【新潟医療福祉大学】脳腫瘍の一種であるグリオーマの再発後も「放射線の効きやすさ」は大きく変化しない傾向

~大規模データが示した個別化放射線治療に向けた新たな知見~

NSGグループ

NSGグループの新潟医療福祉大学 健康データサイエンス学科の中野永講師、山口大学医学部附属病院放射線治療部の椎木 健裕講師の研究グループは、脳腫瘍の一種であるグリオーマの放射線治療において、患者さんごとに異なる「放射線の効きやすさ」を予測する指標(RSIスコア:Radiosensitivity Index、放射線感受性指標)が、再発後も全体として大きく変化しない傾向にあることを、214人の患者データを用いた大規模解析により明らかにしました。

本研究成果は、2026年4月15日付で国際学術誌「Journal of Neuro-Oncology」に掲載されました。

研究について

【研究概要】

脳腫瘍の一種であるグリオーマの治療において放射線療法は中心的な役割を担っていますが、放射線の効きやすさには患者さんごとに大きな個人差があることが知られています。これまでに、10種類の遺伝子の働きから放射線の効きやすさを数値化する指標(RSIスコア:Radiosensitivity Index、放射線感受性指標)が開発され、注目されてきました。 一方で、グリオーマは再発時にがんの性質が大きく変化することが知られており、「最初に測ったスコアが、再発後も同じように使えるのか」という点は、これまで明らかになっていませんでした。この点は、個別化医療を進める上で重要な課題の一つとなっていました。

本研究では、国際的な大規模データベース(214人の患者データ)と、単一細胞解析(細胞一つひとつを個別に解析する技術)を組み合わせ、約7,000個の悪性腫瘍細胞を詳細に解析しました。 その結果、放射線の効きやすさを示すスコアは、再発後も全体としては大きく変化しない傾向にあることが明らかになりました。この知見は、再発時に腫瘍の再採取が難しい場合でも、初回手術時のデータが治療方針を検討する際の参考情報となりうる可能性を示しています。今後さらなる検証を重ねることで、患者さん一人ひとりに合わせた放射線治療の選択に役立つことが期待されます。

図1 初回治療時と再発時の「放射線感受性スコア(RSIスコア)」の比較(214人の患者データ)
図2 がん細胞の種類ごとに見た「放射線感受性スコア」(約7,000個の細胞を個別に分析)

【研究成果のポイント】

・脳腫瘍の一種であるグリオーマの放射線の効きやすさを示すRSIスコアは、初回治療時から再発時まで全体として大きく変化しないことを、214人の患者データを用いた大規模解析により明らかにしました。この結果は、再発時に腫瘍組織の再採取が難しい場合でも、初回手術時のデータが治療方針を検討する際の参考情報となりうる可能性を示すものです。

・スコアの変化と生存期間の関係を詳しく解析した結果、一見みられた関連は、グリオーマの代表的な予後因子として知られるIDH遺伝子(イソクエン酸脱水素酵素遺伝子)の変異の影響によるものであり、スコア変化そのものが独立した予後予測因子であることは、本解析では確認されませんでした。この知見は、グリオーマの予後予測においてIDH遺伝子変異の評価が極めて重要であることを改めて裏付けるものです。

【研究者のコメント】

◆健康データサイエンス学科 中野永 講師
脳腫瘍の放射線治療において、再発時に再び放射線治療(再照射)を行うかどうかを検討する際、腫瘍の放射線感受性が初回治療時から変化していないかどうかは、重要な臨床的疑問です。今回、脳腫瘍の一種であるグリオーマを対象に、国際的な大規模データベース(214人の患者データ)を用いて、これまでにない規模で系統的に解析を行った結果、放射線感受性の予測スコアが再発後も全体として大きく変化しない傾向があることを示すことができました。一方で、このスコアの変化だけでは患者さんの予後(治療後の経過)を独立して予測できることは確認されず、その限界も併せて明らかになりました。今後は、実験的な検証を進めるとともに、単一細胞レベルでの解析に適した新しい放射線感受性指標の開発が必要と考えています。

【原論文情報】

Nakano Hisashi and Shiinoki Takehiro. Radiosensitivity index stability across glioma progression: a longitudinal bulk and single-cell analysis. Journal of Neuro-Oncology. 2026;177:107. DOI: 10.1007/s11060-026-05570-y

URL: https://link.springer.com/article/10.1007/s11060-026-05570-y

【共同研究グループ】

・新潟医療福祉大学 医療情報経営学部 健康データサイエンス学科

講師 中野 永
・山口大学 医学部附属病院 放射線治療部 
講師 椎木 健裕

【問い合わせ先】

・新潟医療福祉大学 入試広報部広報課

所在地:新潟県新潟市北区島見町1398番地

TEL:025-257-4459

・山口大学 医学部総務課 広報・国際係 

所在地:山口県宇部市南小串1丁目1-1

TEL:0836-22-2009

【新潟医療福祉大学】 https://www.nuhw.ac.jp/

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【山口大学】 https://www.yamaguchi-u.ac.jp/


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<NSGグループについて>

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<NSGグループホームページ>
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代表者名
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上場
未上場
資本金
-
設立
1976年11月