資生堂の日焼け止め技術がさらに進化 ~世界初※ ”スムースプロテクトテクノロジー”が高い紫外線防御効果と優れた使用感を高次元で両立~
資生堂は、紫外線防御粉末を微細化する技術 ”スムースプロテクトテクノロジー”を新たに開発し、日焼け止めの製造プロセスに活用することにより、自社の従来製法よりも少ない紫外線防御粉末で効果的に日焼け止め効果を引き出すことに成功しました。日焼け止めには、高い紫外線防御力や耐水性などの観点から酸化チタンや酸化亜鉛などに代表される粉末が一般的に用いられていますが、高い機能性を持つ一方で、肌への負担感や塗布後の被膜感、白さなど使用感触の面では課題もありました。
今回の技術確立によって、肌への負担感や塗布後の被膜感や白さをより気にせずにお使いいただけるようになります。今後、この技術を活用することにより、当社の日焼け止め製品はさらに進化していきます。
※ オリジナル分散成分×特殊な製法を用いて、UV防御粉末の凝集体を細かく分散・維持する技術(資生堂調べ:技術俯瞰解析ソフトウエアDocRadar(VALUENEX株式会社)による先行市場調査(2000年1月-2020年9月対象) )
《開発の背景》
当社は、紫外線の肌に対する影響についてまだ広く知られていなかった頃からいち早く紫外線防御研究に着手し、日常生活から過酷な紫外線条件下までのあらゆる環境下で、紫外線の悪影響から肌をしっかり守りたいというお客さまのニーズに応えるべく、常に革新的な技術開発を行ってきました。
2014年には、水や汗に触れることで紫外線防御効果が強くなる技術を開発し、さらに2019年には太陽などの熱によっても紫外線防御膜が強化される技術を開発しました。
今回、我々は主に紫外線防御粉末を使用して高い紫外線防御効果を得る際に、両立が困難であった”優れた使用感触の実現”という自社技術の課題に対し、紫外線防御粉末の新たな分散技術に着目することにより、その課題の解決に挑戦しました(図1)。
《紫外線防御粉末の高い分散性を実現するスムースプロテクトテクノロジーの開発》
1. 粉末の凝集と分散について
紫外線防御粉末は、油分になじみやすいように表面を疎水化処理していますが、表面処理は完全ではないため、露出した未処理面同士が凝集し、製品中では分散しにくい状態となってしまいます。そのため、強い凝集力を持つ粉末を日焼け止めに安定に配合する技術が求められていました(図2)。
2. スムースプロテクトテクノロジーによる安定な分散状態の実現
紫外線防御粉末に自社で開発した分散成分を効果的に配合し、高圧での特殊な処理を行うことで安定な分散状態を実現することができました。全く同じ組成の紫外線防御粉末を含む分散物について、自社の従来技術で分散したもの(以下、自社従来技術品)と、新たな分散技術(スムースプロテクトテクノロジー)で得られたもの(以下、新技術品)の紫外線防御効果の比較を行いました(図3)。その結果、スムースプロテクトテクノロジーによる分散によって、従来技術の約2.9倍の紫外線防御効果を引き出すことが確認できました。この結果から、高い紫外線防御効果を維持したまま日焼け止めに配合する紫外線防御粉末を減らすことが可能になりました。
3. スムースプロテクトテクノロジー活用製品の塗布後の白さ低減効果
次に、スムースプロテクトテクノロジーを活用した製品における、塗布時の白さ低減効果の評価を行いました。アクリル製の黒板に同じ紫外線防御粉末を同じ組成で配合した従来技術品とスムースプロテクトテクノロジー活用品を分散後、それぞれ一定量塗布し、塗布後の白さ、塗布時の粉末の伸びなどを比較しました(図4)。その結果、自社従来技術に比べスムースプロテクトテクノロジーでの分散により、同じ塗布量では明らかに白さが軽減されることがわかりました。
《スムースプロテクトテクノロジーを活用した日焼け止めの特性》
1. 電子顕微鏡観察による比較と分散状態の模式図
紫外線防御粉末の分散工程にスムースプロテクトテクノロジーを導入して分散した疎水化処理粉末を用いた日焼け止めの電子顕微鏡写真を比較しました(図5)。自社従来技術に比べスムースプロテクトテクノロジーによる分散の方が紫外線防御粉末が細かく、より微細に分散できていることがわかります。
2. 使用感触の比較
次に、スムースプロテクトテクノロジーの活用による、自社従来技術活用品との使用感触の違いについて検証しました。紫外線防御剤をスムースプロテクトテクノロジーで分散し、従来品と同じ紫外線防御効果を持つように試作し、自社従来品の使用感触と比較しました。使用感触の測定は、当社が独自に開発した触感センサを使用し、肌上を滑らせた時の振動と摩擦の計測値を元に比較を行いました(図6)。
その結果、スムースプロテクトテクノロジーを用いた場合には、日焼け止めを塗った際の肌への負担感や被膜感は減少し、より素肌に近い使用感触が得られることが分かりました。
《まとめ》
今回開発した技術により、紫外線防御粉末の配合量を減量しても既存の日焼け止めと同等の紫外線防御効果を得ることが可能となります。この紫外線防御粉末は高い紫外線防御効果や耐水性がある一方、肌への負担感や被膜感、白さの原因となってしまうため、使用感触の面では配合量が少ない方が望まれます。スムースプロテクトテクノロジーにより、高い紫外線防御力を求めるお客さまにとっては、心地良い使用感や白くならない塗布後の見た目など、新たな価値を提供することができます。
当社は引き続き、お客さまに満足いただける日焼け止めの開発を、幅広い視野から行っていきます。
《参考情報(関連する主なニュースリリース)》
・資生堂、世界初”熱で紫外線防御効果が高まる技術”を開発(2019年)
https://corp.shiseido.com/jp/news/detail.html?n=00000000002772&rt_pr=trh73
・資生堂、革新の日やけ止めの新技術 「WetForce(ウェットフォース)」の開発に成功(2014年)
https://corp.shiseido.com/jp/newsimg/archive/00000000001735/1735_b5z78_jp.pdf?rt_pr=trh73
・資生堂、新サンケア指数「PA++++」の紫外線防御効果を持つ日やけ止めを発売(2012年)
https://corp.shiseido.com/jp/newsimg/archive/00000000001469/1469_r9y47_jp.pdf?rt_pr=trh73
▼ ニュースリリース
https://corp.shiseido.com/jp/news/detail.html?n=00000000003054&rt_pr=trh73
▼ 資生堂 企業情報
https://corp.shiseido.com/?rt_pr=trh73
今回の技術確立によって、肌への負担感や塗布後の被膜感や白さをより気にせずにお使いいただけるようになります。今後、この技術を活用することにより、当社の日焼け止め製品はさらに進化していきます。
※ オリジナル分散成分×特殊な製法を用いて、UV防御粉末の凝集体を細かく分散・維持する技術(資生堂調べ:技術俯瞰解析ソフトウエアDocRadar(VALUENEX株式会社)による先行市場調査(2000年1月-2020年9月対象) )
《開発の背景》
当社は、紫外線の肌に対する影響についてまだ広く知られていなかった頃からいち早く紫外線防御研究に着手し、日常生活から過酷な紫外線条件下までのあらゆる環境下で、紫外線の悪影響から肌をしっかり守りたいというお客さまのニーズに応えるべく、常に革新的な技術開発を行ってきました。
2014年には、水や汗に触れることで紫外線防御効果が強くなる技術を開発し、さらに2019年には太陽などの熱によっても紫外線防御膜が強化される技術を開発しました。
今回、我々は主に紫外線防御粉末を使用して高い紫外線防御効果を得る際に、両立が困難であった”優れた使用感触の実現”という自社技術の課題に対し、紫外線防御粉末の新たな分散技術に着目することにより、その課題の解決に挑戦しました(図1)。
《紫外線防御粉末の高い分散性を実現するスムースプロテクトテクノロジーの開発》
1. 粉末の凝集と分散について
紫外線防御粉末は、油分になじみやすいように表面を疎水化処理していますが、表面処理は完全ではないため、露出した未処理面同士が凝集し、製品中では分散しにくい状態となってしまいます。そのため、強い凝集力を持つ粉末を日焼け止めに安定に配合する技術が求められていました(図2)。
2. スムースプロテクトテクノロジーによる安定な分散状態の実現
紫外線防御粉末に自社で開発した分散成分を効果的に配合し、高圧での特殊な処理を行うことで安定な分散状態を実現することができました。全く同じ組成の紫外線防御粉末を含む分散物について、自社の従来技術で分散したもの(以下、自社従来技術品)と、新たな分散技術(スムースプロテクトテクノロジー)で得られたもの(以下、新技術品)の紫外線防御効果の比較を行いました(図3)。その結果、スムースプロテクトテクノロジーによる分散によって、従来技術の約2.9倍の紫外線防御効果を引き出すことが確認できました。この結果から、高い紫外線防御効果を維持したまま日焼け止めに配合する紫外線防御粉末を減らすことが可能になりました。
3. スムースプロテクトテクノロジー活用製品の塗布後の白さ低減効果
次に、スムースプロテクトテクノロジーを活用した製品における、塗布時の白さ低減効果の評価を行いました。アクリル製の黒板に同じ紫外線防御粉末を同じ組成で配合した従来技術品とスムースプロテクトテクノロジー活用品を分散後、それぞれ一定量塗布し、塗布後の白さ、塗布時の粉末の伸びなどを比較しました(図4)。その結果、自社従来技術に比べスムースプロテクトテクノロジーでの分散により、同じ塗布量では明らかに白さが軽減されることがわかりました。
《スムースプロテクトテクノロジーを活用した日焼け止めの特性》
1. 電子顕微鏡観察による比較と分散状態の模式図
紫外線防御粉末の分散工程にスムースプロテクトテクノロジーを導入して分散した疎水化処理粉末を用いた日焼け止めの電子顕微鏡写真を比較しました(図5)。自社従来技術に比べスムースプロテクトテクノロジーによる分散の方が紫外線防御粉末が細かく、より微細に分散できていることがわかります。
2. 使用感触の比較
次に、スムースプロテクトテクノロジーの活用による、自社従来技術活用品との使用感触の違いについて検証しました。紫外線防御剤をスムースプロテクトテクノロジーで分散し、従来品と同じ紫外線防御効果を持つように試作し、自社従来品の使用感触と比較しました。使用感触の測定は、当社が独自に開発した触感センサを使用し、肌上を滑らせた時の振動と摩擦の計測値を元に比較を行いました(図6)。
その結果、スムースプロテクトテクノロジーを用いた場合には、日焼け止めを塗った際の肌への負担感や被膜感は減少し、より素肌に近い使用感触が得られることが分かりました。
《まとめ》
今回開発した技術により、紫外線防御粉末の配合量を減量しても既存の日焼け止めと同等の紫外線防御効果を得ることが可能となります。この紫外線防御粉末は高い紫外線防御効果や耐水性がある一方、肌への負担感や被膜感、白さの原因となってしまうため、使用感触の面では配合量が少ない方が望まれます。スムースプロテクトテクノロジーにより、高い紫外線防御力を求めるお客さまにとっては、心地良い使用感や白くならない塗布後の見た目など、新たな価値を提供することができます。
当社は引き続き、お客さまに満足いただける日焼け止めの開発を、幅広い視野から行っていきます。
《参考情報(関連する主なニュースリリース)》
・資生堂、世界初”熱で紫外線防御効果が高まる技術”を開発(2019年)
https://corp.shiseido.com/jp/news/detail.html?n=00000000002772&rt_pr=trh73
・資生堂、革新の日やけ止めの新技術 「WetForce(ウェットフォース)」の開発に成功(2014年)
https://corp.shiseido.com/jp/newsimg/archive/00000000001735/1735_b5z78_jp.pdf?rt_pr=trh73
・資生堂、新サンケア指数「PA++++」の紫外線防御効果を持つ日やけ止めを発売(2012年)
https://corp.shiseido.com/jp/newsimg/archive/00000000001469/1469_r9y47_jp.pdf?rt_pr=trh73
▼ ニュースリリース
https://corp.shiseido.com/jp/news/detail.html?n=00000000003054&rt_pr=trh73
▼ 資生堂 企業情報
https://corp.shiseido.com/?rt_pr=trh73
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