「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」に琵琶湖を巡る新コースが誕生します
~滋賀ゆかりの立ち寄り観光地、「食の匠」、車内を彩る伝統工芸品が決定しました~
2026年春から琵琶湖を巡る新しいコースが誕生
2025年6月に運行8周年を迎える「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」は、運行開始より西日本を巡る5つのコースで特別な旅をご提供してきましたが、この度、運行開始後初めて2つのコースを大幅に見直し、2026年春から琵琶湖を巡る新しいコースが誕生します。これにあわせ、滋賀ゆかりの立ち寄り観光地や料理を監修する「食の匠」、車内を彩る伝統工芸品も決まりましたのでお知らせします。
日本最大の湖、琵琶湖をはじめ長い年月をかけて育まれてきた滋賀の風景・歴史・文化を「瑞風」の旅を通じてお伝えしていきます。ぜひご期待ください。

1. コースと立ち寄り観光地の新設
(1) 新コースについて
「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」は京都駅・下関駅を発着とし、山陽や山陰を巡る5つのコースをご用意しています。このうち山陽下り・上り(各1泊2日)の2つのコースが、2026年春より以下のコースとなります。瀬戸内の多島美に加え、悠々と水をたたえる琵琶湖と緑豊かな山々や田園が織りなす景観をお楽しみください。
① びわ湖周遊・せとうちコース(下り)
京都駅を出発して湖西線・北陸本線経由で琵琶湖を周遊しながら、1日目に木ノ本駅で下車し滋賀県長浜市を訪れます。その後、東海道・山陽本線経由で、せとうちエリアを巡り、2日目に岩国駅で下車し山口県岩国市を訪れた後下関駅に到着します。

② びわ湖周遊・せとうちコース(上り)
下関駅を出発して1日目に防府駅で下車し山口県防府市を訪れ、その後、山陽・東海道本線経由でせとうちエリアを巡り、2日目に近江八幡駅で下車し滋賀県近江八幡市を訪れます。その後、東海道本線・北陸本線・湖西線経由で琵琶湖を周遊しながら京都駅に到着します。

(2) 立ち寄り観光地について
「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」では、各コースとも1日1回の立ち寄り観光をご用意し、その地域の豊かな歴史・文化に触れていただきます。
びわ湖周遊・せとうちコース(下り)1日目は、木ノ本駅で下車し滋賀県長浜市の「渡岸寺(どうがんじ)観音堂[向源寺]」「赤後寺(しゃくごじ)[日吉神社]」を訪れ、地域の人々が大切に守り継いできた観音の里の魅力を、びわ湖周遊・せとうちコース(上り)2日目は近江八幡駅で下車し滋賀県近江八幡市の「ヴォーリズ記念館」「ハイド記念館」を訪れ、近江八幡を愛したヴォーリズの魅力をお伝えします。
① びわ湖周遊・せとうちコース(下り)1日目
■ 渡岸寺観音堂 [向源寺]
本尊の国宝「十一面観音立像」は、奈良時代736年(天平8年)に聖武天皇の勅願により泰澄(たいちょう)大師がつくられたと伝わっています。現在は、1925年(大正14年)に再建された観音堂に安置されており、国宝に指定され、病除けの観音として、今もなお多くの参拝者が訪れています。

■ 赤後寺 [日吉神社]
滋賀県長浜市高月町にある寺院で、奈良時代720年(養老4年)創建と伝承されています。安置されている「木造千手観音立像」と「木造菩薩立像」はともに平安時代の作で重要文化財に指定されています。厄を転じて利となす「転利(コロリ)観音」として親しまれており、三回参拝すれば長患いせず極楽往生できるともいわれています。

【観音の里】
琵琶湖の北に位置する長浜市は、古くから交通の要衝であったことや、古代から霊山として崇められてきた己高山(こだかみやま)の影響もあり、様々な信仰文化が交じり合った独自の仏教文化が築かれました。そのため、仏教文化財の宝庫となっており、特に観音像が数多く点在しています。観音像は奈良・平安時代に遡るものも多く、幾多の戦乱や災害に見舞われながらも、そのたびに地域の人々が地中に埋めたり川に沈めたりするなど、身を挺して守ってきました。これらの観音像は、現在も地域の人々によって献身的に守り継がれています。こうした信仰の歴史と、そこから生まれた独自の精神文化や生活文化が息づいていることから、長浜市は「観音の里」と呼ばれています。
■ 立ち寄り観光の内容
「観音の里」の護持・承継を支援している「高月観音の里歴史民俗資料館」館長による観音信仰の歴史や文化などの解説と共に、「渡岸寺観音堂[向源寺]」では優美な姿が特徴で日本全国に八体ある国宝十一面観音の中でも最も美しいとされる国宝「十一面観音立像」を、「赤後寺[日吉神社]」では重要文化財「木造千手観音立像」と「木造菩薩立像」をご覧いただきます。
「観音の里」と呼ばれ、古くから地域の人々によって大切に守り継がれる観音像への信仰の歴史と文化を現地で感じていただきます。
② びわ湖周遊・せとうちコース(上り)2日目
■ ヴォーリズ記念館
ウィリアム・メレル・ヴォーリズの居宅として1931年(昭和6年)に建築された木造の外壁と赤い瓦屋根に白い煙突を持った瀟洒な洋館です。滋賀県指定有形文化財で、現在館内には近江八幡市の名誉市民第一号となった彼の功績を称え、83年間にわたる生涯の記録など数々の遺品や資料が保管・展示されています。

■ ハイド記念館
清友園(近江兄弟社幼稚園)としてヴォーリズが設計し、アメリカの実業家ハイド氏の寄付により、1931年(昭和6年)に建設された、ヴォーリズ建築の代表的な建物です。2000年(平成12年)に国の有形登録文化財に登録され、2003年(平成15年)3月まで幼稚園舎として使用されましたが、現在はヴォーリズゆかりの品や絵画、パネルなどが展示されています。

【ウィリアム・メレル・ヴォーリズ(日本名:一柳 米来留(ひとつやなぎ めれる))】
キリスト教伝道のため1905年(明治38年)にアメリカから来日後帰化し、伝道活動を通して建築から医療、教育事業などの幅広い活動を行い、近江八幡市の教育や医療に大きく貢献しました。メンソレータム(現在はメンターム)で有名な近江兄弟社を創立・経営する以前から建築事務所を立ち上げ、全国で教会や学校、ホテルなど戦前だけでも1,600件にものぼる建物を設計し、「ヴォーリズ建築」といわれるそれらの様式は、近代日本の建築業界に大きな影響を与えました。
■ 立ち寄り観光の内容
「ヴォーリズ記念館」では解説と共に通常非公開の2階を特別にご覧いただきます。「ハイド記念館」では、ヴォーリズの人柄や建築様式などあらゆる面において造詣が深い「ヴォーリズ記念館」館長の特別講話をお楽しみいただきます。講話後は選択制で、「三方よし」の精神で知られる近江商人の商家やヴォーリズ建築が残る近江八幡の町並みを散策いただくか、自然とスイーツを堪能できる「ラ コリーナ近江八幡」 にてショッピングやカフェでお寛ぎいただきます。
※和菓子舗たねや、洋菓子店クラブハリエのフラッグシップ店です。

なお、コースの新設に伴い、これまで山陽コース(下り)1日目に訪れている岡山県倉敷市は、2026年春より山陽・山陰コース(周遊)1日目の立ち寄り観光に変更します。また、これまで山陽コース(上り)2日目に訪れている広島県尾道市と、山陽・山陰コース(周遊) 1日目に訪れている岡山県岡山市の立ち寄り観光は終了します。
※ 2026年春から「山陽・山陰コース(周遊)」の名称は、「せとうち・山陰コース(周遊)」に変更します。
2. 新たな「食の匠」の決定
「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」では、一流の「食の匠」が監修し、沿線の多彩な食材を使用した料理を車内でお楽しみいただいています。
この度、「瑞風」の食をプロデュースする門上武司氏の協力をいただき、滋賀県から初選出となる「食の匠」が決定しましたのでお知らせします。
新たに加わる「食の匠」監修のもと、滋賀の食文化や食材を活かした料理をご堪能ください。
■ 「Biwa collage(ビワコラージュ)」エグゼクティブシェフ 市山 技(いちやま たくみ)氏
大阪府出身。大阪あべの辻調理師専門学校を卒業し、大阪のイタリア料理店「ラ・ムレーナ」で勤めた後、2006年にイタリア料理の名店「アルポルト」京都店の料理長に就任。2020年、長浜市の「Biwa collage」エグゼクティブシェフに就任する。
「型にはまらない、自由で楽しい料理」を掲げる市山シェフが作るイタリアンは、生産者とのつながりを大切に守りながら、滋賀の郷土食や地元食材などを自由自在に組み合わせた最高の一皿を追求している。

〈提供コース〉びわ湖周遊・せとうちコース(上り)2日目昼食。
3. 車内を彩る伝統工芸品の決定
「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」のインテリアは、建築家 浦一也氏によるデザイン監修のもと、「上質さの中の懐かしさ」の列車コンセプトに基づき、ご利用になるお客様が洗練された上質さと心休まる懐かしさを感じる「ノスタルジック・モダン」テイストのデザインとしています。
この度、車内に彩りを添える伝統工芸品について、滋賀ゆかりの品を展示することが決定しましたのでご紹介します。
■浮御堂波蒔絵香合(うきみどうなみまきえこうごう)
近江八景「堅田の落雁」で名高く、平安時代に湖上安全と衆生済度(しゅじょうさいど)を祈願して建立されたといわれる「浮御堂」の古材でつくられた香合。側面に波模様の蒔絵が施されています。

■琵琶湖真珠と卯山窯(うざんよう)の陶板
琵琶湖に棲息する池蝶貝(いけちょうがい)から長い期間をかけて生産される琵琶湖真珠は、海の真珠と異なり形や色が様々です。この真珠を陶器の里・信楽で作られた焼締めの陶板に飾っています。
協力:神保真珠商店、卯山窯

これらの他に、江戸時代初めに膳所(ぜぜ)藩主が開いた膳所焼の「鮟鱇茶入(あんこうちゃいれ)」や、幕末に彦根藩の藩窯として名品を生んだ湖東焼の「染付山水絵細水指(そめつけさんすいえほそみずさし)」を展示します。
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