コンゴ民主共和国:過去6年で最悪のコレラ感染拡大~避難民キャンプが感染の温床に【プレスリリース】
【2023年8月18日 ゴマ(コンゴ民主共和国)】
コンゴ民主共和国東部での紛争の激化と避難民の急増により、子どもたちが2017年以来最悪のコレラ危機に直面している、とユニセフ(国連児童基金)は警鐘を鳴らしています。
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2023年の最初の7カ月間に、国の全土でコレラが疑われるまたはコレラと診断された症例は少なくとも3万1,342例、死亡は230例が確認されており、その多くが子どもです。同国保健省によると、最も被害の大きかった北キブ州では、コレラが疑われるまたはコレラと診断された症例が2万1,400例以上あり、そのうち8,000例以上が5歳未満の子どもです。それと比較して、2022年は年間で5,120例、そのうち1,200例が5歳未満の子どもでした。
ゴマに拠点を置くユニセフ・コンゴ民主共和国事務所の緊急支援シニアコーディネーターのシャミザ・アブドゥラは「コレラの集団感染の規模の大きさと、それがもたらす惨状には、警鐘を鳴らさなければなりません。今後数カ月以内に緊急の対策を講じなければ、長年この感染症が発生していない地域にまで広がる危険性があります。また、避難民が暮らす場所にも広がっていく危険もあり、そこではすでに複数のシステムが限界に達していて、人々(特に子どもたち)は病気にかかりやすい環境下に置かれており、場合によっては命を落とす可能性もあります。避難を余儀なくされた人々は、すでに多くの苦難を経験しているのです」と述べています。
今回と類似した状況が2017年にもあり、当時、コレラは首都キンシャサを含む国内全土に拡大し、症例は5万5,000例近く、死亡は1,100例以上にのぼりました。
630万人以上が避難民として暮らしているコンゴ民主共和国は、アフリカで最悪の避難民危機を抱えており、これは世界的に見ても最悪の事態の一つです。北キブ州、南キブ州、イツリ州では2023年1月以来、80万人以上の子どもを含む150万人以上が避難生活を強いられています。
避難民キャンプは総じて過密状態で需要過多であるため、コレラ感染が広がる絶好の機会を生んでしまいます。例えば、州都ゴマ周辺の避難民キャンプに暮らす家族は、水と衛生設備の深刻な不足に直面しています。18万3,000人の子どもを含む30万人近くが十分な水の供給を受けられず、トイレを利用できる人は3分の1以下、つまり1つのトイレを159人が共用しなければならない状況にあります。
保健省が5月と6月に北キブ州内4カ所のコレラ多発地域でコレラ患者のいる家庭を詳細に調査したところ、感染世帯の62~99%(地域や調査実施週によって差がある)が、今年避難してきた世帯であることが判明しました。この調査では、コレラの流行地域で暮らす家族が、栄養不良に陥ったり、出産前ケアや予防接種を受けられなかったりするなど、さまざまな健康リスクに直面していることも示されました。
ユニセフは、コレラや、水と衛生の危機への予防および対応を、今後5カ月間にわたって拡充するため、6,250万米ドルの資金を国際社会に求めています。これは、100万人の子どもを含む180万人に安全な水、衛生キット、トイレ、医薬品、および子どもにやさしいコレラ治療を提供することを目的としています。現在、求めている資金のわずか9%しか集まっていません。
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■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。 https://www.unicef.or.jp/
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、33の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間で唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/
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