開催レポート|デジタルハリウッド 2021年度合同入学式 / 2020年度優秀作品発表会[DF2021]|日本語・英語の2か国語でオンライン・オフライン同時開催
[第26回 DIGITAL FRONTIER GRAND PRIX 2021]〜 入学式と卒業制作アワードのニューノーマルを提唱 〜
『DIGITAL FRONTIER GRAND PRIX』通称「DF(ディーエフ)」(以下、DF2021)とは、国内外のコンテンツ業界に多数のクリエイターを輩出するデジタルハリウッドが、設立当初より主催する伝統的なクリエイティブアワードです。
また、「入学式」と「優秀作品発表会」を融合し、一つのイベントとして開催することで、入学初日に卒業後における到達目標のレベルを認識し、「いずれ自分もあの舞台に立ちたい!」といった、学業へのさらなるモチベーション向上にもつながるという好循環を生みだすことを狙いとしています。
26回目となる今回のコンセプトは、「空間を超えて届けるコンテンツの未来」。今年はそのコンセプト通り、空間と言語の壁を越えて、東京・有楽町朝日ホールに一部の新入生と関係者が集まり、会場の様子はYouTubeを通じて日本語・英語の2か国語で全世界へ配信をおこないました。
- 報告サイト:https://www.dhw.co.jp/df/
- ダイジェスト動画:https://youtu.be/PhcaND3tLYQ
- ライブ配信アーカイブ:https://youtu.be/KRQOmojbduk
■新入生も新2年生も、ようこそ、デジタルハリウッドへ
昨年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から会場での開催はやむなく中止をし、オンライン上で新入生に向けてのメッセージと受賞者の発表のみとなりました。
今年の「DF2021」では、来場人数の制限、参加者のマスク着用、消毒液や除菌液の設置と配布などの感染予防対策を徹底し、オフライン・オンライン併用で開催することができました。
DF2021は、4月にデジタルハリウッドの門を叩いた新入生だけでなく、昨年入学式に参加ができなかった新2年生を歓迎する場となりました。
第1部の入学式では「デジタルハリウッドでは皆が新入生代表」ということで、彼らが語る夢や目標、覚悟などが集められた特別なムービーを上映しました。
▪新入生夢ムービー:https://youtu.be/LhQ9Uoy9Lek
「人の人生を揺るがすゲームを作りたい」
「自分で制作した映像や考えた企画で、地元をもっと盛り上げられるように、DHUでたくさん勉強していきたい」
「卒業後は自分の作品がワールドワイドに評価されるようなアーティストになりたい」
「夢は映画やゲームのCG制作に携わって、エンドロールに自分の名前を載せること」
「家族や友達、身近な人とのつながりを大切にするためのツールを作りたい」
「日本と中国の架け橋として活躍できるアーティスティックパフォーマーになる」
「デジハリでしか経験できない今を全力で」
夢を単なる夢のままで終わらせたくない、そんな一人ひとりの想いが込められたムービーが会場に流れ、司会を務めた新4年生のジェイド・フィアーズさん、大元かれんさんは「私たちと一緒にデジタルハリウッドで学んでいきましょう」と新入生を温かく歓迎しました。
次に、デジタルハリウッド株式会社の代表取締役兼CEOである吉村毅からは、毎年恒例の祝辞をおこないました。
使用された言語は日本語だけでなく、英語や韓国語など全部で15種類。すべての学生の出身地域の言葉が用いられ、世界各地から集う新1~2年生へお祝いのメッセージが贈られました。
2人目の祝辞は、米国アカデミー賞公認、日本発・アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」の代表を務めており、俳優でもある別所哲也さんがスクリーンに登場。
「デジタルハリウッドにご入学の皆さん、そして保護者の皆さん、この度はおめでとうございます。別所哲也です。毎年入学式には足を運んでいるのですが、今回は新たにオンラインで皆さんとつながる入学式となり、僕自身も初めての体験です。
大変な世の中ではありますが、皆さんのそばには同じ悩みを抱えている、あるいは同じ夢や希望を持った仲間がいらっしゃるはずです。ぜひこのデジタルハリウッドという新しい学舎で、多くの友達を作り、先生方と意見を交換し、新しいクリエイティブな自分を発見してください。そこには限界はないはずです。」
と激励の言葉が贈られました。
デジタルハリウッドは「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」と提携し、2012年度の開催より「CGアニメーション部門」を設立し、世界規模でCGクリエイターの育成・発掘・輩出を行っております。
■空間を超えてコンテンツの未来を見つめるクリエイティブアワード
第2部は、2020年度の優秀作品発表会をおこないました。
4年制大学、大学院、専門スクール、オンラインスクール、STUDIO、ジーズアカデミーなど、デジタルハリウッドが運営をする教育機関に加え、国内外のデジタルハリウッドアカデミー導入校で制作されたCGアニメーション、映像、グラフィックアート、インタラクティブコンテンツ、サービスプラン、研究論文など、1,000点を超える作品の中から当日のノミネート者を決定し、アーティストやクリエイター、起業家、研究者として各分野の最前線で活躍する卒業生審査員による厳正な審査を経て、2020年度の各部門賞とグランプリを発表しました。
①インタラクティブ部門:アプリやメディアアートなど双方向性のある作品が対象
●ベストアート賞:川口萌花さん『Obsession』
▪作品紹介&受賞者インタビュー:https://youtu.be/dggoSSzCgwo
「強迫観念に取り憑かれる」を意味する『Obsession』。作者の川口さんは、人が大勢いる環境から自分ひとりになった瞬間に不安を感じるそう。その不安を他の人にも体験してもらうために、本作品を制作したといいます。自分の作品を記憶してもらうだけでなく、その人の今後の感性に影響を及ぼしてしまうような体験を目指して設計したとのことでした。
●ベストコミック賞:髙橋未来さん『身内にアイドルがいます!!』
▪作品紹介&受賞者インタビュー:https://youtu.be/aAG-ozASBso
架空のアイドルとその家族を描いたコミックエッセイ本。ストーリーに選択肢が存在するマンガで、読み手の行動によって話の展開が変化する仕掛けが盛り込まれています。髙橋さんのご家族にも実際にアイドルがいらっしゃるということで、実体験をベースにした物語のリアリティ、そしてそれを作品に落とし込む創造力が評価されました。
②グラフィック部門:ビジュアル表現・デザイン面を重視した作品が対象
●ベストデザイン賞:湯璧兆さん『中国の少数民族のロゴタイプデザイン』
▪作品紹介&受賞者インタビュー:https://youtu.be/AmP4DpR_x1A
服飾のデザインや建物の特徴など、中国の55の民族を独自に研究。各民族が継承してきたさまざまな要素と漢字を融合させたロゴタイプがベストデザイン賞を受賞しました。一部の少数民族の言語は消滅の危機にあります。今回の作品は、少数民族に馴染みのない現代の若者に関心を持ってもらうために制作されたそうです。
●ベストアートディレクション賞:平松玲奈さん「無意識差別」
▪作品紹介&受賞者インタビュー:https://youtu.be/leO8tlMT3aM
坊主頭を見ると男性と判断する、ネイルや口紅が塗られた唇を見ると女性と判断する。人が無意識に行ってしまう差別を自覚してもらうために制作された、立体的なインスタレーション作品。企画、撮影、編集、演出、そして高いデザイン性が評価され、ベストアートディレクション賞が授与されました。
③サービス部門:デジタルコミュニケーションを活用し、課題解決を行うプランが対象
●ベストテクノロジー賞:加茂文吉さん『PaeTech〜Performance Art Education × Technology〜』
▪作品紹介&受賞者インタビュー:https://youtu.be/ConTQFsyr38
音楽業界に教育イノベーションを起こす3つのアプリケーション『PaeTech』。ユーザーそれぞれのグルーブ感を記憶し、それに合わせて楽器の練習が可能な『GrooveTracker』と、ほか2つのアプリが制作されました。プロのミュージシャンである加茂さんの専門性の高さ、そして時代に合ったサービスであることが受賞の決め手となりました。
●ベストサービス賞:園田正樹さん『あずかるこちゃん』
▪作品紹介&受賞者インタビュー:https://youtu.be/m2VilHpl-j4
病児保育施設を予約できるWebサービス。審査員である株式会社グッドパッチの土屋尚史さんは「自分がこれまでDFで審査をしてきた中で、過去最高のクオリティ」と絶賛。提供する価値が本質的である点、施設の予約完了までの使い心地の良さ、事業としてもうすぐ黒字化が見えているなど、あらゆる点が優れていることからベストサービス賞が授与されました。
④研究・論文部門
●ベスト研究・論文賞:林千秋さん『失声者も利用可能なオープンソースの無発声音声入力デバイスの開発』
▪作品紹介&受賞者インタビュー:https://youtu.be/ewkMoQcSCbc
本作品を制作したのは、デジタルハリウッド大学入学前に看護師の仕事をしていた林さんです。病気で声を出せない患者さんとのコミュニケーションがうまくいかなかった経験から研究をスタート。失声者と健常者の呼吸経路の違いに着目し、画像認識や筋電センサーを使用したデバイスを開発されました。
⑤映像部門
●ベストCGアニメーション賞:クレメン・エスコソーラさん『Adarnia:A Sci-fi Shortfilm』
▪作品紹介&受賞者インタビュー:https://youtu.be/rYduEnoGm-E
「Adarnia」という都市で警察に追われる、謎に包まれた主人公の物語。審査員の吉田健さん、原祐樹さんは「この作品を一人で制作されたのが驚きました。プロとして通用する高い技術力を持ってらっしゃるので、ぜひハリウッドを目指してほしいです。」と絶賛。本作品は、今年6月に開催される「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2021」CGアニメーション部門での上映も決定しています。
●ベストインパクト賞:東京本校・下郡恵理さん『魔法少女にへんしん!』
普通の女の子がどんどん可愛い魔法少女に変身していく、3DCGアニメーション作品。審査員の吉田健さん「変身シーンを深く研究されていることが伺えて、魔法少女ものに対する愛を感じました。技術力の高さも感じ、弊社に欲しい人材です。」と下郡さんを称えました。
●ベスト監督賞:安東虎太郎さん『いる』
▪作品紹介&受賞者インタビュー:https://youtu.be/in61FMyGvWo
いわくつきの物件に引っ越した、とある男の子の物語。視聴者の不安感をあおる演出がふんだんに盛り込まれており、物語が進んでいくにつれて恐怖感が増幅されていく実写映像作品です。審査員の原祐樹さんは「ホラーの定石をしっかり演出していて、いちコンテンツとして楽しめる作品でした」と演出を評価されました。
⑥プラチナスポンサーCCC賞:カルチュア・コンビニエンス・クラブのサービスにおける視点から企画を選出
●プラチナスポンサーCCC賞:田近実理さん『allertech』
▪作品紹介&受賞者インタビュー:https://youtu.be/4jijrny2yNE
飲食店のメニューの中で自分が何を食べられるのかがひと目でわかる消費者向けのアプリ『allernote』や、お店のメニューからアレルギー情報を記録するクラウドサービス『allercloud』などを企画。それら2つの事業を通じて、テクノロジーで食の壁をなくすサービス『allertech』がプラチナスポンサーCCC賞に選ばれました。食物アレルギーや宗教上の理由などで食べられないものがある人のために企画され、困っている人を助けたいという利他の心が審査員の目に止まりました。
⑦学長賞:2020年に活躍された卒業生を学長自ら選出
●株式会社グッドパッチ代表取締役 / CEO・土屋尚史さん
デジタルハリウッド大阪校卒業。デジタルハリウッドで出会ったメンバーと共に2011年にグッドパッチを創業し、2020年にはデザイン会社として初の東証マザーズに上場されました。
受賞者コメント:
僕はデジタルハリウッドに入学して、人生が大きく変わった学生の中のひとりです。今後もさらに挑戦を続けていき、後輩に良い背中を見せ続けられるよう邁進していこうと思います。
●3DCG / VRアーティスト・伊東ケイスケさん
デジタルハリウッド東京本校卒業。CG特有の冷たさを感じさせない、やさしくあたたかな表現を追及されており、制作したアニメーションが2019年・2020年のヴェネチア国際映画祭に2年連続ノミネートされました。
受賞者コメント:
デジタルハリウッドで先生や仲間たちと切磋琢磨しながら、ショートアニメーションを制作した経験があったからこそ、現在はフリーランスのVRアーティストとして活動できているのだと思います。今後もより高みを目指して、新たなアニメーション制作に挑んでいきたいです。
●キャンプ女子株式会社代表・橋本華恋さん
ジーズアカデミー福岡校卒業。橋本さんは国内最大級の女性向けキャンプコミュニティ「キャンジョ」の運営や、多くの地方自治体とのアウトドアを通した地域活性化などを展開。コロナ禍におけるアウトドアの楽しみ方を発信し、メディアから注目を集めています。
受賞者コメント:
私たちの取り組みがデジタルハリウッドの耳に入り、学長賞を受賞できたことを大変嬉しく思います。これからもアウトドアを通じて楽しく幸せに過ごせる人が増えるように、皆さんをサポートしていきたいと思います。
■1,000点を超える作品の中、栄えあるグランプリに選ばれたのは?
「今年も、この瞬間が来ました!」各賞の発表を終えて残すはグランプリのみとなり、司会の学長の声にも力が入っていました。インタラクティブ部門、グラフィック部門、サービス部門、研究・論文部門、映像部門など各部門で受賞された作品の中から、グランプリが選出されました。
栄えあるグランプリに輝いたのは、サービス部門ベストサービス賞を受賞した、園田正樹さんの『あずかるこちゃん』。
「デジタルハリウッドで一緒に研究をしてきた仲間たちや先生方、一緒に会社をやっているメンバーには本当に感謝しています。社会の真ん中に子ども、そしてその保護者がいる。そういった親子をみんなで支えていく社会にするために、邁進していこうと思います。」と今後の意気込みを語られました。
グランプリのトロフィーが授与された園田さんが晴れやかな表情を浮かべると、会場は盛大な拍手に包まれました。
■イベントの最後を飾るのは、杉山学長から新入生に向けた激励のメッセージ
「受賞されたすべての皆さん、本当におめでとうございます。この場には新入生の皆さんもいらっしゃいますが、本日はデジタルハリウッドの先輩が生み出した奇跡を見届けることができたのではないでしょうか。DIGITAL FRONTIER GRAND PRIXが始まって以来、26年間毎年こうした奇跡が起こります。今日ここから、ぜひあなたの夢を叶えてください。教授やスタッフ、ほかの学生たちは必ず力になってくれるはずです。ようこそ、デジタルハリウッドへ。」
■入学式と卒業制作アワードのニューノーマルを提唱
デジタルハリウッドでは、「空間を超えて届けるコンテンツの未来」というコンセプトを元に、これまで会場中心に組み立てていた本イベントを、オフライン+オンラインのハイリブリット形式で再構築しました。
日本語・英語の2か国語で世界各国へお届けするライブ配信や、距離や場所が離れていても、新入生と家族が記念撮影可能なフォトスポットなど、空間を超えて喜びと価値を伝えていきました。
新型コロナウイルスを引き金に、DX化の波は業界・分野を選ばずに現在進行形で変化をもたらしています。また、社会の要請に応じて多くの大規模イベントが開催形式を変えています。
今回デジタルハリウッドでは、本イベントを通して、「コンテンツの未来を先導する教育機関」としてポジショニングすべく、入学式とクリエイティブアワードのニューノーマルを提唱しました。
今後もデジタルハリウッドは、デジタルコンテンツ業界をけん引していく優れた人材を輩出してまいります。伝統を引き継ぎつつも、常に革新を求め続けるDF、そしてデジタルハリウッドに、是非ご期待ください。
■『DIGITAL FRONTIER GRAND PRIX 2021』審査員
毎年、国内外の各分野で活躍するデジタルハリウッドの卒業生の皆様に作品審査を担当いただいております。
今年はこちらの11名の卒業生に作品審査をおこなっていただきました。
<映像部門>
株式会社ピコナ 代表取締役
吉田健
プロデューサー/監督/脚本家
原 祐樹
Industrial Light and Magic Sr.Generalist
山田義也
<グラフィック部門>
Furikake Products Co., Ltd. イラストレーター/キャラクターデザイナー.
北沢直樹
グリー株式会社Japan Game事業本部 デザイナー
八木たな奈
<インタラクティブ部門>
株式会社ミラティブ シニアプロデューサー.
浅枝大志
3DCG/VRアーティスト
伊東ケイスケ
<サービス部門>
株式会社グッドパッチ 代表取締役CEO
土屋 尚史
株式会社助太刀 代表取締役社長兼CEO
我妻 陽一
<研究・論文部門>
熊本大学・教授システム学研究センター 准教授
合田 美子
学校法人ソニー学園 湘北短期大学 総合ビジネス・情報学科 准教授
髙木亜有子
■協賛企業
(協賛企業紹介動画:https://youtu.be/vQ3i5SkhE2o)
・特別協賛
カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社
・協賛(五十音順)
アドビシステムズ株式会社
インテル株式会社
SMBCファイナンスサービス株式会社
NECネッツエスアイ株式会社
株式会社エヌジーシー
エン・ジャパン株式会社 パスチャー
加賀ソルネット株式会社
株式会社クリエイターズマッチ
幸和商事株式会社
ショートショート フィルムフェスティバル & アジア
ソウルドアウト株式会社
株式会社デジタル・ナレッジ
デジタルハリウッド校友会
株式会社DREAM TOKYO
日本エイサー株式会社
Packe株式会社
フォントワークス株式会社
Point Five Creations
■主催 :デジタルハリウッド株式会社
https://www.dhw.co.jp/
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