心ゆくまで鑑賞できるオンラインの絵巻物常設展「デジ絵巻~大江山絵詞2巻~」を公開します
絵巻物鑑賞の醍醐味は、物語を読み進めながら、それが絵画ではどのように描き表されているかを楽しむことにあります。逸翁美術館の「デジ絵巻」では、すべてを広げて展示することが難しい長尺の絵巻物を一度に、そして物語(詞書(ことばがき))とそのシーンを描いた絵画を一つの画面で見ることができるだけではありません。くずし字や歴史的仮名遣いで書かれた詞書を現代の表記に置き換えた「翻字(ほんじ)」と、現代語風のあらすじと場面解説とを合わせた「ストーリー」を同じ画面に表示することもでき、詞書や絵画を拡大して細部を確認したり、「ストーリー」に対応した絵画の場面を開いたりしながら、絵巻物を読み進めていく楽しさを感じていただける作りとなっています。
逸翁美術館は、「大江山絵詞」のほかにも多くの絵巻物を所蔵しており、今後はリアルの展覧会はもちろん、デジタルならではの楽しみ方も提供し、絵巻物作品の魅力に触れていただく機会を拡げていきたいと思います。「デジ絵巻」の概要は次のとおりです。ぜひご覧ください。
■逸翁美術館「デジ絵巻」 https://archives.hankyu-bunka.or.jp/digi-emaki/
■デジ絵巻の楽しみ方
デジ絵巻はどなたでも自由にご覧いただけます。主な操作方法を説明します。
(1)ピンク字は絵画のどこを説明しているのかを表し、クリックすると該当箇所を表示します。
(2)あらすじと場面解説を合わせた「ストーリー」です。
(3)文字の大きさを5段階で変更できます。
(4)黒い墨文字は、もとからある「詞書(ことばがき)」。白字は現代の表記に置き換えた「翻字(ほんじ)」で、図のように“透かし”で一行ごと隣に配置するほか、一段分の詞書と翻字を“並べ”て表示させ、それぞれ対応している箇所に“ポインタ連動”させることもできます。
(5)絵巻一巻をすべて広げた状態で表示しており、黄枠で現在地を示しています。
(6)画面全体を拡大・縮小できます。
■重要文化財「大江山絵詞(おおえやまえことば)」第一巻・第二巻について
源頼光(よりみつ/らいこう)が、勅命によって配下の四天王とともに、諸神の加護を得て大江山の酒呑童子(しゅてんどうじ)を退治する物語。同物語を描いた作品には、酒呑童子の居所を大江山とするものと伊吹山とするものとの二系統があり、逸翁(いつおう)美術館所蔵の本作は、大江山系の最古の絵巻となる。
詞書・絵画ともに筆者は不明ながら、南北朝時代14世紀に制作され絵画は土佐派の絵師によるものとされる。作品は現状2巻20図から成り、詞書は失われている部分が多くあるが、付属する詞書1巻によって大方を補うことができる。また、絵画では場面の順序が異なる錯簡(さっかん)が見られる。
公益財団法人 阪急文化財団 https://www.hankyu-bunka.or.jp/
リリース https://www.hankyu-hanshin.co.jp/release/docs/14a00d03aed8e300ae8468c96fa8ffdf5ac0f1eb.pdf
発行元:阪急阪神ホールディングス
大阪市北区芝田1-16-1
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