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公益財団法人日本ユニセフ協会
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新型コロナワクチンの公平な分配、国際的枠組み「COVAX」が年末で終了-270万人の死亡を回避【プレスリリース】

146の国・地域に20億回分のワクチンを提供

公益財団法人日本ユニセフ協会

全国27地区の5歳から11歳の子どもを対象とした新型コロナウイルス感染症の予防接種キャンペーンで、ワクチン接種を受ける9歳のヘムさん。ワクチンは、COVAXを通じて220万人の子どもたちへ届けられた。(ネパール、2022年6月撮影) © UNICEF_UN全国27地区の5歳から11歳の子どもを対象とした新型コロナウイルス感染症の予防接種キャンペーンで、ワクチン接種を受ける9歳のヘムさん。ワクチンは、COVAXを通じて220万人の子どもたちへ届けられた。(ネパール、2022年6月撮影) © UNICEF_UN

【2023年12月19日 ジュネーブ/オスロ/ニューヨーク発】


2020年に発足した新型コロナウイルス感染症ワクチンを世界で公平に分配するための国際的な枠組みであるCOVAX(コバックス:COVID-19 Vaccine Global Access)が、2023年12月31日で終了します。


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ウジホロドにCOVAXを通じて届けられたユニセフのワクチン冷蔵庫。(ウクライナ、2023年3月撮影) © UNICEF_UN0828078_HudakウジホロドにCOVAXを通じて届けられたユニセフのワクチン冷蔵庫。(ウクライナ、2023年3月撮影) © UNICEF_UN0828078_Hudak

CEPI(感染症流行対策イノベーション連合)、Gaviワクチンアライアンス、ユニセフ(国連児童基金)、WHO(世界保健機関)が共同で主導するCOVAXは、これまでに146の国と地域に約20億回分の新型コロナウイルス感染症ワクチンと、注射器など安全な接種に必要な医療器具を供給してきました。その努力により、COVAXの事前買取制度「AMC(Advance Market Commitment)」に参加した、低所得および下位中所得の国と地域(以下、低所得国・下位中所得国)は、無償でワクチンを受け取ることができ、少なくとも270万人の死亡が回避されたと推定されています。また、ワクチン接種を実施するための重要な支援として、約20億米ドルの資金が提供されました。

 

資金調達メカニズムである「Gavi COVAX事前買取制度」から支援を受けるプログラムに参加する資格を得ている、これら92の低所得国・下位中所得国は、引き続きGaviの通常のプログラムを通じて新型コロナウイルス感染症のワクチンおよび接種支援を受けることができます。これまでのところ、そのうち58カ国が、保健医療従事者、コミュニティワーカー、高齢者などへの優先接種のため、2024年に合計8,300万回分のワクチンおよび接種支援を要請しています。

 

■前例のない緊急対応

 

メナカの国内避難民キャンプで行われた予防接種キャンペーンで、COVAXを通じて届いた新型コロナウイルス感染症のワクチン接種を受けるマダニさん。(マリ、2022年12月撮影) © UNICEF_UN0805506_Fatoumata Diabaté_WHOメナカの国内避難民キャンプで行われた予防接種キャンペーンで、COVAXを通じて届いた新型コロナウイルス感染症のワクチン接種を受けるマダニさん。(マリ、2022年12月撮影) © UNICEF_UN0805506_Fatoumata Diabaté_WHO

2009年の新型インフルエンザの世界的大流行(パンデミック)の際に大半の国がワクチンの機会を逃したという過去の教訓を生かそうと、COVAXのパートナーは、新型コロナウイルス感染症の緊急事態の初期段階から「全員が安全でなければ、誰一人として安全ではない」と提唱するとともに、ワクチンの公平な分配を世界的な対応の中心に据え、すべての国に対し、少なくとも最もリスクの高い人々を守るのに十分な量のワクチンを確保するよう求めました。2020年末までに、あらゆる所得レベルの190カ国がCOVAXへの参加に同意し、COVAXは21世紀における最も重要な多国間パートナーシップの一つとなりました。2020年11月までにはワクチンの調達に向け20億米ドルが拠出され、2021年1月には、高所得国での最初のワクチン接種が実現してから39日後に、低所得国・下位中所得国でCOVAXから供給された初のワクチンが接種されました。

 

COVAXは、研究開発と製造、政策ガイダンス、ワクチンポートフォリオの開発、規制システム、供給割り当てと国別準備状況評価、輸送ロジスティクス、ワクチンの保管と投与、国別普及率と吸収率のモニタリングを含む、一貫した調整枠組みとして考案されました。しかし、緊急対策としてパンデミックの真っただ中に立ち上がったCOVAXは多くの課題に直面しました。前金で支払う資金がなかったため、当初は製造業者との早期契約は限定的でした。そして、COVAXによるワクチンのグローバル供給は、開始から6週間で100の国・地域に出荷することができましたが、輸出禁止などさまざまな要因により、大量のワクチンが供給されるようになったのは2021年の第3四半期でした。

 

ユニセフがCOVAXを通じて国立疾病予防管理センターに届けたワクチン保冷箱。(アルメニア、2022年9月撮影) © UNICEF_UN0763965_GalstyanユニセフがCOVAXを通じて国立疾病予防管理センターに届けたワクチン保冷箱。(アルメニア、2022年9月撮影) © UNICEF_UN0763965_Galstyan

COVAXは、ワクチン分配の不公平という、国際的な対応に特徴的な悲劇を完全に克服することはできませんでしたが、新型コロナウイルス感染症によるグローバルサウス(新興国・途上国)の苦難を軽減することに大きく貢献しました。パンデミック中に低所得国に供給された新型コロナウイルス感染症ワクチンの74%はCOVAXが供給したワクチンであり、事前買取制度が適用された92カ国・地域のうち52カ国・地域が、新型コロナウイルス感染症ワクチン供給の半分以上をCOVAXに依存しました。各国政府、保健医療従事者、市民社会組織などのたゆまぬ努力のおかげで、無償で提供され、約20億米ドルの支援金と組み合わされたこれらのワクチンの接種により、事前買取制度の対象92カ国・地域の初回接種率は57%に上昇しました(世界平均は67%)。命を守り保健システムを維持運営するのに最も大切な保健医療従事者の2回接種率は、低所得国・下位中所得国で84%に達しています。

 

COVAXはまた、人道的危機や紛争下において最も脆弱な人々を保護するため、国際人道支援組織と共同で考案した「人道的バッファ(Humanitarian Buffer)」と呼ばれる初の仕組みを通じて、250万回分のワクチンを配備しました。これは、国による接種計画から取り残され、容易にワクチンが行き渡らない人々に接種を届ける最終手段として構築されました。非政府組織を通じて目新しい製品の供給をしようとするこの試みはきわめて困難であることが証明されましたが、世界的な緊急事態によって悪化する体系的な障壁について深い洞察を与えてくれました。政府、人道支援機関、国際的な保健組織などは現在、これらの教訓を現在進行中の計画に生かし、将来のパンデミックにおいて最も脆弱な人々をより良く守る方法を提唱しています。

 

■将来の対応に備えた教訓への投資

 

ユニセフがCOVAXを通じて、アデンの病院に届けたワクチンを適切な温度に保つための冷凍庫。(イエメン、2023年1月撮影) © UNICEF_UN0767512_UNICEF_YPNユニセフがCOVAXを通じて、アデンの病院に届けたワクチンを適切な温度に保つための冷凍庫。(イエメン、2023年1月撮影) © UNICEF_UN0767512_UNICEF_YPN

不公平を克服するためのCOVAXの成功と挑戦は、次にパンデミックを引き起こす可能性のあるウイルスの脅威が出現したときのために、世界はより良い備えをする必要があることを浮き彫りにしました。COVAXの独特な取り組みから得られた多くの教訓は、今後のパンデミックへの備えと対策の構築において考慮されなければなりません。これには、最も脆弱な人々のニーズに焦点を当てた、公平なアクセスを実現するための一貫した解決策を前もって立案し、投資し、実施することによって、既存の能力を強化することが含まれます。また、将来のパンデミックにおいてもワクチン・ナショナリズムが続くと考え、それを軽減するための仕組みを導入すること(ワクチン製造を多様化して、すべての地域が供給を受けられるようにすることを含む)も重要です。医学的対処法の開発・調達・提供の致命的な遅れを回避するために、財政的リスクを取る必要性を受容することも考慮されなければなりません。

 

製薬会社の協力により、COVAXの事前購入契約や供給契約は2023年末までにすべて完了または終了する予定です。ただし、新型コロナウイルス感染症ワクチンの定期接種プログラムを支援するため、2024年前半は若干量の供給が継続される予定です。

 

供給契約の見直しによって経費節減ができたこともあり、COVAX事前買取制度の資金の一部は、「パンデミック・ワクチン・プール」として知られる緊急時対応メカニズムに残されており、COVAXファシリティが得た教訓を具体的な行動に置き換えることに再投資されます。これには、パンデミックの際にアフリカが供給制限の影響を受けやすい状況に置かれたという教訓を生かした、「アフリカ・ワクチン製造アクセラレーター(African Vaccine Manufacturing Accelerator:AVMA)」の立ち上げが含まれます。AVMAへの投資により、アフリカ大陸でのワクチン製造を支援するために最大10億米ドルが利用可能になります。さらに、将来パンデミックが発生した場合に、ワクチンで対応するための資金を直ちに確保できるよう、「初動対応基金(First Response Fund)」を創設します。また、パンデミックによって生じた予防接種の遅れや空白を取り戻すための「The Big Catch-up」活動への資金援助も行います。予防接種の遅れや空白は、現在ワクチンで予防可能な疾病の集団感染を世界中で引き起こし、「予防接種アジェンダ2030」の目標達成を脅かしています。

 

ユニセフ事務局長のキャサリン・ラッセルは次のように述べています。「パンデミックへの公平な対応を確保するためのすべてのパートナーの共同の努力は、脆弱なコミュニティに暮らす何百万人もの子どもの未来を守る助けになりました。この歴史的な大事業は、私たち皆が共に誇りに思い、さらに積み重ねていくことができるものです。ユニセフは今後も、予防可能なあらゆる疾病のまん延を食い止め、将来に向けて強固な保健医療システムを構築するため、世界中の幼い子どもたちにワクチンを届けていきます」。


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■ ユニセフについて

ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。 https://www.unicef.or.jp/

※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます

 

■ 日本ユニセフ協会について

公益財団法人 日本ユニセフ協会は、33の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間で唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/

 

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本社所在地
東京都港区高輪4-6-12 ユニセフハウス
電話番号
03-5789-2016
代表者名
赤松良子
上場
未上場
資本金
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設立
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