テイラーが加わり、華麗なギター・プレイで会場を沸かせた。
とはいうものの、ストーンズが華やかなゲストに頼っただけのライブなどするはずもなく、バンドのたしかな歌と演奏があってこそのロックンロール・ショーであったこともあきらかだった。このことは今回の50周年記念公演に通底した、すなわち、バンドにはロンドン公演からずっと抜群の安定感があったということで、ミック・ジャガーが69歳、キース・リチャーズが68歳、チャーリー・ワッツが71歳、ロン・ウッド65歳であることを思えば、やはりストーンズは超人の集まりであるとしかいいようがない。メンバーの死や脱退や逮捕など、数多くのシリアスな状況を乗り越えてきたバンドだからこそ、余計にそう感じてしまうのである。
このライブは、日本では12月16日午前より「生中継! ザ・ローリング・ストーンズ 50周年記念ライブ ONE MORE SHOT」と題し、WOWOWにて独占生放送されたのだが、2013年2月にリピート放送が予定されている。残念ながら今回見逃してしまったという方も、もう一度見たいという方も、ロックンロールの歴史における最強にして最高のバンドの最新ライブをぜひともチェックしてほしい。
(文・島田諭)
(写真・WireImage )
■12月15日 プルデンシャル・デンター公演 セットリスト■
1. 一人ぼっちの世界
2. ラスト・タイム
3.イッツ・オンリー・ロックン・ロール
4. 黒くぬれ!
5. ギミー・シェルター (ゲスト:レディー・ガガ)
6. ワイルド・ホース
7. ゴーイング・ダウン (ゲスト:ジョン・メイヤー/ゲイリー・クラーク・ジュニア)
8. デッド・フラワーズ
9. フー・ドゥ・ユー・ラヴ (ゲスト:ザ・ブラック・キーズ)
10. ドゥーム・アンド・グルーム
11. ワン・モア・ショット
12. ミス・ユー
13. ホンキー・トンク・ウィメン
14. ビフォー・ゼイ・メイク・ミー・ラン
15. ハッピー
16. ミッドナイト・ランブラー(ゲスト:ミック・テイラー)
17. スタート・ミー・アップ
18. ダイスをころがせ (ゲスト:ブルース・スプリングスティーン)
19. ブラウン・シュガー
20. 悪魔を憐れむ歌
アンコール
21. 無情の世界
22. ジャンピン・ジャック・フラッシュ
23. サティスファクション
すべての画像
- 種類
- その他
- ダウンロード