マイナビ、「2024年10月の最低賃金改定(1,055円)に関する調査レポート」を発表
2024年10月の最低賃金改定、「納得している」アルバイト就業者は4割以下。アルバイト就業者が適正だと思う最低賃金は平均1,297円。半数以上の企業は、現在の最低賃金を「負担に感じている」
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、全国の企業、個人を対象に実施した、「非正規雇用市場における採用・求職動向レポート(2024年9-10月)」をもとに、「2024年10月の最低賃金改定(1,055円)に関する調査レポート」の結果を発表しました。
TOPICS
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最低賃金全国平均1,055円に関して、「納得している」アルバイト就業者は4割にとどまる【図1】
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アルバイト就業者が「適正だと思う最低賃金」は平均1,297円。一方で、現在「1,200円未満」の時給で働くアルバイトは6割を超える【図2】
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アルバイトを雇用している企業の66.9%が、最低賃金改定にともない賃上げを実施。賃上げ実現のために行った施策は「正社員の削減」がトップ【図3、4】
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現在の最低賃金に対して、半数以上の企業が「負担に感じている」。業種別では、[飲食・宿泊]・[小売]が6割を超える結果に【図5】
【調査概要】
◆最低賃金全国平均1,055円に関して、「納得している」アルバイト就業者は4割にとどまる
2024年11月時点のアルバイト就業者に、2024年10月に改訂された最低賃金の全国平均額1,055円の納得感を聞いたところ、「納得している(納得している+どちらかといえば、納得している)」は39.5%にとどまった。【図1】
【図1】
◆アルバイト就業者が「適正だと思う最低賃金」は平均1,297円
一方で、現在「1,200円未満」の時給で働くアルバイトは6割超える
2024年11月時点のアルバイト就業者に、「適正だと思う最低賃金」を聞くと、「1,200~1,299円(27.4%)」が最も多く、「1,200円以上」と回答した人の合計は71.5%にのぼった。また、「適正だと思う最低賃金」の平均は1,297円だった。一方で、アルバイト就業者に「現在の時給」を聞いたところ、「1,000円~1,099円(31.3%)」が最も多く、「1,200円未満」と回答した人の合計は64.6%となり、適正だと思う時給と現在の時給でギャップがあった。【図2】
【図2】
◆アルバイト雇用している企業の66.9%が、最低賃金改定にともない賃上げを実施
賃上げ実現のために行った施策は「正社員の削減」がトップ
アルバイトを雇用している企業に、2024年10月の最低賃金の引き上げを受けて、自社の賃上げを行ったかを聞いたところ、「最低賃金を下回ったため、最低賃金額まで賃上げした(39.8%)」が最も高かった。また、「最低賃金を下回ったため、最低賃金額を超えて賃上げした(13.0%)」と「元々最低賃金を上回っていたが、さらに賃上げした(14.1%)」を加えて「賃上げした(計)」は66.9%にのぼった。
最低賃金を下回ったため賃上げをした企業に、賃上げを実現するために行った施策を聞いたところ、「正社員の削減(19.1%)」が最も多く、正社員を含めた人員体制を調整しながら対応した企業が多いことがうかがえた。【図3、4】
【図3】
【図4】
◆現在の最低賃金に対して、半数以上の企業が「負担に感じている」
業種別では、[飲食・宿泊]・[小売]が6割を超える結果に
アルバイトを雇用している企業に、2024年11月時点の最低賃金の負担感を聞いたところ、「負担に感じている(負担に感じている+やや負担に感じている)」は53.3%となった。業種別に「負担に感じている」と答えた割合をみると、[飲食・宿泊]・[小売]が特に高く、6割を超えた。【図5】
【図5】
【調査担当者コメント】
2024年10月の最低賃金改定における平均引き上げ額は過去最大の51円となり、最低賃金の全国加重平均額は1,055円になりました。かつてないペースで水準が上がっていますが、企業・アルバイト就業者双方にとって、課題がある状況が浮き彫りになりました。
アルバイト就業者が「適正だと思う最低賃金」と「現在の時給」にはギャップがみられます。売り手市場や現在議論されている「最低賃金1,500円への引き上げ」の流れも追い風に、アルバイトで働く人の賃上げに対するニーズや関心はますます高まると予想されます。
一方で、企業の視点でみると、最低賃金改定を受けて人件費増加の負担の大きさが感じられます。特に、アルバイトが多い[飲食・宿泊]・[小売]などの業界では影響が大きいようです。賃金改定は雇用の現場にも変化を与え、正社員を含めた人員体制の見直しや配置調整、労働時間の分配調整などの対応に企業が迫られている様子もうかがえます。
企業の持続的な賃上げに向けては「人への投資」を生産性の向上に繋げ、付加価値を高めるというサイクルが欠かせません。企業は賃上げの実行と合わせて、非正規人材のスキルアップやモチベーション向上の施策に対してアプローチすることも大切と考えます。
キャリアリサーチラボ 研究員 宮本 祥太
『2024年10月の最低賃金改定(1,055円)に関する調査レポート』
■調査方法:インターネット調査
■対象者:
個人:473名
全国の15-69歳の男女(中学生を除く)のうち、2024年11月時点でパート・アルバイトの仕事で働く人(2024年9月~10月の2か月間に非正規雇用の仕事を探した人)
企業:769社
従業員数10名以上の企業に所属している全国の経営者・役員または会社員で、自社の非正規雇用労働者の採用方針について把握しており、パート・アルバイトを雇用しているとした人(2024年9月~10月の2か月間に採用活動を行った又は新規採用を行った人)
■実施期間:2024年11月1日(金)~11月6日(水)
■調査主体:株式会社マイナビ(アンケートモニター提供元:外部調査会社)
※調査結果は、端数四捨五入の都合により合計が100%にならない場合があります
※調査結果の詳細はこちら/非正規雇用市場における採用・求職動向レポート(2024年9-10月)内に詳細データを載せています。
(https://career-research.mynavi.jp/reserch/20241206_89359/)からご確認いただけます。
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