アルメニアへ逃れた学齢期の子どもたち、3人に1人は学校に通えず~ナゴルノ・カラバフをめぐる敵対行為の激化から1カ月【プレスリリース】
【2023年10月24日 ジュネーブ/エレバン(アルメニア)】
2万1,000人以上の学齢期の子どもたちが故郷を追われてから1カ月が経過。これまでにアルメニアへ逃れた子どもたちの3人に2人は国内の教育システムに沿って就学できたものの、3人に1人は今も学校に通えておらず、就学支援が急務です。
アルメニアへ逃れてきた子どもたちは、ここ数年間、質の高い教育を継続的に受けることができていませんでした。そのため、補習授業や個別サポートなど、子どもたち一人ひとりのニーズに合わせた支援を提供するための、インクルーシブな学校制度をつくることが非常に重要です。
「学校は、学習する場所であること以上に、大切な役割を持っています。避難生活を強いられ、不安定な状況に置かれている子どもたちに対して、学校が果たす役割は特に重要です。教育を受けることは、難民の子どもたちが、自分たちが経験してきたさまざまな困難を乗り越えるための支えになります。学校はまた、栄養のある食事や心のケア、社会性の形成など、子どもたちの健康とウェルビーイングを支える多くのものを提供します」と、ユニセフ(国連児童基金)・アルメニア事務所のクリスティン・ヴァイガント代表は語ります。「教育を受けられていない子どもたちが学校に通えるように、そして、学校がすべての子どもたちにとってインクルーシブな場所となるように、支援が必要です」
難民の子どもたちが必要なケアと支援を受けられるよう、ユニセフは、アルメニア政府や他の人道支援団体と協力して活動しています。ユニセフはこれまでに、「箱の中の学校」(教育キット)や就学前教育キットを含む、教育分野の緊急支援物資を提供しました。また、パートナーと共に、学用品が入ったスクールバッグを1,000人の子どもに配布しており、現在、さらに2,000人分のスクールバッグの提供を準備しています。ユニセフはまた、全国各地で難民の子どもたちを受け入れている学校や幼稚園・保育園の、学習スペースを拡張するための準備も進めています。
そしてユニセフはこれまでに、難民の子どもたちとその養育者あわせて約1万人に、メンタルヘルスと心理社会的支援、保健・栄養分野での支援を提供しました。また、1,000人以上の子どもと養育者に、子どもの保護分野の専門的な個別支援を提供し、3,000人以上にこころのケアの応急処置(サイコロジカル・ファーストエイド)を提供しています。
ユニセフは、今後5カ月間に教育、保健、子どもの保護、栄養、水と衛生の分野での重要な支援を提供するために必要な資金として、総額1,260万米ドルの支援を国際社会に要請しています。
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■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。 https://www.unicef.or.jp/
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、33の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間で唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/
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