新型コロナウイルスワクチン:公平なアクセスを可能にするために【プレスリリース】

事務局長声明

首都バマコの大学病院に届いたCOVID-19ワクチン。(マリ、2021年3月31日撮影) © UNICEF_UN0435510_Keïta首都バマコの大学病院に届いたCOVID-19ワクチン。(マリ、2021年3月31日撮影) © UNICEF_UN0435510_Keïta

【2021年4月6日 ニューヨーク 発】

ユニセフ事務局長ヘンリエッタ・フォアは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチンの公平なアクセスの実現について、以下の声明を発表しました。

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1年あまりの間に、世界の科学者、ビジネス界、政府、多国間機関等が力を結集し、これまでになかったことが実現しました。世界を停止させたウイルスに対抗するためのワクチンを作り、そのワクチンを記録的な早さで安全にテストし、輸送し、投与し始めたのです。これは驚くべきことです。

しかし、この闘いはまだ終わっていません。世界中で変異種が出現しており、そのたびに世界的に大規模な後退のリスクが生じています。

今のペースでは、需要に見合うワクチンが供給されないだけでなく、供給されたワクチンがあまりにも少数の人に集中しています。国民に複数回ワクチンを接種できるだけの量を契約している国があれば、まだ初回分さえ受け取れていない国もあります。これは、私たち全員を脅かすものです。このままではウイルスとその変異種が勝ってしまうのです。

ウイルスに先手を打ち、この状況を打開するためには、最前線で働く人々にワクチンを接種するという戦略をもとに、すべての人に公平なアクセスを真に可能にする方策を推進しなければなりません。ユニセフは、政府、ビジネス界、パートナーに対して、三つの緊急行動をとることを求めます。
 

© UNICEF_UN0434384_Hrant Marinosyan_Ministry of Health_Armenia© UNICEF_UN0434384_Hrant Marinosyan_Ministry of Health_Armenia

第一に、知的財産権保有者による自主的かつ積極的なライセンス供与により、知的財産権を簡素化することです。しかし、これだけでは生産量は増えません。医薬品と異なり、ワクチンの製造は、複数の要素や段階を含む複雑な製造プロセスとなっています。知的財産権の保有者は、ライセンスに付随する技術パートナーシップを提供し、積極的にノウハウを共有し、不当な地理的・数量的制限なしに製造業者に下請けに出すべきです。この課題には、強制的なライセンス放棄ではなく、積極的なパートナーシップと協力が必要です。ファイザーとビオンテック、アストラゼネカとインド血清研究所(SII)、ジョンソン・エンド・ ジョンソン(J&J)とメルク、さらにJ&Jとアスペンなど、最近の製造業者とのパートナーシップは心強い例です。ユニセフは、製造能力の規模と地理的な多様性を高めるために、他の企業もこれにならうよう求めています。

市場だけではイノベーションがすべての人に恩恵をもたらすことを保証することはできませんが、自主的なライセンス供与、プールファンド、COVAXのような多国間メカニズムは、製品開発者とメーカーが協力してイノベーションを起こし、公平なアクセスを促進するための効果的かつ現実的な方法です。

第二に、ワクチンのナショナリズムをなくさなければなりません。各国政府は、COVID-19ワクチン、原材料、物資の輸出を妨げたり、制限したり、遅らせたりする直接的、間接的な輸出入規制措置を撤廃すべきです。ウイルスに国境はありません。私たちの母国でCOVID-19を打ち負かすことは、すべての人にワクチンと物資の安定した供給を確保することで、世界中でCOVID-19を打ち負かすことを意味するのです。
 

プノンペンにある国立小児科病院で、COVID-19ワクチンの準備をする医療従事者。(カンボジア、2021年3月11日撮影) © UNICEF_UN0431831_Sengプノンペンにある国立小児科病院で、COVID-19ワクチンの準備をする医療従事者。(カンボジア、2021年3月11日撮影) © UNICEF_UN0431831_Seng

最後に、今年、成人人口全員にワクチンを接種するために必要な量よりも多くの将来接種分を受け取る契約をしている政府は、2021年分の余剰契約分の大部分またはすべてを直ちにCOVAXに貸与、引き渡し、あるいは寄付し、他の国に公平に割り当てられるようにしていただきたいと思っています。

さらに、製造されたワクチンが十分に供給されている国は、利用可能なワクチンの少なくとも5パーセントを直ちに寄付することを検討し、年間を通じて継続的に、供給量の増加に応じて寄付量を増やしていくことを求めます。このような寄付の約束をすることで、将来の予測可能性が高まり、公平なアクセスが促進され、世界のワクチン市場の安定化につながります。

パンデミックにおいては、すべての人が安全になるまで誰も安全にはなりません。しかし、COVID-19ワクチンへの公平なアクセスは私たちの手の届くところにあります。世界が結集すれば、考えられないようなことも実現できるとすでに証明されています。実現できたなら、私たちの生活も、子どもたちの生活も、元通りになるでしょう。

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■ 新型コロナウイルスに関するユニセフの情報はこちらからご覧いただけます。
特設サイト: https://www.unicef.or.jp/kinkyu/coronavirus/
COVAX情報ページ: https://www.unicef.or.jp/kinkyu/coronavirus/covax/

■ COVAXについて
COVAXは、COVID-19の診断検査法、治療法、ワクチンの開発などを加速させるための国際的な取り組みであるACT-A(Access to COVID-19 Tools - Accelerator)の柱の一つであるワクチン供給のイニシアティブです。感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)、GAVIアライアンス、WHO(世界保健機関)が共同で主導し、先進国および開発途上国のワクチン製造業者、ユニセフ(国連児童基金)、世界銀行、市民社会組織などと連携して活動しています。COVAXは、COVID-19ワクチンを世界各国に公平かつ迅速に分配していくことを目指し、政府や製造業者とともに取り組む唯一のグローバル・イニシアティブです。

■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。 https://www.unicef.or.jp/
※ ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/

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会社概要

URL
http://www.unicef.or.jp
業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
東京都港区高輪4-6-12 ユニセフハウス
電話番号
03-5789-2016
代表者名
赤松良子
上場
未上場
資本金
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設立
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