日本の原風景を子どもたちに伝えたい。十五夜の「観月祭」を題材にした絵本『つきみのまつり』刊行
子どたちに伝えたい 、日本の十五夜の原風景
美しく、どこか懐かしい日本の風景を描く、絵本作家・羽尻利門さん。自然に囲まれた地で、自然や動物を身近に感じながら暮らす日々で、いつの時代も変わらずある月の姿と、伝えつづけたい月見の風景を描きました。
■あらすじ
十五夜の夜、神社のお祭りへ行くキッカとゲント。リフトで登った山の頂上の境内で、月の神さまに感謝と祈りを捧げる「観月祭」に参加することに。そこには、美しい月を眺めるたくさんの人がいて……。人も動物もすべての生きとし生けるものが、美しい満月をめでる十五夜のお話。
絵のなかでは、文字探しも楽しめる!
本文中の各見開きには、絵本と関わりの深い言葉(4つの文字)が隠されています。親子で日本の原風景に触れながら、細部まで美しく描きこまれた絵を見て、文字探しも楽しめる絵本です。
作者・羽尻利門さん「構想5年、ついに描けた観月祭の物語」モデルは徳島県阿南市の津峯神社
「観月祭」は、旧暦8月の十五夜に、全国各地の神社で行われる神事です。祭神及び月の神様(ツクヨミノミコト)に、秋の豊作と日々の安寧を祈り、感謝が捧げられ、芸能などが奉納されます。 このお話に登場する神社は、四国最東端のまち、徳島県阿南市に鎮座する津峯神社(つのみねじんじゃ)がモデルです。2018 年のお月見の夜、私は初めて津峯神社の観月祭へ参りました。山の上の境内では美しい祭壇が設けられ、宮司が祝詞(のりと)を奏上(そうじょう)し、雅な巫女舞やお琴の調べが奉納されました。虫の鳴き声がこだまのように鳴り響き、その神秘的な空気に私はすっかり魅了され、「この素晴らしい伝統行事を作品として描き残したい」と思いました。それから5年、ようやくその願いが形になりました。 山とその周辺には、人だけでなく、たくさんの生き物が暮らしています。夜空に浮かぶ明るい月は、ヒトも動物も、すべて分け隔てなく、その命をやさしい光で包み込んでくれます。まるで、あらゆる命が等しく尊いものであることを、私たちに教えてくれているように。そんな思いも、この作品に込めています。 羽尻利門(本書あとがきより) |
著者プロフィール
羽尻利門(はじり・としかど)
1980年、兵庫県生まれ、京都府育ち。立命館大学国際関係学部卒業。貿易会社勤務ののちイラストレーターに。
2006年、第7回インターナショナル・イラストレーション・コンペティションで優秀賞受賞。主な作品に『夏がきた』『神社のえほん』(以上、あすなろ書房)、『そらいっぱいの こいのぼり』(世界文化社)、『やめろ、スカタン!』(作・くすのきしげのり、小学館)、『えほん遠野物語 おまく』(原作・柳田国男、文・京極夏彦、汐文社)、『きみも運転手になれる! パノラマずかん 運転席』(作・宮本えつよし、パイ インターナショナル)などがある。
刊行情報
『つきみのまつり』
■作:羽尻利門
■発売日:2023年8月6日(日)
■定価:1,540円(税込)
■発行:株式会社世界文化ブックス
■発行・発売:株式会社世界文化社
https://www.amazon.co.jp/dp/4418238352
関連書籍
『そらいっぱいの こいのぼり』
■作:羽尻利門
■発売日:2022年3月11日(金)
■定価:1,430円(税込)
■発行:株式会社世界文化ワンダークリエイト
■発行・発売:株式会社世界文化社
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