室戸市の特徴的な地形の上に建つ室戸岬灯台で海と光と美食の共演 知られざる室戸岬灯台の様々な魅力が明らかに!
2023年2月23日 <実施場所>室戸岬灯台(高知県室戸市)
高知県室戸市の室戸岬灯台・旧官舎及び周辺敷地利活用検討共同体は、室戸市の雄大な自然が作り上げた特徴ある地形の上に建つ室戸岬灯台の歴史や文化的な価値を紐解き、灯台の持つ価値を次世代に継承していくことを目的とした新たな灯台利活用を進めてきました。2023年2月23日(木・祝)には、室戸岬灯台の魅力や価値を参加者で共有する場や、今後の利活用方法の検討を兼ね旧官舎及び周辺敷地での食事会や点灯した室戸岬灯台の鑑賞会など、室戸岬灯台の魅力を味わい尽くす灯台魅力発掘イベントを開催いたしました。この取り組みは、灯台の存在意義を高め、灯台を起点とする海洋文化を次世代へと継承していく「海と灯台プロジェクト 新たな灯台利活用モデル事業」の一環です。
イベント概要
イベント名 | 室戸岬灯台の魅力を味わい尽くす灯台発掘イベント |
目的 | 室戸岬灯台を活用したイベントや事業の開発により、高知県室戸市の活性化を図る |
実施日 | 2023年2月23日(木・祝) |
実施会場 | 室戸岬灯台・旧官舎及び周辺敷地 |
参加者 | 35名 |
実施者 | 室戸岬灯台・旧官舎及び周辺敷地利活用検討共同体 |
協力団体等 | 高知海上保安部・株式会社さとゆめ・旅する料理人 三上奈緒氏・藁屋waraya 笹隼也氏・Traveling kitchen YUM 川西史宏氏・室戸市民 有志 |
今回のイベントでは室戸岬灯台の今後の利活用方法を視野に入れ、下記3つの取り組みを行いました。
■取り組み1:室戸岬灯台に関する魅力や価値を確かめる情報共有
■取り組み2:室戸岬灯台の日中利用を見据えた食事会などの実証実験
■取り組み3:室戸岬灯台の夜間利用の可能性調査
室戸岬灯台だけが持つ魅力や価値を再考するための情報共有
本イベントでは海上保安試験研究センター 試験研究官として勤務しながら、ライフワークで全国の灯台について調査・研究し記録に残す活動をしている星野宏和氏と室戸岬灯台で灯台守として2度勤務経験のある山北幸三氏をゲストでお呼びし、室戸岬灯台の持つ魅力や価値について参加者と共に情報を共有する場を設けました。
■星野宏和氏からの室戸岬灯台が持つ魅力や価値についてのレクチャー
星野氏からは明治期に建設された灯台の中で、今もなお現役で稼働している鉄造の灯台としては2番目に古いことや1階部分に円形の付属舎を有している形状の希少性について、光達距離日本一を誇る第1等レンズが3代にわたってほとんど形状を変えることなく今に至ることや、回転台についても建設当時のものが残っていることなど日本全国の灯台と比較して、室戸岬灯台だけが持つ特徴や魅力・価値についてレクチャーを受けました。
星野氏の話を聞き、参加者である室戸市の方々と室戸岬灯台の魅力や価値を再考する貴重な時間となりました。常日頃、室戸市の観光スポットの一部として室戸岬灯台を案内している「室戸市観光ガイドの会」の方々や室戸岬灯台に興味を持っている地域事業者の方からは様々な質問が飛び交い、室戸市民が室戸岬灯台について知識を深める機会となりました。
■室戸岬灯台を知り尽くす星野氏・山北氏と周る見学会
室戸岬灯台に詳しい星野氏と室戸岬灯台にて、2度勤務経験のある山北氏の話を聞きながら、高知海上保安部の協力の元、室戸岬灯台の内部や旧官舎の見学会を行いました。星野氏はレクチャー内でもあったレンズや回転台についてのお話を交えながら、参加者と施設内をひとつひとつ細部まで見学しました。山北氏からは、旧官舎で生活していた時のお話や、勤務当時の思い出話を中心としたお話があり、室戸岬灯台の貴重な歴史に触れる見学会となりました。
室戸岬灯台の歴史は約120年と長く、当時の灯台について知る人は年々少なくなっていく中、今回のように灯台に興味を持ち次世代に灯台の魅力や価値を継承していけるような情報共有の場はとても意義あることだと感じました。
■室戸岬灯台に関わりの深い方々のインタビュー動画制作
室戸岬灯台について調査・研究を進めていく中で、灯台に関わりのある様々な方々からお話を聞くことができました。これまで6名の方にヒアリング調査を行い、それぞれの方の視点で室戸岬灯台との関わりや想いを語ったインタビュー動画を制作し、本イベントにて上映会を行いました。6名の方から室戸岬灯台について語ってもらうことで、多角的な視点から室戸岬灯台固有のストーリーや魅力を考えることができました。
太平洋を見渡せる絶景を見ながら、室戸の恵みを味わう食事会
本事業では、室戸岬灯台と旧官舎及び周辺敷地を併せて、今後、地域住民や地域事業者がより自由に活用できることを目指しています。室戸岬灯台は室戸市の特徴的な地形からなる室戸岬突端の高台の上に位置しています。灯台周辺敷地から見える太平洋は絶景で、だれでも自由に立ち寄れる絶景スポットとなっており、室戸岬灯台の持つ本質的な価値にもなっています。
本イベントでは、太平洋を見渡せる絶景とレクチャーにてより深く知ることができた室戸岬灯台と旧官舎を眺めながら室戸市の恵みをふんだんに使用した料理を味わう食事会を行いました。
この食事会では普段容易に手にいれることができない食材の情報提供や調達のサポートなど地域の方々に多大なご協力をいただきました。また、食事会場の準備や食事会当日のサポートにおいても地域の事業者・有志として参加いただいた地域の方々にもご協力いただき、無事素敵な食事会を開催することができました。
参加者からはこのような特別な場所で味わう料理は格別で、室戸岬灯台でこのような素敵な時間を過ごせることを広く全国に発信していきたいなど、参加者自ら室戸岬灯台の魅力や本質的な価値に触れる機会となりました。
まるで芸術作品のような美しい姿の室戸岬灯台夜間鑑賞会
室戸岬灯台最大の魅力の一つに、夜間の点灯している姿がまるで芸術作品のような佇まいであり、その姿がとても美しいことがあげられます。
本イベントでは今後の室戸岬灯台の夜間利用を見据えて、室戸岬灯台の夜間鑑賞会を行いました。鑑賞会では高知県内から取り寄せたドリンクを片手に、アコーディオン奏者の演奏を聴きながらゆっくりと点灯している室戸岬灯台を鑑賞しました。
室戸岬灯台の夜間利用は、灯台利活用の中でもより特別な体験として来訪される方々に1度は訪れたくなるような価値を提供できると感じています。今後は、期間限定のイベントとして灯台の夜間利用を行いながら室戸岬灯台固有の価値を検討していきたいと思います。
室戸岬灯台(高知県室戸市)の歴史と魅力
室戸岬灯台は明治32年(1899年)4月に点灯が開始され、改築の記録はなく、明治期の貴重な鉄材が120年以上使われている鉄造の灯台です。使用されているレンズは直径2.6mにも及ぶ国内最大級の第1等レンズであることや、室戸市の特徴的な地形がつくる高台の上に建つことから日本一の光達距離を有します。
また、灯台に隣接する形で当時の灯台守が暮らしていた石造の官舎が残っており、その周辺敷地を併せて様々な利活用方法が考えられるポテンシャルを持っている灯台です。
日本で5台しか現存しない第1等レンズが間近で見られるのも室戸岬灯台の最大の魅力となっており、灯台が立地する地形の関係から、室戸岬灯台のレンズ部分は人の目線と同程度の高さから鑑賞が可能です。
このように間近で点灯している第1等レンズを見ることができるのは日本では他に類を見ず、今後室戸岬灯台の最大の魅力として全国に発信していきたい室戸岬灯台固有の価値となっています。
室戸岬灯台の今後の利活用における展望
本イベントは室戸市・室戸市観光協会・高知海上保安部の協力の元、今後の室戸岬灯台利活用を見据えての試みとして地域住民の参加を中心に行いました。
この取り組みを機に、室戸岬灯台に関わる地域住民や地域事業者を増やしていきながら、来年度以降は一般向けの有料イベントや地域の観光事業者と連携する形での灯台を活用した限定プランを実施するなど、室戸岬灯台の様々な活用を検討していきます。
<団体概要>
団体名称:室戸岬灯台・旧官舎及び周辺敷地利活用検討共同体
(本共同体は室戸市・株式会社テレビ高知・室戸市観光協会からなる団体です)
活動内容:室戸岬灯台の魅力や歴史的価値を再考し、今後市民がより自由に灯台と旧官舎及び周辺敷地を使用できるよう様々な取り組みを行なっていく団体です。また、室戸市の観光コンテンツの1つとして室戸市の活性化も視野に入れた利活用を検討しています。
海と灯台プロジェクト 新たな灯台利活用モデル事業
日本財団「海と日本プロジェクト」の一環として、灯台を中心に地域の海の記憶を掘り起こし、地域と地域、異分野と異業種、⽇本と世界をつなぎ、新たな海洋体験を創造していく「海と灯台プロジェクト」。その取り組みのひとつである「新たな灯台利活用モデル事業」は、灯台の様々な利活用モデルを創出することで、灯台の存在意義を高め、灯台を起点とする海洋文化を次世代へと継承していくことを目的としています。初年度である2022年度は、本リリース事業含め、全国で12事業が採択されました。
海と日本プロジェクト公式サイト https://uminohi.jp/
海と灯台プロジェクト公式サイト https://toudai.uminohi.jp/
新たな灯台利活用モデル事業 公募情報 https://toudai.uminohi.jp/event/post-5778/
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