スーダン:紛争激化2カ月~100万人以上の子どもが新たに避難【プレスリリース】
ユニセフ「人道的アクセスと治安の保証を」
【2023年6月15日 ポートスーダン発】
スーダンでの2カ月にわたる紛争により、100万人以上の子どもが避難を余儀なくされています。ユニセフ(国連児童基金)は、6月6日現在、スーダン全土で330人以上の子どもが亡くなり、1,900人以上が負傷しているという信頼性の高い報告を受けています。また、さらに多くの数の子どもたちが深刻な危険にさらされていると考えられています。命を守るための最も基礎的なサービスへのアクセスさえも難しくなっており、1,300万人以上の子どもが、水、保健、栄養、保護といった人道支援を切実に必要としています。
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ユニセフ・スーダン事務所代表のマンディープ・オブライエンは、「スーダンの未来は危機に瀕しています。私たちはスーダンの子どもが命を落とし、苦しみ続けるのを容認することはできません。子どもたちは、銃撃戦に巻き込まれ、負傷し、虐待され、家を追われ、病気や栄養不良にさらされるなど、自分たちが関与していない暴力的危機の最も重い負担を背負わされ、容赦ない悪夢にとらわれています。ユニセフはパートナーと共に人道支援を行う用意がありますが、切実に支援を求めている子どもがいるすべての地域に対する、安全で制限のないアクセスと治安の保証が必要です」と述べています。
ダルフールの状況は特に深刻です。通信網の遮断とアクセスの制限が続いているため、状況を確認できる情報は限られていますが、ダルフール地方の5つの州にはおよそ560万人の子どもが住んでおり、そのうち27万人近くがこれまでの戦闘によって新たに避難したと推定されています。
特に西ダルフール州と中央ダルフール州の状況は、激しい戦闘、深刻な治安の悪化、人道物資や施設の略奪が顕著です。安全な水が不足しているため、数十万人の子どもが脱水症、下痢症、栄養不良の危険にさらされています。今現在、西ダルフール州では、少なくとも1万4,836人の5歳未満児が重度栄養不良に陥っていると見込まれます。この数字は、全般的な健康リスクによりさらに増え、子どもや授乳中の母親の栄養不良率を押し上げると想定されます。中央ダルフール州では、予防接種が進まず、コールドチェーン(低温物流システム)も機能していません。ワクチンや物資が略奪・破壊され、子どもたちは病気の大きなリスクにさらされています。
東ダルフール州では、電気、酸素、機能する保育器の不足など、保健医療リソースが不十分なため、州都ダインの病院で5月の1カ月間に6人の子どもが亡くなっています。
ユニセフは、紛争に関わるすべての当事者に対し、子どもたちの安全とウェルビーイングを優先し、子どもを確実に保護し、影響を受ける地域への妨げのない人道的アクセスを可能にするよう求めています。このような脆弱な立場に置かれた子どもたちの権利を守り保障するために、命を守る人道支援が遅滞なく提供されなければなりません。
ユニセフは、ダルフール地方の全5州を含む14の州に現地の拠点を置き、アクセスに大きな制約があるなか、紛争地域で命を守る人道支援活動を維持しています。また、新たに避難してきた人々や受け入れコミュニティに対し緊急支援を提供し、治安状況が許せば基礎的サービスを継続しています。
ユニセフは、このスーダンの危機に対処するために、2023年4月に現在の紛争が始まって以来、2億5,300万米ドルの増額となる8億3,800万米ドルの資金を国際社会へ要請しています。迅速な資金確保がなければ、ダルフール地方を含むスーダン全土で継続中の支援を維持し、命を守る緊急のニーズに応じてその規模を拡大できない事態に陥ります。
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■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。 https://www.unicef.or.jp/
※ ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、33の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/
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