マイナビ転職、「正社員の賃金上昇実態と生活満足度調査」を発表
正社員の賃金「低すぎる」は4割で、理想と現実のギャップは年収100万円。今の生活に不満を感じる人は6割、将来の生活へ不安を感じる人は7割にのぼる。
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)が運営する総合転職情報サイト『マイナビ転職』(https://tenshoku.mynavi.jp/)は、正社員1,200名を対象に行った「正社員の賃金上昇実態と生活満足度調査」の結果を発表しました。本調査では、正社員の賃金実態や、金銭的理由による将来への不安などが明らかになりました。
≪TOPICS≫
- 正社員年収の中央値は450万円で、4割が「低すぎる」と感じている。理想と現実のギャップは約100万円(月額換算8.3万円)【図1、2、3】
- 5年前と比べて年収が上がった人は4割。5年後の見通しは「年収は変わらない」が約半数と、賃金上昇に悲観的【図4、5】
- 正社員の6割が今の生活に金銭的不満を抱き、将来への不安を抱えている人は7割に。4人に1人が食費、3人に1人が交際費、趣味費の出費をためらう【図6、7、8】
20代~50代の正社員に現在の年収を聞いたところ、中央値は450万円で、20代は350万円、30代は425万円となった。自身の年収が「低すぎる」と回答した人は43.0%で「妥当(33.3%)」を上回り、理想と現実の年収差は100万円(月額換算8.3万円)と大幅にギャップが出た。【図1、2、3】
5年前と比べて年収が上がった人は41.9%で、上昇額の中央値は50万円となった。こちらは月額換算すると4.2万円で、物価高や増税の影響を考えると、年収が上がった人でも家計の好転は実感しづらいことがうかがえる。5年後の賃金の見通しは、「変わらないと思う(46.6%)」が「上がると思う(37.3%)」を上回り、賃金の上昇に悲観的なことがわかる。【図4、5】
今の生活の金銭的な満足度は「不満」が57.8%と半数を超えた。年収別で「不満」の比率を見ると「300万円未満(77.1%)」、「300万円~500万円(64.0%)」。一方、年収500万円以上では、「満足」と「不満」がほぼ同等となり、700万円以上で逆転した。
また、金銭的理由で出費をためらう・諦めるものがあるか聞いたところ、「趣味・娯楽(36.8%)」、「被服・美容(32.1%)」「交際費(30.3%)」はいずれも3割を超えた。「食費」は25.3%で、4人に1人が金銭的理由で食費の出費をためらっており、生活苦を感じさせる結果となった。【図6、7】
将来の生活への金銭的不安について、「不安」と回答した人は71.5%にのぼった。また、年収を上げるために行っていることを聞くと、「今の会社で年収を上げるための勉強・リスキリングを行っている」は20.2%、「今の会社以外の収入は得ていないが、検討している」は15.4%、と、スキルアップを考え活動・検討している人が一定数いることがわかる。一方、「特に何もしていない」は半数を超える結果となった。【図8、9】
【総評】
今回の調査で、正社員の賃金満足度と生活への不安が明らかになりました。賃金別に見ると、年収300万円以下の人に関しては、約半数が「年収が低すぎる」と感じ、約8割が生活に不満を持っていることがわかりました。これでは、やりがいを感じる仕事でも生活事情を理由に諦めざるを得ないと離職していく人が出てくる可能性があります。賃金と人材定着の問題は、企業にとって看過できない課題と言えるでしょう。
働き手の意識としては、生活への危機感からか約2割がリスキリング(学び直し)を実施している結果に。また、副業を実施・検討しているなど、社内外問わず個人のスキルアップや「稼ぐ力」を付けることに前向きな傾向が見られました。
企業としても近年は副業認可への就業規則変更、オンライン学習ツールを利用したスキルアッププログラムの提供など、社員のスキルアップを後押しする動きが増えています。ジョブ型雇用の導入検討など、スキル・職務を重視した賃金の見直しが議論され始めるなかで、スキルを身に付けて自分の市場価値を上げることは、長いキャリアにおいてますます重要性を帯びてくるでしょう。社員一人一人の挑戦を後押し、評価する環境の整備、社員が身に付けたスキルを社内で発揮できる機会など、環境を整えて好循環をまわしていくことが、企業経営に求められるようになると考えられます。
『マイナビ転職』編集長 荻田泰夫
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【調査概要】マイナビ転職「正社員の賃金上昇実態と生活満足度調査」
調査期間:2022年9月30日(金)~10月2日(日)
調査方法:WEB調査
調査主体:株式会社マイナビ(パネル提供元:外部調査会社)
有効回答数:1,200名(内訳:20代、30代、40代、50代の正社員各300名)
※グラフの内訳は端数四捨五入の関係で合計数値と合わない場合があります
上記のほか、会社の賃金評価で考慮してほしいこと、年収別購買行動の実態、副業の収入額、賃金がきっかけで転職を検討したことがあるかについても調査しています。
調査結果の詳細は下記「マイナビ転職 キャリアトレンド研究所」で公開しています
https://tenshoku.mynavi.jp/knowhow/careertrend/12
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