「2024年度(2025年卒版)新卒採用・就職戦線総括」を発表
25年卒の内々定率は高水準で推移し、6月末には8割を超える。企業の採用充足率は6月時点で「0割」が32.0%
〈TOPICS〉
インターンシップ・仕事体験の参加率は85.7%で調査開始以来最高【図1】
6月時点の企業の採用充足率「0割」は32.0%。前年より微増【図2】
25年卒の内々定率は4月で6割以上、6月末には8割を超える【図3】
キャリア形成活動を1・2年生から始めたいと回答した25年卒学生は過半数を占める【図4】
【2024年度(2025年卒)新卒採用・就職戦線の主な特徴総括(一部抜粋)】
◆インターンシップ・仕事体験の参加率は85.7%で調査開始以来最高
文部科学省・厚生労働省・経済産業省の合意による「インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方」が改正され、25年卒を対象としたプログラムから、インターンシップなどのキャリア形成支援に係る取組がタイプ1~4の4つに類型化された。それによって企業の開催するプログラムも形式の幅が広がり、25年卒学生のインターンシップ・仕事体験の参加率は85.7%と、調査を開始した14年卒以来最高となった。【図1】
【図1】
◆6月時点の企業の採用充足率「0割」は32.0%。前年より微増
6月時点の採用充足率を聞くと、採用予定数の半数以上の採用が確定している割合は23年卒以降2年連続で減少していたが、25年卒では40.0%(前年比0.5pt増)で増加に転じた。詳細を見ると「8割以上」が24年卒の19.0%から0.5pt増加している一方で「0割」も32.0%と0.5pt増となっており、全体的に厳しい状況がうかがえる。【図2】
【図2】
◆25年卒の内々定率は4月で6割以上、6月末には8割を超える
25年卒は3月1日時点の内々定率が34.3%と前年と比較して10pt以上も増加したため、4月には6割以上の学生が内々定を持つ状況となり、5月以降も前年より高い内々定率で推移した。どの業界においても慢性的に人手不足の状況が続いていることから、新卒採用においても採用意欲が高まり、売り手市場が加速している。【図3】
【図3】
◆キャリア形成活動を1・2年生から始めたいと回答した25年卒学生は過半数を占める
25年卒学生にキャリア形成活動をいつから開始したかった(すればよかった)と思うかを聞くと、3年生の8月以前と回答した学生の合計は91.4%となった。さらに1・2年生から始めたいと回答した学生は51.3%となり、低学年時を含め、キャリア形成活動を早期から行うことに前向きであることがわかる。【図4】
【図4】
【調査担当者コメント】
25年卒の新卒採用のニーズは高水準で推移しています。『マイナビ2025』の求人掲載社数は過去最高※となり、内々定率が前年より大きく伸びたことからも、人手不足の状況や売り手市場が加速した様子がうかがえます。
三省合意による定義改正もあり、企業のインターンシップ・仕事体験の実施率は6割を超え、学生の参加率も引き続き8割を超えるなど、新卒採用を取り巻く環境は変化し続けています。就職活動の早期化も話題となりました。もちろん採用選考を前倒しすることは、学生の不安や焦りを生み、企業にとってもミスマッチや内定辞退につながる問題として解消すべきです。一方で学生時代の早い段階から、主体的に自らのキャリア形成について考えることはより重要になります。今後はインターンシップを含めたキャリア形成活動において、プログラムがより充実し学生がキャリアを考える機会が増えること期待します。学生のキャリア形成をうながす「キャリア形成活動」と、内定を得て就職先を決める「就職活動」を混同することなく、それぞれの目的を再認識した上で、学生と企業のコミュニケーションを大事にしてもらいたいと思います。
※「業界最大級の就職情報サイト『マイナビ2025』、企業エントリースタート」
キャリアリサーチラボ 主任研究員 宮地太郎
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