子ども10万人超、スーダンからチャドへ越境:難民・帰還民として紛争から避難~雨期到来で人道的アクセス困難も【プレスリリース】

戦闘から逃れるため、スーダン・西ダルフール州の自宅から避難している途中で、6人の子どもたちとはぐれてしまった母親と7歳のイスラちゃん(左2人目)。© UNICEF_UNI399008_Mahamat戦闘から逃れるため、スーダン・西ダルフール州の自宅から避難している途中で、6人の子どもたちとはぐれてしまった母親と7歳のイスラちゃん(左2人目)。© UNICEF_UNI399008_Mahamat

【2023年6月26日 ニューヨーク/ダカール(セネガル)/ウンジャメナ(チャド)】


スーダンのダルフール地方で激化する紛争を逃れ、安全を求めて隣国チャドの東部に到着した子どもや家族は、すでにチャドでも最も困窮している場所で避難生活を送るために、新たなニーズや課題に直面しています。


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6月23日現在、14万人以上のスーダン難民とおよそ3万4,000人のチャド帰還民が国境を渡っており、その90%以上が女性と子どもです。さらに、ダルフール地方の暴力の激化により、何十万人も到着する見込みです。

 

到着した難民たちは、焼け落ちた村から逃げ出した、民間人が攻撃され亡くなった、中にはチャドに渡ろうとして殺された人がいた、など、自分たちが経験し見聞きしたことを話しています。負傷したり、家族や友人を亡くしたりした人も多く、逃げている間に家族の行方がわからなくなった子どももいます。

 

ユニセフの子どもにやさしい空間で、絵を描いた13歳のアブデラジズさん。「平和になって、スーダンの家に帰れることを願っている」と話す。(チャド、2023年6月16日撮影) © UNICEF_UNI399784_Mahamatユニセフの子どもにやさしい空間で、絵を描いた13歳のアブデラジズさん。「平和になって、スーダンの家に帰れることを願っている」と話す。(チャド、2023年6月16日撮影) © UNICEF_UNI399784_Mahamat

ユニセフ・チャド事務所代表のジャック・ボワイエは、「スーダンで子どもたちや家族が経験している恐るべき事態は、チャドでも急速に深刻な危機へと発展しています。私たちは、到着した子どもや家族に支援を提供するためのリソースを使い果たしつつあります。この人道的緊急事態が、非常に脆い形で国境をまたいで存在している人々の結束を崩壊させるかもしれない、という懸念を強めています」と述べています。

 

難民の大半は、ウアダイ州、シラ州、ワディ・フィラ州のスーダンとの国境沿いの27の入国地点を通ってチャドに到着します。そこは国内でも最も困窮を極めているような場所です。水、一時避難所、保健医療、教育といった必要不可欠なサービスの利用は著しく限られており、今や地元コミュニティの人々には、非常に乏しいリソースを分かち合わなければならない、というさらなる負担がかかっています。スーダンとの貿易が完全に停止しているため、食料品や日用品の価格も大幅に上昇しています。

 

危機が始まって以来、ユニセフは以下の支援を行っています。

  • 難民とホストコミュニティの人々が安全な水を利用できるよう井戸を掘り、家庭での水処理ができるようにし、水系感染症を防ぐための衛生習慣に関する啓発を行った。

  • 子どもにとって安全な空間と心理社会的支援を提供し、家族と離ればなれになった子どもやおとなの同伴者のいない子どもを特定し、家族と再会させるために、「子どもにやさしい空間」を設置した。

  • 難民を受け入れる村々の保健医療センターに、必要不可欠な医薬品、ワクチン、栄養に関する物資を事前に配備した。

  • 難民とホストコミュニティに対し、不可欠な家庭医療、社会的結束、性的搾取や虐待の防止について啓発した。

 

スーダンと国境を接するKoufrounの村で、ユニセフが設置した給水所から水を汲む子どもと女性。(チャド、2023年6月16日撮影) © UNICEF_UNI399785_Mahamatスーダンと国境を接するKoufrounの村で、ユニセフが設置した給水所から水を汲む子どもと女性。(チャド、2023年6月16日撮影) © UNICEF_UNI399785_Mahamat

ニーズが増加し続けているため、ユニセフとパートナーは、2023年12月までに到着する見込みの難民と帰還民の予想人数を当初計画の10万人から31万人へと見直しました。6月中旬までにすでに半数以上がスーダンからチャドに逃れています。チャドに雨期が到来すれば、影響を受けている州へのアクセスが大幅に寸断されるため、早急に対応を拡大する必要があります。

 

ボワイエ代表は、「この危機は日増しに高まっており、私たちの目の前で起きている人道的惨事の被害を抑えるためには、迅速な支援が必要です」と述べています。危機への対応には、2,500万米ドルが必要とされています。


 

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■ ユニセフについて

ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。 https://www.unicef.or.jp/

※ ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます

 

■ 日本ユニセフ協会について

公益財団法人 日本ユニセフ協会は、33の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/

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本社所在地
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03-5789-2016
代表者名
赤松良子
上場
未上場
資本金
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設立
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