ソマリア、エチオピア、ケニア:700万人以上の5歳未満児が栄養不良【プレスリリース】

ユニセフ、「アフリカの角」の栄養危機に支援を訴え

干ばつの影響でモガディシュまで避難してきた1歳のアブディマリクちゃん。下痢と嘔吐の症状があり、何も食べておらず栄養不良状態だったため入院し治療を受け、今は回復しつつある。(ソマリア、2023年2月撮影) © UNICEF_UN0782161_Sewunet干ばつの影響でモガディシュまで避難してきた1歳のアブディマリクちゃん。下痢と嘔吐の症状があり、何も食べておらず栄養不良状態だったため入院し治療を受け、今は回復しつつある。(ソマリア、2023年2月撮影) © UNICEF_UN0782161_Sewunet

【2023年5月22日 ナイロビ(ケニア)/ヨハネスブルグ(南アフリカ)発】


アフリカの角の子どもたちは、飢えや水不足に苦しみ、住処を追われ、治安の悪化に脅かされるという、前例のない大規模な危機下で暮らしています。ソマリア、エチオピア、ケニアでは、700万人以上の5歳未満の子どもたちが栄養不良で緊急の栄養支援を必要としており、190万人以上の子どもたちが重度の栄養不良で命を落とす危険にさらされています。


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アフリカの角地域は、過去40年間で最悪の干ばつに直面し、過去3年にわたって雨がほとんど降らなかったため、脆弱なコミュニティは、家畜や作物など生計手段のすべてを失っています。

 

ユニセフ東部・南部アフリカ地域事務所代表のモハメド・フォールは、「アフリカの角地域の危機は、子どもたちに壊滅的な打撃を与えています。過去3年間、この地域に住む人々は生き残るために極端な手段をとるしかなく、何百万人もの子どもや家族が、食料と水を求めて、必死の思いで避難しました。この危機は、子どもたちから、十分な食事、住まい、安全な水、そして学校へ通うという、子ども時代に必要不可欠なものを奪ったのです」と述べました。


汚れた川の水を飲んでコレラに感染し、保健施設で治療を受ける6歳のレーシャさん。(エチオピア、2023年3月撮影) © UNICEF_UN0800053_汚れた川の水を飲んでコレラに感染し、保健施設で治療を受ける6歳のレーシャさん。(エチオピア、2023年3月撮影) © UNICEF_UN0800053_

降雨が多少の安堵をもたらした一方で、乾燥した大地が大量の雨水を吸収できないために洪水が引き起こされ、さらなる避難民の増加、疾病リスクの増大、家畜の損失、作物の損害につながっています。ソマリアでは、雨で洪水が発生し、家屋、農地、道路が被害を受け、家畜が流され、学校や保健施設が閉鎖される事態に至っています。速報値によると、ソマリア全土で発生した鉄砲水や河川の洪水により、少なくとも46万470人が被災し、そのうち洪水が起こりやすい場所に住んでいた住民を中心に約21万9,000人が家を失い、22人が死亡したと推定されています。

 

また、エチオピアのいくつかの地域でも、洪水が広範囲にわたる被害と多くの避難民を生み出しています。洪水と干ばつとが重なり最も大きな被害を受けている地域では、以前から干ばつの影響を大きく受けていた人々が、洪水によってさらなる苦境に陥りました。また、洪水はコレラなどの公衆衛生上のリスクを悪化させました。現在発生してるコレラの集団感染は、国内においてこれまでで最も長い期間続いています。

 

フォール代表は、「雨は安堵と希望をもたらしましたが、同時に新たな脅威ももたらしました。一夜にして復旧することはありません。作物や家畜が再び成長し、家族が何年も続いた苦難から立ち直るには、時間がかかります。だからこそ、継続的な支援が不可欠なのです」とも述べています。


ガリッサにある病院で治療を受けたことで、急性栄養不良から回復した生後10カ月のマンスールちゃん。(ケニア、2023年5月2日撮影) © UNICEF_UN0836010_Odhiamboガリッサにある病院で治療を受けたことで、急性栄養不良から回復した生後10カ月のマンスールちゃん。(ケニア、2023年5月2日撮影) © UNICEF_UN0836010_Odhiambo

ソマリア、エチオピア、ケニアでは、全体で2,300万人が急性食料不安に直面しています。今年の第1四半期に治療を受けた重度の栄養不良の子どもの数は、昨年よりもはるかに多く、今後かなりの期間、減少は見込まれません。栄養面でのニーズに加え、異常気象、情勢不安、物資不足も、女性や子どもに壊滅的な影響を与え、ジェンダーに基づく暴力(GBV)、性的搾取と虐待のリスクを高めています。


コレラ、はしか、マラリアなどの疾病の集団感染が地域全体で続いており、異常気象と脆弱な保健システムが追い打ちをかけています。現地では食料価格が高騰しており、子どもたちや家族に負担を強いています。気候危機は事態をより厳しいものにし、多くの避難民を生み、栄養不良や疾病の広がりに拍車をかけています。 

 

「2022年には、ドナーからの支援により、3,000万人以上の子どもと母親に栄養不良を予防する支援を提供できました。今年はさらに、使途を制限しない柔軟な資金提供によって、このような大規模な危機を子どもたちが乗り越えることを助けるだけでなく、この地域の子どもたちのために、将来の気候の影響やその他の気候ショックに耐えられる、より強靭で持続可能なシステムの構築に向けて取り組んでいます。アフリカの角で今日見られている異常気象の頻度を考えると、子どもたちや家族が生活を再建する機会を得る前に、次の危機が訪れるかもしれません」(フォール代表)


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■ 注記

ユニセフ、パートナー、ドナーによる早期かつ迅速な支援のおかげで、アフリカの角の子どもたちやコミュニティは、命を守り生き残るために必要な支援を受けることができました。

 

2022年だけでも、ユニセフとパートナーは、アフリカの角の200万人以上の子どもと女性に、命を守るために不可欠な保健ケア活動を提供し、3,000万人以上の子どもと母親に栄養不良を予防する支援を提供し、130万人近くの5歳未満児に重度の急性栄養不良の治療を行い、学校、保健センター、地域に安全な水を供給するための井戸や給水システムの改修などを通して約460万人に安全な水を提供しました。

 

今年、ユニセフは、ソマリア、エチオピア、ケニアにおいて、1,220万人の子どもを含む1,660万人に命を守る支援を行うため、2022年比で39%増となる7億5,900万米ドルの資金要請を行っています。気候変動に応じたレジリエンス(回復力)を構築するためには、さらに6億9,000万米ドルが必要です。


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■ ユニセフについて

ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。 https://www.unicef.or.jp/

※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます

 

■ 日本ユニセフ協会について

公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/

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会社概要

公益財団法人日本ユニセフ協会

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URL
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業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
東京都港区高輪4-6-12 ユニセフハウス
電話番号
03-5789-2016
代表者名
赤松良子
上場
未上場
資本金
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設立
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