アフガニスタン:国連機関での女性の勤務禁止する決定【プレスリリース】
ユニセフ事務局長、非難し撤回を求める
【2023年4月5日 ニューヨーク発】
ユニセフ(国連児童基金)のキャサリン・ラッセル事務局長は、アフガニスタンの女性が同国内の国連機関で働くことを、タリバンが禁止する決定をしたことを非難し、以下の声明を発表しました。
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アフガニスタンの状況は、世界最悪の人道危機の一つです。今年、同国で人道支援や保護を必要としているのは、子ども1,500万人以上を含む2,800万人以上に上り、昨年比400万人増という驚愕すべき人数です。飢えと疾病の潜在的リスクが高まっており、経済は崩壊しています。
こうした壊滅的な状況にもかかわらず、事実上の当局は、アフガニスタンの女性が、同国内のユニセフを含む国連諸機関で働くことを禁止するという、非良心的で不可解な決定を下しました。アフガニスタンの女性が非政府組織(NGO)で働くことを禁止する命令に続き、この決定は、女性の基本的権利に対する新たな冒とくであり、アフガニスタン全土における人道支援活動をさらに後退させるものです。
アフガニスタンの女性は、ユニセフの人道支援活動に必要不可欠な存在です。彼女たちは高いスキルを持ち、子どもや女性、病人や高齢者、障がいがある人など、最も弱い立場に置かれたアフガニスタンの人々に支援を届けられる、比類なき役割を担っています。同僚の男性では接触できない人々にも、彼女たちが支援を届けることができます。彼女たちは、栄養の専門家、コミュニティの保健・ソーシャルワーカー、教師、ワクチン接種者、看護師、医師等として活動しています。
最大規模の支援活動の一つを現地で展開しているユニセフは、今年だけで1,900万人のアフガニスタンの人々に必要なサービスを提供することを目標としています。重度の栄養不良の子どもたちに治療を提供し、家族には暖かい服を、地域には安全な飲み水を配っています。そして、命を守るワクチンなどの物資を医療施設に届けています。
女性従事者は、私たちの活動を成功させるために極めて重要な存在です。彼女たちがいなければ、アフガニスタンで起きている人道的大惨事はさらに悪化し、より多くの子どもたちが命を落とすことになるでしょう。
ユニセフは国連事務総長が述べたとおり、アフガニスタンの女性が同国内の国連機関で働くことを禁止するという事実上の当局の決定を強く非難します。私たちは、事実上の当局に対し、決定を撤回し、女性や女の子の労働・教育・移動の自由への権利を制限するすべての措置を取り消すよう強く求めます。
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■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。 https://www.unicef.or.jp/
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/
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