アフガニスタン:子どもたちを支える国際支援を-ユニセフ事務局長声明【プレスリリース】
ヘラートの保健センターで、上腕計測メジャーを使って栄養不良の検査を受ける2歳のファティマちゃん。(2021年8月30日撮影) © UNICEF_UN0511133_Bidel
アフガニスタンの人道支援に関する国連の閣僚級会合において、ユニセフ(国連児童基金)事務局長のヘンリエッタ・フォアが発言した要旨を以下にお知らせします。
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アフガニスタンの子どもたちは、何十年にもわたってこの国を悩ませてきた人道危機、また治安面や社会的、経済的な危機によって、過度の苦しみを受けてきました。彼らの苦しみは終焉からは程遠く、私たちの助けを必要としています。
1,000万人近くの子どもたちが、生きるために人道的支援を必要としています。
今年、少なくとも100万人の子どもたちが重度の急性栄養不良に陥り、治療を受けられなければ命を落とす可能性があります。
今年、紛争によって避難を余儀なくされた60万人近い人々のうち、半数以上が子どもです。
おとなの同伴者がいない子どもたちや、家族と離ればなれになった子どもたちの数も増え続けています。
また、紛争当事者たちが子どもを徴用しているという非公式な報告もあり、子どもたちが他の重大な権利侵害に遭う危険性が高まっていることを懸念しています。
ヘラートの国内避難民キャンプにあるユニセフの子どもに優しい空間で、レクリエーションに参加し心理社会的支援を受ける子どもたち。(2021年9月1日撮影) © UNICEF_UN0512092_Bidel
今日、私たちがここに集まったのは、困窮する子どもたちやその家族のために、命を守る支援やその他の重要なプログラムを維持・拡大できるよう、国際社会に対して、国連の人道支援機関やパートナーへの支援強化を訴えるためです。
確固たる人道的対応は、この数年間で達成された重要な開発成果を守ると同時に、長期的な安定のための種を蒔くためにも必要です。
例えば、アフガニスタンの学校の数は2002年以降3倍に増え、就学率は過去20年間で10倍に増加し、現在では400万人の女の子を含む約1,000万人の子どもたちが学んでいます。
これらは、この国の子どもたちにとって失ってはならない重要な成果であり、さらなる成長の余地があるため、今後も継続していかなければなりません。しかし、420万人以上の子どもたちが依然として学校に通っていません。最新のデータによると、アフガニスタンの女の子の約50%が初等教育を受けたことがありません。この状況を変える必要があります。
ヘラートにある女子校では、1年生から6年生までの授業が再開した。(2021年9月5日) © UNICEF_UN0518459_Bidel
ユニセフは、長きにわたりアフガニスタンの現場で活動し、重要な人道支援や開発支援を幅広く提供してきました。私たちは、子どもたちのために何をすべきかを知っています。そして十分な資金支援、物資やスタッフの輸送、必要としている人々に安全に支援を届けるための人道的アクセスが確保できさえすれば、パートナーと協力して、それらを成し遂げることができます。
私たちは、支援が政治的に左右されないようにしなければなりません。資金支援の優先順位は、まずニーズに基づいて決定されるべきです。私たちは、時期を得た持続的な支援を大規模に行う方法を模索しなければなりません。
そのためには、より多くの子どもたち、女性たち、家族が、保健・医療ケア、栄養支援、保護、避難場所、教育、水と衛生の支援やサービスを利用できるよう、プログラムを拡大することが必要です。また、人道的支援と開発支援、生活支援など、すべての組織が一体となって、不可欠なサービスを維持するための選択肢を積極的に模索しています。
ヘラートにある国内避難民キャンプに滞在する子どもたち。(2021年8月30日撮影) © UNICEF_UN0509161_Bidel
こうした活動は、現場の最前線で働く人々、特にアフガニスタン人スタッフの献身的な努力なしには実現できませんでした。しばしば自らの命さえ危険に晒しながら、子どもたちのために尽力する彼らに深く感謝しています。私たちは、彼らの安全と保護を保証するために全力を尽くします。
どうか、私たちに力を貸してください。アフガニスタンの子どもたちと、彼らを支える人々を支援することが、これほど緊急に求められている時はありません。国際社会の支援がなければ、不可欠なサービスが停止し、国はさらに混乱に陥ってしまいます。世界はこのようなことを二度と起こしてはならないのです。
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ユニセフ「人道危機緊急募金」ご協力のお願い
世界中で起きている紛争や武力衝突、感染症の流行など人道危機に苦しむ子どもたちのために、ユニセフは緊急支援を行っています。その活動を支えるため、(公財)日本ユニセフ協会は、ユニセフ「人道危機緊急募金」を受け付けております。アフガニスタンの子どもたちを含む、最も支援を必要としている子どもたちとその家族に支援を届けるために、ご協力をお願い申し上げます。
1. クレジットカード/コンビニ/ネットバンクから
https://www.unicef.or.jp/kinkyu/humanity/2008.htm
2. 郵便局(ゆうちょ銀行)から
振替口座:00190-5-31000/口座名義:公益財団法人 日本ユニセフ協会
*通信欄に「人道危機」と明記願います。
*窓口での振り込みの場合は、送金手数料が免除されます。
※ 公益財団法人 日本ユニセフ協会への寄付金には、特定公益増進法人への寄付として、所得税、相続税、法人税の税制上の優遇措置があります。また一部の自治体では、個人住民税の寄付金控除の対象となります。
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■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。 https://www.unicef.or.jp/
※ ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/
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