【ルイ·ヴィトン】「トラベルブック」シリーズに「ミラノ」が仲間入り
2025年春、ルイ·ヴィトンは、世界各国のアーティストが描く旅心溢れるイラストを収録した「トラベルブック」シリーズより、新たなタイトルを発売。
ジャンヌ·デタランテ(JEANNE DETALLANTE)は、メディア、出版、ファッションの世界でそれぞれに創造的エネルギーを発揮し、足跡を残してきました。プラダのランウェイからジョーン·バエズの半生を描いたグラフィック·ノベルのイラストまで、幅広く才能を発揮する多才なアーティストです。このフランス人アーティストが、ミラノのユニークかつ繊細なポートレートを通じて、自身のビジョンを再び表現します。
2025年4月12日から5月11日までフランス·アルルで開催された第3回「フェスティバルデュデッサン」で、ルイ·ヴィトンは、ジャンヌ·デタランテが「トラベルブックミラノ」のために描いた原画の一部と、エヴァー·メーレンが「トラベルブックブリュッセル」(2021年)、マルセル·ザマが「トラベルブックモロッコ」(2020年)のために描いた原画の一部を展示。
ルイ·ヴィトンは旅をアートに、そして、アートを旅の重要な一部として捉えてきました。「トラベルブック」シリーズは、このかけがえのない対話を育むことを目指しています。
2010年の発刊以来、「トラベルブック」シリーズでは世界各国のアーティストたちを招き、世界の中心地だけでなく田舎や原野まで、彼らがまだ訪れたことのない場所を取上げてきました。未知の領域へ足を踏み入れることで彼らが発見するのは、新たな文化や異なる建築、多彩な生活様式。「トラベルブック」は、アーティストたちがこうした異質性に触れた時の、「ファーストインプレッション」がもたらすまぶしさや感動、驚き、喜び、そして不安をアートで捉えたシリーズです。
「トラベルブック」の各タイトルが綴るのは、2つの旅の物語。1つは地理的な紀行、そしてもう1つはアートを巡る旅であり、鉛筆や絵の具、ハッチングで描かれた各ページは、ドローイングそのものを通じて自らの本能に従うアーティストたちの心象を辿ります。
「トラベルブック」シリーズは、現代のクリエーションを映し出す鏡であり、地球上における多くの美的·芸術的世界の奥行きや幅広さ、多様性を反映します。各アーティストは、ドローイングやペインティング、コラージュ、イラスト、漫画、そしてスクラッチカードといった表現技法を自由に選択。好みの画材もパステルや油彩、水彩、インク、鉛筆、ピクセルなど、千差万別です。
記憶や現地で撮った写真に基づき、その場でコンピューターやフリーハンドで描くというのがアーティストたちの手法。ページをめくるたびに、これらの作品はアーティストが初めて触れる世界を客観的に描いたものではなく、その時に覚えた感情を表現したものだということを感じるでしょう。「トラベルブック」はどれもが、それぞれのアーティストによって導かれる、いつもとは異なる視点で世界を見つめながら、未知の体験へと足を踏み入れる旅なのです。
2025年5月より、本シリーズ最新タイトルのアーティストのインタビューが、ルイ·ヴィトン公式サイトLouisvuitton.comにて公開中です。
ジャンヌ·デタランテ「ミラノ」



1978年パリ生まれのこのフランス人アーティストは、常にユニークかつ寛大な眼差しで世界を眺めてきました。アーティスト一家(母は教師兼画家、父はデザイナー兼彫刻家)で育った彼女は、パリのデュペレ応用美術学校でビジュアルコミュニケーションを学んだ後、将来夫となるジェイミー·ロックレイジ(Jamie Rocklage)と共に2003年にニューヨークへ移住しました。そこで「ファッション·フォトグラフィーの教祖的存在」であるスティーヴン·マイゼルとの人生を変える出逢いを経験。雑誌『Vogue』での2人の初となるコラボレーションはこの若い女性のキャリアにとって跳躍台の役目を果たし、主要な国際的出版物(『Vogue』、『The New Yorker』、『Vanity Fair』)で多数の特集が組まれました。2014年にフランスに戻った後、夫妻と娘(ほどなく息子も家族に加わる)はブリュッセルへ移り、2018年以来、アトミウム·エリアで暮らしています。メディア、出版、ファッションの世界でそれぞれに創造的エネルギーを発揮して足跡を残し、プラダのランウェイ(2014年春夏コレクション)でも、ジョーン·バエズの半生を描いた政治的なグラフィック·ノベル(Actes Sud Juenesse刊、2024年9月)のイラストでも同じように才能を発揮しています。「トラベルブック」の目的地を決める段になり、彼女にとってイタリアは自然な選択に思えました。それは、自分のルーツへの回帰(彼女の曽祖父母はトリノの北にあるフィオラーノ·カナヴェーゼの出身)であり、新しい風であり、「日常からの解放」、そして自らを刷新しうる、自分だけの時間と空間をなすものでした。彼女はミラノに魅了されました。それまではただ通り過ぎるだけだった都市が、今や、ファッションやデザイン、金融、アートの活気溢れる中心地であることが彼女にとって明らかになりました。彼女は単身あるいは姉妹や友人と連れ立って、合計5回、ミラノを訪れました。ミラノの雰囲気やパラッツォのコンクリートに当たる光に魅せられて以来、彼女はミラノの輝きを存分に浴び、隠れた奥深さを明らかにすると共に、絵葉書的なイメージよりも、街を活気付けているあらゆるディテールに意識を集中させました。彼女のスケッチブックは、解読の手掛かりとなるような無数のディテールを明らかにします。タペストリーのモチーフや看板のタイポグラフィー、そして、ドゥオーモ広場までずっと感じられる、ノヴェンチェント美術館(近代美術館)にあるマリノ·マリーニが彫刻した胸像群の消え去りがたい存在感を認識するのは読者にとっての喜びです。このアーティストは、ミラノでの体験を触れることのできるものにすべく努めました。彼女は、「自分の直感を貫く」ために、新しい技法を探り、雑然としていながらも楽しげに並び合うフォルムとスタイルで遊ぶことを自分に許しました。「ミラノは、中庭に面した格子や扉を、幾重にも重ね合わせたように感じられます」とデタランテは言います。「絶えずフレームが切り替わり、そのたびに謎が深まります。何が隠されているかをいつも知りたくなる」。それゆえ彼女は、作品に切り絵を含めて、それぞれのドローイングを別の現実で「補強」することにしました。彼女は、ジョルジョ·デ・キリコの形而上学の教えも、空間を照らすジョルジョ·モランディの光も、さらにはジオ·ポンティやエットレ·ソットサスといったデザインの巨匠たちの大胆さも決して忘れていません。同じ目的で、彼女は、フェルトペンや木炭、鉛筆などの繊細なテクニックを用いて、1980年代のフメット(イタリア漫画)にインスパイアされたコミックストリップのコマをグラフィックテーブルで描く時と同様の器用さで、素材やテクスチャーに命を吹き込みます。彼女の直感的な選択はすべて、単なる理解を超えたイタリアに対する造詣の深さや、予想外でありながら常に洗練されたグラフィックな偶然への情熱、さらには、大衆的なものとラグジュアリーなもの、よい趣味とそうでないものを分かつ境界の空間への情熱が滲み出ており、最終的には、いきいきとした美の形が浮かび上がります。








スタンダート·エディションとラージ·フォーマットのコレクターズ·エディション
「トラベルブックミラノ」は、スタンダード·エディションとラージ·フォーマットのコレクターズ·エディションの2種で発売。仏語·英語·イタリア語の3ヶ国語版で展開します。83点のドローイングの他、アーティストの経歴と旅行記を収録。6色刷りで印刷されたハードカバーで、シルクスクリーンプリントのクロス装。伸縮性のある留め具、カラーの縁取り付き。

スタンダード·エディション
横長フォーマット:28 × 19 cm
全144ページ。オフセット用紙(Arena Natural Rough 120g)に印刷
染色紙(Materica 180 g)含む
ISBN:978-2-36983-466-3
価格:6,820円(税込み)

ラージ·フォーマット·エディション
横長フォーマット:38.4 × 26.3 cm
限定1,000部
全144ページ。オフセット用紙(Freelife Velum 170g)に印刷
染色紙(Materica 180 g)含む
ISBN:978-2-36983-467‐0
価格:25,300円(税込み)
リミテッド·エディション30部、サインとシリアルナンバー入り
リミテッド·エディションは、一部のルイ·ヴィトンストアでのみ発売。各30部限定で1から30までのシリアルナンバー付き。サイズは縦26.3 cm、横38.4 cmの横長フォーマット。レザーで装丁され、ブックケースに収められています。
「トラベルブックミラノ」リミテッド·エディションは、ジャンヌ·デタランテによるリトグラフ各1点(2025年1月、ベルギーの都市、フラムリーのBruno Robbe atelierで印刷)を収録。アーティストによるサインとシリアルナンバーが付されています。
ブックケースと装丁は昔からの伝統術により、イタリア·パドヴァにあるオープン·マヌ·ファクトゥム工房で手作りされています。
価格:304,700円(税込み)


PHOTO CREDIT:LOUIS VUITTON
ルイ·ヴィトンパブリッシングについて
ルイ·ヴィトンは、20年以上にわたり、自社制作の作品を出版しています。「旅」を揺るぎないテーマにした3 つのシリーズ──「シティ·ガイド」(旅行ガイド)、「トラベルブック」(アーティスティックな旅のスクラップブック)、「ファッション·アイ」(フォトブック)──を含め、現在の書籍タイトル数は100を超えます。
毎年、メゾンのクリエーションやアクティビティに関連したテーマを軸に、コーヒーテーブルブックの出版も手掛け、それらの書籍は世界的なパートナーとも協力しています。こうした作品には、ルイ·ヴィトンストアでのみ販売される、アーティストのサインとシリアルナンバーの入ったリミテッド·エディションのシリーズも用意されています。ルイ·ヴィトンの歴史の中で、書籍は常に特別な存在でした。創業者ルイ·ヴィトンの孫ガストン-ルイ·ヴィトン(1883年-1970年)は、文学からアートまで幅広い分野に深い興味を示した愛書家であり、熱心な蒐集家でもありました。また、3つのビブリオフィル(愛書家)協会を設立し、当時の出版人やイラストレーター、作家とは頻繁に書簡を交わす間柄でした。
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