シリア:混乱する北東部、物資輸送に支障も~避難する子どもたちの保護が急務【プレスリリース】
【2022年1月27日 ダマスクス(シリア) 発】
シリア北東部のグワラン(Ghwayran)収容所内とその周辺で暴力が続く中、子どもたちは極めて厳しい状況に置かれ、緊急の保護が必要な状態が続いています。
暴力行為により4万5,000人近くの地域住民が避難を余儀なくされ、そのほとんどが女性と子どもです。中には、シリアの他地域での暴力から逃れるため、長年にわたり何度も避難を続けている人もいます。
ユニセフ(国連児童基金)・シリア地域事務所代表のボー・ビクトル・ニルンドは「収容所やその周辺地域の子どもたちのために、戦闘を止めなければなりません」と述べました。
暴力行為が始まってから1週間が経ちましたが、複数の幹線道路は依然として閉鎖されており、交通や必需品の輸送に支障をきたしています。
ユニセフは現地で、パートナーと協力し、避難している子どもたちとその家族に、清潔な水や必要不可欠な衛生用品などの、命を守るための支援を行っています。
ユニセフのボランティアは、人々を避難所や診療所へ誘導し、食料、毛布、マットレス、衣服、医薬品を配布しています。また、爆発物の危険性に関する資料を配布し、避難所の子どもたちの意識を喚起し、安全を確保するための活動も行っています。
ユニセフが支援する移動式保健・栄養チームは、厳しい状況にある子どもとその母親に、保健サービスや医薬品を提供しています。これまでに、健康相談、無料の医薬品の提供、子ども、妊婦、授乳中の女性の検査、栄養不良の子どもたちへのすぐに食べられる栄養補助食品の支援などを行いました。
また、ユニセフは、子どもと保護者に向けて、家族が離ればなれになることを防ぐ方法や、心理社会的支援を受ける方法についての情報を提供しています。これまでに、おとなの同伴者のいない子どもたちが9人確認されました。彼らは逃げる途中で家族と離ればなれになってしまい、親がどこにいるのか分からないのです。
「避難所にいる子どもたちは、恐ろしい光景を目の当たりにして怯えていました。子どもたちは悪夢を見たり、おねしょをしたりしてしまうと、ご家族からは聞いています。悲惨な経験をしている彼らが、保護と支援を緊急に必要としていることは明らかです」(ニルンド)
シリア北東部のすべての紛争当事者に対し、すべての子どもたちをいかなる時も保護するよう求めています。そして、各国に対し、子どもたちの最善の利益のために緊急の行動をとり、責任を果たし、子どもたちとその母親を母国へ安全に送還することを強く要求しています。
また、拘留施設にいる子どもたちを直ちに解放し、子どもたちへの緊急のケアと支援を妨害されることなく提供できるようにすることを、改めて呼びかけます。
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■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。 https://www.unicef.or.jp/
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/
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