ラテンアメリカ・カリブ海地域:予防接種率が14%低下~250万人近くの子どもが感染症のリスクに【プレスリリース】

ユニセフが支援する予防接種プログラムの様子。ワクチン接種率の低下に伴いジフテリアやはしかの流行が懸念されている。(ハイチ、2021年5月撮影)© UNICEF_UN0469088_Moreno Gonzalezユニセフが支援する予防接種プログラムの様子。ワクチン接種率の低下に伴いジフテリアやはしかの流行が懸念されている。(ハイチ、2021年5月撮影)© UNICEF_UN0469088_Moreno Gonzalez

【2022年4月25日 パナマシティー(パナマ) 発】

ユニセフ(国連児童基金)とパンアメリカン保健機関(PAHO)のデータによると、ラテンアメリカ・カリブ海地域の三種混合ワクチン(ジフテリア、破傷風、百日咳)の予防接種は、3回目接種の完了率が90%(2015年)から76%(2020年)に低下したことが判明しました。これは、この地域の4人に1人の子どもが、病気から身を守るための定期予防接種を、十分に受けていないことを意味します。

ワクチン接種率の低下は、パンデミック以前より懸念されていました。しかし感染拡大後、多くのプライマリ・ヘルスケア・サービスが停止、または不定期なものとなってしまったことに加え、感染への不安から保健施設への訪問を控える人が増えたため、多くの子どもたちがワクチンを接種できていないのです。

ユニセフのラテンアメリカ・カリブ海諸国地域事務所代表であるジャン・ゴフは、「この地域における予防接種率の低下は憂慮すべきものであり、何百万人もの子どもや若者が、本来予防可能な病気の危険にさらされています。その解決策は、予防接種プログラムの強化であり、この効果は証明済みです」と述べました。
 

予防接種を受ける7歳のカルラちゃん。ユニセフはこうした大規模な全国予防接種デーを支援している。(ベネズエラ、2021年9月撮影)© UNICEF_UN0517742_Poveda予防接種を受ける7歳のカルラちゃん。ユニセフはこうした大規模な全国予防接種デーを支援している。(ベネズエラ、2021年9月撮影)© UNICEF_UN0517742_Poveda

ワクチン接種率が14ポイント低下したということは、新たなに250万人近くの子どもたちが三種混合ワクチンの3回接種を完了できておらず、予防可能な病気にかかるリスクを負っているということです。そのうち150万人は、同ワクチンの1回目の接種すら受けていないのです。

接種率の低下は、多くの子どもたちが、予防可能な病気に再びさらされることを意味しており、感染の拡大はすでに起きています。例えば、2013年にこの地域でジフテリアにかかった人はわずか5人でしたが、PAHOのデータによると、2018年には900人近くが罹患したと記録されています。はしかのウイルスは感染力が強いため、より強い警戒が必要です。2013年の症例数はおよそ500件でしたが、2019年には2万3,000人以上がこの病気にかかりました。

「各国がパンデミックから回復する中、ワクチン接種率がこれ以上下がらないよう、早急に対応する必要があります。感染症拡大が再び起きれば、社会全体に深刻なリスクをもたらします。これは、プライマリ・ヘルスケアを再構築するとともに、最も脆弱な人々にワクチンを届けるための、包括的かつ地域密着型のアプローチを強化する好機です。過去数十年の努力の成果を失い、危険な病気が子どもの命を脅かすような事態を招いてはなりません」(ゴフ)

ユニセフは、ラテンアメリカ・カリブ海諸国の政府に対し、定期予防接種プログラムを早急に再構築・強化し、ワクチンへの信頼を高めるためのキャンペーンを展開し、すべての子どもや若者とその家族にワクチンを届ける計画を実行するよう呼びかけています。特に、地理的条件や移住の状況、民族的アイデンティティによって保健サービスを受けられない、最も弱い立場にある人々を優先するよう、各政府に求めています。

* * *

■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。 https://www.unicef.or.jp/
※ ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。

すべての画像


ダウンロード
プレスリリース素材

このプレスリリース内で使われている画像ファイルがダウンロードできます

会社概要

公益財団法人日本ユニセフ協会

101フォロワー

RSS
URL
http://www.unicef.or.jp
業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
東京都港区高輪4-6-12 ユニセフハウス
電話番号
03-5789-2016
代表者名
赤松良子
上場
未上場
資本金
-
設立
-