祝! ジョセフ・ノックス『トゥルー・クライム・ストーリー』(新潮文庫)が、2024年 第77回 日本推理作家協会賞翻訳部門受賞!
ミステリー界、震撼!女子学生失踪の真相を探るノンフィクションは、思いもかけぬ闇を暴き出すことに――。作者すら信用できないノワール・サスペンス問題作。
5月 13日、2024年 第77回 日本推理作家協会賞選考会において、株式会社新潮社刊行の文庫で、英国作家ジョセフ・ノックスによるノワール・サスペンス小説『トゥルー・クライム・ストーリー』(池田真紀子訳)が、翻訳部門(試行第二回)を受賞いたしました。
昨年末の海外ミステリー・ベスト・アンケートでも、「週刊文春 文春図書館 ミステリーベスト10」2024年版海外編で3位、「このミステリーがすごい! 2024年版」ベスト・ランキング海外篇7位、「ミステリが読みたい! 2024年版」ベスト・ランキング海外篇7位と、評価の高かった本書の内容は――。
2011年末、マンチェスター大学の学生寮から、一人の女子学生が姿を消した。彼女の名はゾーイ。6年が経過するも行方はわからず、世間の記憶も薄れてきた2017年、作家イヴリンはこの事件に関心を抱き、関係者への取材と原稿執筆を開始。作家仲間であるジョセフ・ノックスにアドバイスを仰いだ。翌年、ゾーイの双子の姉キムが初めてマスコミ取材に応じ、事件は再度注目を集めることになる。だが、取材と執筆を続行するようノックスから助言されていたイヴリンは、拉致犯人と思われる人物を特定する証拠を入手した直後に死亡。故人の遺志を継いだノックスが原稿の整理と追加取材を行って、『犯罪実話』として彼女の遺稿を完成させるのだったが――。
関係者へのインタビューを中心に、イヴリンとノックスとのメールでの対話、新聞記事の抜粋、Facebookの書き込みなどから浮かび上がる失踪事件の謎に、新たに殺人が絡み、複雑な人間関係には著者ノックス自らも加わっているという、特異な形式で描かれる圧巻の野心作。
『堕落刑事』にはじまる〈マンチェスター市警 エイダン・ウェイツ〉シリーズのジョセフ・ノックスがはじめて挑む単発作品で、被害者も遺族も、友人も関係者も、作者すらも、誰ひとり信頼できる者のいない、斬新なるダーク・ノワール。並みいる傑作揃いの他候補をおさえての受賞となりました。ぜひとも読んでいただきたい海外ミステリーの一冊です。
◾️書誌情報
【書名】トゥルー・クライム・ストーリー(新潮文庫刊)
【著者】ジョセフ・ノックス
【発売日】2023年8月29日
【定価】1,265円(税込)
【ISBN】978-4-10-240154-5
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