山階芳麿賞に岡ノ谷一夫さん ジュウシマツの「歌」の進化を解明

山階鳥類研究所主催、朝日新聞社共催 鳥学の発展と鳥類保護への貢献を顕彰

株式会社朝日新聞社

 

 第24回「山階芳麿(やましな・よしまろ)賞」を、帝京大学特任教授・東京大学名誉教授の岡ノ谷一夫(おかのや・かずお)さんに贈呈することに決定しました。

 日本の鳥学および鳥類保護に顕著な功績のあった方を顕彰する同賞は、公益財団法人山階鳥類研究所(総裁:秋篠宮さま)が主催、株式会社朝日新聞社(代表取締役社長CEO:角田克)が共催しています。

ジュウシマツ(右)とその野生種=池渕万季さん提供

 岡ノ谷さんは日本の伝統的飼鳥であるジュウシマツを対象として、さえずりにみられる複雑な歌系列、すなわち複数の音が多様に組み合わされて歌を形づくる仕組みを明らかにしました。また、原種との比較研究から家禽化にともなう脳と行動の変化を示しました。

 贈呈式は、7月24日(金)に開催します。贈呈は山階鳥類研究所総裁・秋篠宮さまが行い、受賞者には、表彰状と山階芳麿賞記念メダルが贈呈されるほか、副賞として「朝日新聞社賞」(賞金50万円と盾)をお贈りします。

 また、受賞記念シンポジウムを下記の通り行います。取材をご希望の方は、山階鳥類研究所(pressrelease@yamashina.or.jp、04-7182-1101)にご連絡ください。

■受賞記念シンポジウム 「鳥の歌が拓いた音声コミュニケーションの科学」

【日時】2026年9月12日(土) 13:30~16:00
【場所】東京大学弥生講堂(東京都文京区弥生1-1-1)
【主催】山階鳥類研究所
【共催】朝日新聞社

第24回山階芳麿賞受賞 岡ノ谷一夫(おかのや・かずお)さん

岡ノ谷一夫さん=山階鳥類研究所提供

1959年7月16日 栃木県生まれ
専門:生物心理学

1983年 慶應義塾大学文学部社会・心理・教育学科卒業
1989年 メリーランド大学大学院心理学研究科生物心理学専攻修了、Ph.D.
1989年 日本学術振興会特別研究員・上智大学博士研究員
1990年 科学技術庁科学技術特別研究員・農林水産省農業研究センター鳥害研究室兼任職員
1993年 井上科学財団特別研究員(井上フェロー)・慶應義塾大学心理学研究室訪問研究員
1994年 千葉大学文学部助教授
2004年 理化学研究所脳科学総合研究センターチームリーダー
2010年 東京大学大学院総合文化研究科教授
2022年 帝京大学先端総合研究機構教授
2025年 帝京大学先端総合研究機構特任教授

【贈呈理由】 山階芳麿賞選考委員長・小川博

 岡ノ谷一夫氏は、日本の伝統的飼鳥であるジュウシマツを対象としてさえずりにみられる複雑な歌系列、すなわち複数の音が多様に組み合わされて歌を形づくる仕組みを明らかにしました。

 さらに、ジュウシマツとその原種であるコシジロキンパラとの比較研究を通じて、家禽化(家畜化)にともなう脳と行動の変化を明らかにし、ジュウシマツの歌を制御する脳構造に関する神経科学的知見や、家禽化が社会性に影響を及ぼすことを示されました。また、家禽化に伴って現れる歌や行動の変異が、Wilkinsonらの提唱する「家畜化症候群」に合致することを示し、ジュウシマツとコシジロキンパラのストレス耐性、新奇恐怖、攻撃性などの比較研究へと発展させました。これらの成果は家禽化による行動の複雑化を示す代表的研究として高く評価されており、単なる分類学的事実の確認にとどまらず、家禽化が鳥の歌の学習・脳・社会行動にどのような影響を与えるのかを科学的に検証するための基盤研究となり、この分野の今後の発展に大きな意義を持つものです。

 近年では、鳥類の音声学習に関わる神経機構、とくに聴覚情報と発声運動の対応を担うミラーニューロン様の神経活動に着目し、ジュウシマツの脳内で歌の知覚と産出がどのように結びつけられているのかを明らかにする研究を進めておられます。以上の業績はいずれも、鳥のさえずりを通じて、音声学習、音声コミュニケーション、ひいては言語の起源と進化を考えるうえで重要な手がかりを与えるものとして世界的に高く評価されています。また、岡ノ谷氏の研究が契機となり、欧米を含む多くの研究室がジュウシマツを研究対象とする流れを生み出しました。さらに、岡ノ谷氏はこれらの研究を通じて後進の教育・育成にも尽力され、多くの研究者が氏のもとから巣立っています。

 以上のように、岡ノ谷氏は当該分野における世界の研究を牽引し、鳥類学の発展に大きく貢献されました。山階芳麿賞選考委員会は、これらの功績が山階芳麿賞にふさわしいものと判断し、第24 回山階芳麿賞を岡ノ谷一夫氏に贈呈することといたしました。

山階芳麿賞

記念メダル=山階鳥類研究所提供

 山階鳥類研究所主催、朝日新聞社共催。山階鳥類研究所が1992年、研究所の創設者・山階芳麿(やましな・よしまろ)博士(鳥学分野のノーベル賞とも呼ばれるジャン・デラクール賞を受賞)の功績を記念して創設しました。

 日本の鳥学研究の発展と鳥類保護活動に寄与した個人・団体を、2年に1度顕彰しています。受賞者には表彰状・記念メダルと「朝日新聞社賞」(賞金50万円と盾)が贈られます。

【公式サイト】https://www.yamashina.or.jp/hp/gaiyo/yamashinsyo.html

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会社概要

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業種
情報通信
本社所在地
東京都中央区築地5-3-2(東京本社)
電話番号
03-3545-0131
代表者名
代表取締役会長 中村史郎・代表取締役社長CEO 角田克
上場
未上場
資本金
6億5000万円
設立
1879年01月