イスラエル・パレスチナ:ユニセフ広報官、国連定例会見で報告「子どもの保護と敵対行為の即時停止を」【プレスリリース】
【2023年10月10日 ジュネーブ発】
イスラエルとパレスチナで激しい武力の応酬が続いていることを受け、ユニセフ(国連児童基金)の広報官、ジェームズ・エルダーは、10月10日にジュネーブで行われた国連の定例記者会見において、以下の報告を行いました。
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武力衝突にまつわる暴力行為の激化は、イスラエルとパレスチナの子どもとその家族に恐るべき犠牲を払わせ続けています。子どもを殺害し、傷を負わせ、拉致することを正当化できるものは何もありません。戦闘を終わらせるのが遅れれば、子どもたちにさらに悲惨な結果をもたらすことは必至です。
報告によれば、この72時間の間に、何百人ものイスラエルとパレスチナの子どもが命を奪われ、さらに多くの負傷者が出ています。子どもを殺傷することは重大な権利侵害であり、故意の殺害は国際人道法の深刻な違反にあたります。すべての当事者に対し、子どもたちは標的にせず、敵対行為中にも子どもを守ることに必要なあらゆる措置を取るよう求めます。
さらに、イスラエルの子どもたちがガザ地区に拉致されたという報告もあります。紛争当事者による子どもの拉致は重大な違反であり、人質を取る行為はいかなる状況においても国際人道法で禁じられています。ユニセフは、すべての人質の即時かつ安全な解放を求めています。
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)によると、昨日の時点で、ガザ地区内で新たに避難を余儀なくされた人が18万7,000人以上います。多くがUNRWAの学校に身を寄せており、またその多くは子どもです。ガザで避難者を受け入れている施設の中には、学校を含め、損傷を受けたところもあります。
何十万人もの子どもが、ガザにおける敵対行為の激化の影響を受けており、人道支援と保護を切実に必要としています。この新たな暴力以前から、ガザ地区とヨルダン川西岸地区では、子どもの人口のおよそ半分に相当する110万人の子どもが人道支援を必要としていました。
われわれは、ガザへの電力、食料、水、燃料の供給を断つという措置を非常に憂慮しています。これは、すでに大惨事に見舞われているガザの人々に、さらなる苦難をもたらすことになります。子どもたちから食料や必要不可欠なサービスを奪うことは、民間人が暮らす地域への攻撃、また保健センターや学校、水・衛生設備などの民間インフラへの攻撃と同様に、子どもたちの命を危険にさらすことになります。すべての当事者は、学校、保健センター、避難所を含む民間インフラへのさらなる暴力や攻撃は避けなければなりません。
ガザ地区では、ユニセフとそのパートナーが、医療物資や燃料、またメンタルヘルスケアや心理社会的サポートなどの緊急人道支援を続けています。人道状況が急速に悪化している中、支援従事者は、子どもたちとその家族がどこにいようと、命を守る支援や物資を安全に届けることができなければなりません。
ユニセフは、敵対行為の即時停止を求めるとともに、当事者に対し、国際人道法において、子どもを特別に保護する義務があることをあらためて指摘します。誰であろうと、どこにいようと、子どもは一人残らず保護されなければならないのです。
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■ ユニセフについて
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※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
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公益財団法人 日本ユニセフ協会は、33の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間で唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/
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