【速報!直木賞候補作決定】伊与原新『藍を継ぐ海』&月村了衛『虚の伽藍』が第172回直木賞候補にノミネートされました
本日12月12日(木)、第172回直木三十五賞の候補作が発表されました。同賞の選考会は来年1月15日(水)に開催されます。
伊与原新さんの『藍を継ぐ海』は、これまでも科学が人に与える希望を描き続けてきた著者が紡ぎ出す短篇集。日常にまぎれ、つい忘れがちなことを思い出させてくれる、心が整う小説です。
月村了衛さんの『虚の伽藍』は、バブル期の京都を舞台に、宗派内の派閥争いに巻き込まれた若き僧侶が、地上げ戦争を制し京都の支配者へとのし上がるまでを描く社会派巨編です。
ともに2回目の直木賞候補となったおふたりに注目が集まります。なお、選考会は2025年1月15日(水)16時より、築地・新喜楽にて行われる予定です。
伊与原新『藍を継ぐ海』
■ 書籍内容紹介
なんとかウミガメの卵を孵化させ、自力で育てようとする徳島の中学生の女の子。老いた父親のために隕石を拾った場所を偽る北海道の身重の女性。山口の島で、萩焼に絶妙な色味を出すという伝説の土を探す元カメラマンの男――。人間の生をはるかに超える時の流れを見据えた、科学だけが気づかせてくれる大切な未来。きらめく全五篇。
■ 著者紹介
伊与原新(いよはら・しん)
1972年、大阪生れ。神戸大学理学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科で地球惑星科学を専攻し、博士課程修了。2010年、『お台場アイランドベイビー』で横溝正史ミステリ大賞を受賞。2019年、『月まで三キロ』で新田次郎文学賞、静岡書店大賞、未来屋小説大賞を受賞。他の著書に『八月の銀の雪』『オオルリ流星群』『宙(そら)わたる教室』『青ノ果テ 花巻農芸高校地学部の夏』『磁極反転の日』『ルカの方舟』『博物館のファントム』『蝶が舞ったら、謎のち晴れ 気象予報士・蝶子の推理』『ブルーネス』『コンタミ 科学汚染』などがある。
■ 書籍データ
【タイトル】藍を継ぐ海
【著者名】伊与原新
【発売日】9月26日
【造本】ソフトカバー
【定価】1,760円(税込)
【ISBN】978-4-10-336214-2
【URL】https://www.shinchosha.co.jp/book/336214/
月村了衛『虚の伽藍』
■ 書籍内容紹介
バブル前夜。実家の寺を助けるため、仏教最大宗派である燈念寺派の宗務院に勤務し、出世を目指す僧侶・凌玄は、寺の所有する土地売却の立ち合いで、燈念寺派が二重帳簿を付けていることに気付く。そのことで宗派内の実力者ににらまれ、窮地に追い込まれた彼に手を差し伸べたのは、京都闇社会の実力者・和倉だった。欲望にまみれた燈念寺派を正道に戻すため、あえて悪に染まっていく凌玄。ヤクザを利用し敵を排除、人殺しすら躊躇わない凌玄は、ついに燈念寺派の総貫首に挑める地位まで登りつめる。はたして、金と欲にまみれた求道の果てに待っていたのものとは……。
■ 著者紹介
月村了衛(つきむら・りょうえ)
1963(昭和38)年、大阪府生れ。早稲田大学第一文学部卒。2010(平成22)年、『機龍警察』で小説家としてデビュー。2012年『機龍警察 自爆条項』で日本SF大賞、2013年『機龍警察 暗黒市場』で吉川英治文学新人賞を受賞。2015年、『コルトM1851残月』で大藪春彦賞を、『土漠の花』で日本推理作家協会賞を受賞。2019(令和元)年、『欺す衆生』で山田風太郎賞を受賞。他の著書に『東京輪舞』『奈落で踊れ』『機龍警察 白骨街道』『ビタートラップ』『半暮刻』『対決』。
■ 書籍データ
【タイトル】虚の伽藍
【著者名】月村了衛
【発売日】10月18日
【造本】四六判ハードカバー
【本体定価】2,200円(税込)
【ISBN】978-4-10-339533-1
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