アンジェリーク・キジョー:母国ベナンを訪問~サヘル危機下の子どもたちと出会う【プレスリリース】
ユニセフ親善大使就任20周年
【2022年12月19日 コトヌー(ベナン)発】
ユニセフ(国連児童基金)親善大使で5度のグラミー賞に輝くシンガーソングライターのアンジェリーク・キジョーさんは先週、母国ベナンに帰郷し、サヘル危機から波及した暴力や地域の気候変動の影響を受けている子どもや若者と対面しました。
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隣国のブルキナファソ、ナイジェリア、ニジェールでの治安の悪化や、気候変動に起因する食料価格の高騰は、ベナン北部で暮らす子どもたちや難民、国内避難民にとって必要な社会サービスへのアクセスに影響を及ぼしています。サヘル諸国との国境地帯では、多くの学校が一時的に閉鎖され、5歳未満児の栄養不良が増え、一部の保健センターでは運営維持が難しくなっています。地元の社会福祉当局からは、家庭内暴力、ジェンダーに基づく暴力、子どもに対する暴力の増加が報告されています。
アンジェリーク・キジョー大使は、「私の国の北部は、いつも心の中にある特別な場所です。この地域は、生活必需品が手に入りにくい遠隔地です。しかし、私の出会った医師、母親、教師など、子どもたちを取り囲むすべての人々は、現状に立ち向かう力と希望、そして強さを備えていました。ユニセフの支援を受けながら、自分たちのコミュニティを強化し、互いに助け合うために必要なことをしようと決意している人たちがここにいるのです」と語りました。キジョー大使は1週間の訪問で、最前線で働き、子どもたちたちとその家族に必要不可欠なサービスを提供している教師、看護師、保健スタッフや社会福祉士たち、そして、それぞれのコミュニティで変革に取り組んでいる子どもや若者たちと会いました。
「私に力を与えてくれたのは、ユニセフの使命の中核をなすようなあらゆる課題について、若者たちが取り組んでいる姿でした。まだ16歳なのに、はっきりと、社会的な結束を進めたい、と話す女の子に会いました。彼女は自分の住む地域が平和であることを望み、そのために毎週仲間を集めて、助けを求める方法について信頼できる情報を提供しています。学校や家庭で議論されない問題のタブーを破り、児童婚や早期妊娠、アルコール依存、学校内外でのセクハラの撲滅のために闘う力を備えるようにしているのです。私はそのような若者がアフリカのどの国にもいてほしいと願っています」とキジョー大使は語りました。
ベナンでは、10人に3人の女の子が18歳未満で結婚しています。キジョー大使は、児童婚を免れ、職業訓練の機会を得たり、裁縫や料理、溶接、石工などの収入を得る仕事をしたりすることで、地域社会に復帰した女の子たちに会いました。
キジョー大使はまたタンゲタの栄養センターを訪れ、保健員や母親たちが栄養不良の子どもたちの看病をするために地元の食材を使って栄養のある食事を作っている様子や、ユニセフが提供するピーナッツバターのような味の「すぐに食べられる栄養治療食(RUTF)」が、こうした子どもたちの命を守るためにいかに役立っているかを目の当たりにしました。ベナンでは、5歳未満児の3人に1人が慢性的な栄養不良に陥っています。
ユニセフは、難民を含む子どもたちに関わる新たなニーズに対応するため、ベナン北部、特に国境地帯における活動を強化しています。
ユニセフのベナン事務所代表のジャナブー・マホンデは「アンジェリーク・キジョー大使がベナン北部を訪れ、ユニセフが政府や他のパートナーと共に、地域全体が困難な状況の中で、教育、健康、保護への子どもたちの権利を守るために活動している現場を直接見聞きしてくださることを光栄に思います。今こそ、すべての子どもたちが必要不可欠なサービスを手の届く価格で安心して継続的に利用できるように、私たち全員がコミュニティとより緊密に連携して、コミュニティのレジリエンスを強化する時なのです」と述べています。
キジョー大使は学校や社会推進センターも訪れ、ブルキナファソからの難民の子どもや若者と面会しました。その中には、暴力の激化により学校が閉鎖された7歳のアバスさんと9歳のザウィラトゥさんも含まれていました。この兄弟は、地元当局、ユニセフおよびパートナーの支援により、3年後に学校に戻ることができました。
キジョー大使は、ユニセフの親善大使就任20周年を記念し、ベナンに帰ってきました。子どもの権利のたゆまぬ擁護者である彼女は、ユニセフの支援活動に焦点を当てるため、世界中を訪問してきました。2017年には、ベナンの偉大なアーティスト7人と手をたずさえて児童婚の撲滅を訴える曲を制作し、2020年には「世界で最も果敢で愉快な歌」と称された南アフリカ出身の女性歌手ミリアム・マケバの「パタパタ」をリメイクしてレコーディングし、新型コロナウイルス感染症の予防への意識を広めることに貢献しました。今回の訪問は新型コロナウイルス感染症のパンデミック以来、彼女のユニセフ親善大使として初めての視察となりました。
「私たちは、人々が持つ自分たちのために闘う能力を強化し、衝撃を吸収できるだけの強さを備えられるよう支援する必要があります。また我々が支援してきた取り組みが、困難に打ちのめされて、今日まで成し遂げたすべての便益と進展を逆戻りさせないようにする必要があります」とキジョー大使は述べました。
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■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。 https://www.unicef.or.jp/
※ ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/
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