ハイチ:子どもと女性の誘拐激増~半年で300件、昨年の総件数に匹敵【プレスリリース】
状況厳しく、全人口の半分が支援を求める
【2023年8月7日 ポルトープランス(ハイチ)/パナマ・シティ/ニューヨーク発】
ハイチでは依然として暴力行為が起きており、子どもや女性のウェルビーイングが脅かされ続けています。ユニセフ(国連児童基金)が受け取った最新の報告によると、誘拐事件が驚くほど急増しており、2023年の最初の6カ月間に確認されたもので300件近くに達しました。これは、昨年1年間の総件数にほぼ匹敵し、2021年の3倍近くに迫る数字です。
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ほとんどの場合、子どもや女性は武装グループに無理やり連れ去られ、金銭的または戦術的な利益のために使われます。なんとか家に戻れた被害者たちは、肉体的・精神的に深い傷を負い、場合によっては何年も苦しむことになります。
ユニセフのラテンアメリカ・カリブ海諸国地域事務所代表のギャリー・コニーユは、「ユニセフの同僚や現地にいるパートナーから聞く話は、衝撃的で受け入れがたいものです。女性と子どもは商品ではありません。女性や子どもは交渉の材料ではありません。そして、彼らはこのような想像を絶する暴力にさらされてはならないのです。誘拐や拉致の増加は非常に憂慮すべき事態であり、ハイチの人々も支援の手を差し伸べる人々もどちらをも脅かしています」と述べています。
ハイチの全般的な状況は壊滅的です。現在、推定520万人、つまり全人口の半分近くが人道支援を必要としており、その中には300万人近い子どもたちも含まれています。子どもや女性たちが路上から連れ去られ、深いトラウマや苦痛にさらされているということに加え、現地の保健医療システムは崩壊寸前で、学校は攻撃を受けており、市民は常に恐怖にさらされているとの報告もあります。
暴力行為の増大、略奪、道路封鎖、武装集団のまん延は、人道支援活動を著しく妨害し、被害を受けているコミュニティへ切実に必要な援助を届けることを難しくしています。月日が経つにつれ、命を守る支援を届ける人々にとってただでさえ困難な状況に、恐怖と複雑さがさらに加わっていくのです。
ユニセフは、ハイチで誘拐されたすべての人々の即時解放と安全な帰還を強く求めます。現在も続いている暴力行為が罪のない人々の生活を破壊し続けている中、ユニセフは、このようなトラウマ的な出来事の影響を受けているハイチの子どもたちのために、必要不可欠な援助と支援を届けるという使命を堅持します。
「私は、ハイチの子どもたち、女性たち、そして家族が、乗り越えられないと思われる困難に立ち向かい、屈服することなく、驚くべきレジリエンスを発揮しているのを目の当たりにしてきました。しかし、彼らの勇気は今、ますます増大する、想像を絶する恐怖と対峙しています。この状況は今すぐ終わらなければなりません」とコニーユ代表は述べています。
ユニセフは、初期の危機対応にとどまらず、こうした誘拐事件から生還した子どもや被害者を支援する上で、極めて重要な役割を果たしています。医療ケアや心理社会的支援を受けられ、子どもたちが回復し立ち直るプロセスを開始できる安全な空間を利用できるようにするなど、ユニセフはパートナーと共に、命を守るための支援を提供しています。
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■ ハイチに関するこれまでの配信はこちらをご覧ください。
https://www.unicef.or.jp/children/children_now/select.html?tag=haiti
■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。 https://www.unicef.or.jp/
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、33の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間で唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/
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