曖昧で苦しくて説明のつかない大人の恋。松家仁之が描く恋愛小説『沈むフランシス』が2月28日(金)新潮文庫より発売!
12年の時を経て待望の文庫化、松家仁之著『沈むフランシス』が本日発売!
先月刊行され、発売即重版となり話題を呼んでいる松家仁之著『火山のふもとで』(新潮文庫)に続き、第二作『沈むフランシス』を2月28日に新潮文庫より刊行いたします。3月28日には『光の犬』の文庫も連続刊行。また、3月26日には単行本『天使も踏むを畏れるところ』の刊行も決定しています。
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本作の舞台は北海道にある小さな村。東京での仕事を三十五歳で辞め、北海道の小さな村で郵便配達をする女性・桂子と、川のほとりの木造家屋で世界中の「音」を集めながら暮らす男性・和彦の移りゆく恋愛が描かれています。
今回、文庫版特典として、テレビドラマ『ブラッシュアップライフ』(23/NTV)、NHK大河ドラマ『どうする家康』(23)など映画・ドラマ・舞台を中心に活躍をされている役者の山田真歩さんに「解説にかえて」をご執筆いただきました。
主人公の一人である桂子は、学生時代にフィールドワークで北海道を訪れ、その土地の空気を吸いながら聞き取り調査を行います。彼女の姿は、役柄を深く理解するために研究を重ね、撮影が終わるとその場から去る役者という職業に似ていると山田さんは綴ります。登場人物の気持ちが揺れ動く本作の魅力を、これまでの自身の役者として移りゆく人生を重ね合わせながら鮮やかに語ってくださいました。
そしてWEB雑誌「yomyom」ではそんな山田さんの「解説にかえて」前半部分の試し読みに加え、山田さんご自身で「解説にかえて」全文を朗読なさった音声も特別公開いたします。
他にも『沈むフランシス』に合わせ冒頭部分の試し読み、松家さんによる本作に寄せた特別エッセイも公開予定。来月の『光の犬』刊行に合わせても新たにエッセイを公開する予定ですので、是非ご覧ください。
■3か月連続文庫刊行!3月は『光の犬』
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先月刊行された『火山のふもとで』と今月刊行の本作、そして3月28日(金)には『光の犬』を刊行し、3ヶ月連続の文庫新刊の刊行となります。
『光の犬』は北の町に根づいた一族三代と北海道犬を描きつつ、人生の意味を問う、百年にわたる家族の物語です。解説は江國香織さん。個人、家族、家という枠組み、自然との共生にそれぞれ焦点を当て、ポイントとなる箇所を引用しながら本作の魅力を丁寧に解説してくださいました。
■待望の最新長篇『天使も踏むを畏れるところ』、3月刊行!
さらに、新作長篇小説『天使も踏むを畏れるところ』(上・下)が、3月26日(水)、満を持して刊行になります。主人公は『火山のふもとで』の「先生」こと、建築家の村井俊輔。敗戦から15年後、空襲で焼失した明治宮殿に代わる「新宮殿」の建設をめぐる、かつてない密度とスケールの大長篇です。建築家・村井俊輔は、どのような理想のもとに「新宮殿」を設計し、なぜ、精魂傾けた大プロジェクトを道半ばで辞任したのか――。関東大震災から、戦中、戦後、高度成長期まで、半世紀以上にわたる激動の日本社会を背景に、「新宮殿」造営に関わる人びとの息づまるドラマを描きだします。
■著者コメント
『天使も踏むを畏れるところ』と『火山のふもとで』は、もともとはひとつの長篇小説として構想されていました。ふりかえって考えれば、ひとつの小説としてはとても書けないものでした。生き別れ、すっかり他人の顔になった「秘密のきょうだい」が、読者のみなさんのもとで再会することを願っています。『沈むフランシス』や『光の犬』に描かれている光景やことばも、今の私からは出てこないもの。文庫化されてよみがえるのは、ありがたいです。
■内容紹介
東京での仕事を三十五歳で辞め、北海道の小さな村で郵便配達をする女。川のほとりの木造家屋で世界中の「音」を集めながら暮らす男。偶然出会った彼らは、急速に惹かれあっていく。からだでふれあうことでしか感じない安息と畏れ、不意に湧きあがる不穏な気配。その関係が危機を迎えた嵐の夜、もう若くはないふたりが選択した未来とは。深まりゆく愛とひと筋の希望の光を描く傑作。
■著者紹介
松家仁之(まついえ・まさし)
1958(昭和33)年、東京生れ。編集者を経て、2012(平成24)年、長篇小説『火山のふもとで』を発表。同作で読売文学賞小説賞受賞。’13年『沈むフランシス』、‘14年『優雅なのかどうか、わからない』、‘17年『光の犬』(河合隼雄物語賞、芸術選奨文部科学大臣賞受賞)、’21(令和3)年『泡』を刊行。編著・共著に『新しい須賀敦子』『須賀敦子の手紙』、新潮クレスト・ブックス・アンソロジー『美しい子ども』ほか。
■書籍データ
【タイトル】沈むフランシス
【著者名】松家仁之
【発売日】2月28日
【造本】文庫
【定価】605円(税込)
【ISBN】9784101055725
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