45歳以上のITエンジニア職の転職、この5年で約10倍に拡大 『リクルートエージェント』データ分析
株式会社リクルート(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:北村 吉弘、以下リクルート)は、転職市場におけるミドル・シニア(45歳以上)のITエンジニアの転職動向について、転職支援サービス『リクルートエージェント』のデータを分析し、まとめましたので、お知らせいたします。
■トピックス
1. ミドル・シニア(45歳以上)におけるITエンジニア職の転職決定者数は、この5年で約10倍に拡大。
2. 1の背景としては
・多様な業種でDXが進んだことによる、ITエンジニア職のニーズ増加
・採用難易度の高いITエンジニア職を採用する方法の一つとして、企業がターゲットを拡大
・45歳以上のITエンジニア職が持つスキルや経験の重要性が再認識されたこと
などが考えられる。
■解説:IT領域の転職支援を担当するコンサルタントによる解説
【社会的状況】経済産業省の「IT人材需給に関する調査」によると、2030年までに最大79万人のIT人材が不足する可能性が示唆されています。IT人材の年齢分布の推移も、2025年にはIT人材の約4割が45歳以上になると言われています。
【転職増加の背景】ITエンジニア職のニーズが高まっており、企業側としては、求めている経験やスキルを持っている求職者ならば、年齢を問わず採用したいと考えるようになっています。加えて、ミドル・シニアのITエンジニアが持つ、システム障害に対応した実績など、長年の経験によるスキルやプロジェクトマネジメント力が求められています。『リクルートエージェント』のデータを分析すると、ミドル・シニアのITエンジニアの約3割の方が転職時に10%以上賃金が上がっているという結果でした(2023年1-3月期)。元々はITエンジニア職について、「35歳定年説」という言葉もありましたが、このような状況もあり、ミドル・シニアのITエンジニア職の転職決定が増えています。
【今後】定年制度の見直しによって、45歳以上のITエンジニアもこれまでよりも長く働くことができます。経験が豊富なため、ITスキルだけでなく、人材育成力やトラブル解決力に対する期待もできます。求職者にとっては、労働環境も見直されており、45歳以上の方でも比較的働き続けやすい、という点は魅力かもしれません。企業は「45歳以上だから」と先入観を持たず、「どんな働き方やキャリアを実現したいのか」といった対話を重ねることで、多様な経験を積んでいる45歳以上のエンジニアが働きやすい環境をつくっていくことが求められるでしょう。
『リクルートエージェント』コンサルタント IT通信業界担当
丹野 俊彦
■調査概要
調査方法:リクルートエージェントの求人データ、転職決定者
調査対象:リクルートエージェントの求人データ、リクルートエージェントを利用して転職した方
有効回答数:非公開
調査実施期間:2023年5月~2023年8月
調査機関:リクルート
詳細は下記リンクよりPDFをご覧ください
https://www.recruit.co.jp/newsroom/pressrelease/assets/20230831_hr_03.pdf
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