ギリシャ沖 移民船転覆:船倉内の子ども、最大100人の可能性も~「各国は子どもの権利の保護を」【プレスリリース】
ユニセフ臨時特別調整官 声明
【2023年6月15日 アテネ/ジュネーブ/ローマ 発】
ユニセフ(国連児童基金)欧州・中央アジア地域事務所、および欧州難民危機臨時特別調整官のフィリップ・コリは、ギリシャ沖で移民を乗せた船が転覆したことを受け、以下の声明を発表しました。
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ユニセフは、昨日ギリシャ沖で転覆後に沈没した船の船倉に閉じ込められた人々の中に、最大で100人の子どもがいたという複数の報告を受け、深い悲しみと衝撃を覚えています。この事故は、地中海沿岸では近年最大の海の悲劇となりました。
現時点では生存者に関する報告が乏しいことから、これらの子どもたちの多くが命を落としていることも考えられます。子どもたちのご家族、そしてこの恐ろしい出来事の影響を受けているすべての方に、心からお見舞い申し上げます。
乗船していた子どもたちは、紛争や暴力、貧困から逃れるため、移動を続けたり庇護を申請したりしようとしていた子どもたちです。移動する際のあらゆる場面で、搾取や虐待に耐えてきた可能性が高い子どもたちです。そのほとんどは、人身売買業者や密航業者の手によって、危険な渡航をたった一人で試みていたのです。
ユニセフは、各国当局やパートナーと連携し、この事故から生還した子どもや女性がいた場合には、彼らの緊急ニーズに対応する準備ができています。
ひとりでも人命が失われれば、それは悲劇と呼ぶことができます。避けられたはずの事故によって、こんなにも多くの子どもの命が地中海で失われたことは残虐行為であり、その記憶はこの先何年も沿岸につきまとうことになるでしょう。二度と、このような非道な出来事が起きてはなりません。
国際法および子どもの権利条約に基づき、各国は子どもの権利と最善の利益を保護する義務を負っています。ユニセフは引き続き、欧州連合(EU)における移民・庇護申請者のための安全かつ合法的な経路の提供、および海での死亡事故を防ぐための捜索・救助活動の協調を求めます。
移動を続ける子どもたちの法的身分にかかわらず、子どもは子どもです。各国は協力して、すべての子どもの命が守られるよう、行動すべきなのです。
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■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。 https://www.unicef.or.jp/
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、33の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/
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