ラテンアメリカ・カリブ海地域:予防接種率が14%低下~250万人近くの子どもが感染症のリスクに【プレスリリース】
【2022年4月25日 パナマシティー(パナマ) 発】
ユニセフ(国連児童基金)とパンアメリカン保健機関(PAHO)のデータによると、ラテンアメリカ・カリブ海地域の三種混合ワクチン(ジフテリア、破傷風、百日咳)の予防接種は、3回目接種の完了率が90%(2015年)から76%(2020年)に低下したことが判明しました。これは、この地域の4人に1人の子どもが、病気から身を守るための定期予防接種を、十分に受けていないことを意味します。
ワクチン接種率の低下は、パンデミック以前より懸念されていました。しかし感染拡大後、多くのプライマリ・ヘルスケア・サービスが停止、または不定期なものとなってしまったことに加え、感染への不安から保健施設への訪問を控える人が増えたため、多くの子どもたちがワクチンを接種できていないのです。
ユニセフのラテンアメリカ・カリブ海諸国地域事務所代表であるジャン・ゴフは、「この地域における予防接種率の低下は憂慮すべきものであり、何百万人もの子どもや若者が、本来予防可能な病気の危険にさらされています。その解決策は、予防接種プログラムの強化であり、この効果は証明済みです」と述べました。
ワクチン接種率が14ポイント低下したということは、新たなに250万人近くの子どもたちが三種混合ワクチンの3回接種を完了できておらず、予防可能な病気にかかるリスクを負っているということです。そのうち150万人は、同ワクチンの1回目の接種すら受けていないのです。
接種率の低下は、多くの子どもたちが、予防可能な病気に再びさらされることを意味しており、感染の拡大はすでに起きています。例えば、2013年にこの地域でジフテリアにかかった人はわずか5人でしたが、PAHOのデータによると、2018年には900人近くが罹患したと記録されています。はしかのウイルスは感染力が強いため、より強い警戒が必要です。2013年の症例数はおよそ500件でしたが、2019年には2万3,000人以上がこの病気にかかりました。
「各国がパンデミックから回復する中、ワクチン接種率がこれ以上下がらないよう、早急に対応する必要があります。感染症拡大が再び起きれば、社会全体に深刻なリスクをもたらします。これは、プライマリ・ヘルスケアを再構築するとともに、最も脆弱な人々にワクチンを届けるための、包括的かつ地域密着型のアプローチを強化する好機です。過去数十年の努力の成果を失い、危険な病気が子どもの命を脅かすような事態を招いてはなりません」(ゴフ)
ユニセフは、ラテンアメリカ・カリブ海諸国の政府に対し、定期予防接種プログラムを早急に再構築・強化し、ワクチンへの信頼を高めるためのキャンペーンを展開し、すべての子どもや若者とその家族にワクチンを届ける計画を実行するよう呼びかけています。特に、地理的条件や移住の状況、民族的アイデンティティによって保健サービスを受けられない、最も弱い立場にある人々を優先するよう、各政府に求めています。
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■ ユニセフについて
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※ ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/
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