マイナビ転職、育休に対する男女の意識差と実態調査を発表
パートナーへの育休満足度、男性は平均83.3点、女性は平均69.8点。男性が育休を取得しなかった理由は「収入減少」「人手不足」「前例がない」
【TOPICS】
パートナーの育休の取得日数について、女性回答ではパートナーは育休を「利用したことがない」が65.0%。取得した人は「5日以内」が最も多い結果に。男性が育休を取らなかった理由では「収入減少」「人手不足」「前例がない」が女性を上回り、男性育休の取得ハードルの高さを感じさせる【図1、図2】
育休取得によって予測されるキャリアへの影響は、男性は「影響はなさそう」がトップ。男性育休の事例の少なさや、取得日数が短いことなどが影響しており、子育てが仕事に及ぼす影響は女性のほうが強く感じている【図3】
パートナーの育休に期待することは、女性は「子供のおむつを替える(40.0%)」「子供をお風呂に入れる(39.3%)」など3割を超える回答が多く、男性より育休に期待している【図4】
パートナーの育休への満足度を100点満点で表すと、男性は平均83.3点、女性は平均69.8点。「一生の思い出になった」など協力して育児に取り組めた人ほど点数が高くなった【図5、6】
【調査結果の概要】
小学生未満の子供を持つ正社員の男女に、自身のパートナーの育休取得日数を聞いたところ、女性回答では「(パートナーは育休を)利用したことがない」が65.0%となった。また、取得した人の日数を見ると「5日以内(12.0%)」が最多で、次いで「1カ月以内(7.8%)」「2週間以内(5.8%)」と短期間での取得が多く、長期育休取得へのハードルの高さがうかがえる。
男性が育休を取らなかった理由は「収入減少(23.7%)」「人手が足りていないなど、職場に取得してはいけない空気があった(17.8%)」「職場に前例がない(15.9%)」が挙がり、全体的に女性より高い結果となった。男性の育休取得は、男性が育児にかかわりやすくなるためだけではなく、家事育児の負担を均等化させることで、女性の就業継続を促進することにもつながる。そのため、女性に比べて男性が感じている「職場での前例のなさ」や「人手不足により取得しづらい雰囲気」などの打破が今後求められるであろう。【図1、2】
育休取得によるキャリアの影響は、男女ともに1位は「分からない」(男性:34.3%、女性:23.8%)となった。男性は「分からない(34.3%)」「影響はなさそう(18.0%)」を合わせると半数を超えた。これは、男性育休の事例の少なさから影響が予測しづらい点や、現状の取得日数が数日に留まる人が多いことが理由として考えられる。
一方、「昇進にネガティブな影響」がありそうと回答した女性は20.5%で、約5人に1人が挙げていた。産休育休からの復帰後も、保育園との兼ね合いで就業時間が限定されたり、子供の体調不良で急な休みを取らざるを得なくなったりすることから、責任の重い仕事や出世コースから外れてしまう、いわゆる「マミートラック※1」への懸念と予想できる。子育てが仕事に及ぼす影響は女性のほうが強く感じていることが分かった。【図3】
育休中のパートナーに期待することでは、男性は「特にない」が37.8%で、2位の「子供の寝かしつけ」が24.8%だった。対して女性は、「子供のおむつを替える(40.0%)」「子供をお風呂に入れる(39.3%)」など、3割を超える回答が多く、パートナーが育休中に家事育児へ参加することを強く求めていることが分かる。また女性は、「子育ての苦労や喜びを共有する(37.8%)」「子育ての当事者意識を持つ(33.0%)」など、気持ちの寄り添いを求めているのも特徴的で、男女間の育休に対する意識の差がうかがえる。【図4】
パートナーの育休への満足度を100点満点で表すと、男性は平均83.3点、女性は平均69.8点で男性回答が大きく上回った。点数の理由については、「1人で背負わずに2人で育児ができた」「一生の思い出になった」というポジティブな意見がある一方で、「育休中に資格取得のための勉強をすると言ったから」「言えば(育児を)やるが、言わないとやらないから」など、育児に対する温度差を感じさせる回答も見られた。【図5、6】
※1)マミートラック:出産を終えて仕事に復帰した女性が、出世コースから外れて昇進や昇給の道が遠のいたり、閉ざされてしまったりするキャリアコースを指す
【総評】
育休周知が義務化されてから約1年。厚生労働省の調査でも男性の育休取得率は確実にあがっています。しかし、まだまだ取得ハードルが高いのも事実です。
「そもそも人手不足」「育児以前に自分の体調不良でも、休みを取りづらい」という意見も多いことが分かりました。今後は、「前例がない」というハードルに加えて、「育休の間、誰が業務をフォローするか」という現場目線の対策が、企業に求められるようになるでしょう。
また、調査では「育児にかかわらず休みを取りやすい環境であることがワーキングファーザー/マザーとしての働きやすさにつながる」という声も見られました。育児以外にもさまざまなライフイベントが訪れる可能性は、長く勤めることを考えればすべての社員・労働者に不可避です。優秀な人材を逃さないために、あらゆる社員の変化に対応できる職場を作っていくことが、今後ますます重要になります。 『マイナビ転職』編集長・荻田泰夫
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【調査概要】
マイナビ転職『育休に対する男女の意識差と実態調査』
調査期間:2023年3月3日(金)~3月5日(日)
調査方法:小学生未満の子供を持つ20代から40代の男女会社員(正社員)・公務員
有効回答数:800名
※グラフの内訳は端数四捨五入の関係で合計数値と合わない場合があります
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上記のほか、育休中の過ごし方、育児にかかわる会社の制度への意識差なども調査しています。
調査結果の詳細は下記「マイナビ転職 キャリアトレンド研究所」で公開しています
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