COP27 「進展はあったものの不十分」~子ども・若者は変革の担い手、の公認は歓迎【プレスリリース】
ユニセフ代表団声明
【2022年11月21日 ニューヨーク発】
COP27(国連気候変動枠組条約第27回締約国会議)の閉幕に際し、ユニセフ(国連児童基金)のCOP27代表団団長のパロマ・エスクデロは、以下の声明を発表しました。
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「アフリカのCOP」とも呼ばれたCOP27は、「実現のため共に」 という旗のもとに世界のリーダーたちが集う、と報じられていました。しかしながら、進展はあったものの、とても十分と言える結果ではありませんでした。
COP27が、気温上昇を摂氏1.5 度に抑えるという目標に手が届くようにするための、より野心的で加速されたエネルギー移行について合意に至らなかったことは、非常に遺憾であり、それは今後、子どもたちがより大きな脅威に直面するリスクを高めることになります。
加盟国はまた、途上国への気候資金を年間1,000億米ドルに増やし、適応支援の資金を2025年までに年間400億米ドルに倍増させるという、繰り返しの約束を果たせませんでした。気候資金に関する新たな定量化された共同の目標に関する主要な決定は2024年まで延期され、資金源やその使い道に関する決定をめぐっては深刻な対立が残っています。
交渉担当者たちが、「適応に関する世界全体の目標(Global Goal on Adaptation)」に向けて2023年の年間を通して取り組むことと、特に水・食料・保健サービスを提供するための基礎システムを適応させ保護する必要性を考慮した枠組みを、来年のCOP28で採択するよう目指すと合意できたことを、私たちは喜ばしく思っています。しかし、現在の適応資金額とニーズ規模とのギャップは依然として大きく、さらなる野心的な取り組みが必要とされる中で、2025年までに適応資金を倍増するという明確な約束(COP26で合意)は事実上取りやめとなりました。
気候危機により取り返しのつかない損失や被害を受けた国を支援する基金の設立決定に成功したことは、気候正義(Climate Justice)に向けた一歩であり、それは子どもや若者が真剣に求めてきたものです。しかし、気候資金調達の行き詰まりと遅れが続くことは、気候正義とは言えません。実際、多くの子どもたちにとって、それは死の宣告に等しいのです。
ユニセフは、すべての締約国に対し、2023年に新たな追加的かつ野心的な気候資金調達と適応行動を行う努力を倍加させるよう求めます。これ以下では、何百万人もの子どもたちが、何の備えもなく保護もされないまま、気候が変化した未来に放り出されることになります。
ユニセフは、汚染のない健康的かつ持続可能な環境に対する世界全体の権利と、気候行動の文脈におけるその重要性が、明示的に承認されたことを歓迎します。これは重要な転換点となります。
最後に、COP27は、子どもや若者を変革の担い手として初めて公式に認めるという、別の面での重要な進展を示しました。子どもと若者は重要な気候行動提唱者として、世界のリーダーたちがなかなか前進しない中で、行動を求めてきました。彼らが持つ、意見や経験、解決策を表明する自由は守られなければなりません。
世界のリーダーたちは、正しくも、排出量削減のための行動を大幅に強化し、適切な気候資金を提供するようにという子どもや若者たちの声に耳を傾けるでしょう。ただ耳を傾けるだけでは十分ではありません。子どもや若者たちは、単に「話を聞いてほしい」と思っているわけではありません。自分たちの訴えが真剣に受け止められ、政策立案者がその呼びかけに応えて行動することを望み、必要としています。そして彼らの訴えはそれに値するのです。
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■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。 https://www.unicef.or.jp/
※ ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/
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