ガンビアで女性器切除禁止を撤廃する動き~ユニセフら、危険な前例となる、と警鐘【プレスリリース】
【2024年3月22日 バンジュール(ガンビア)発】
ガンビアで、女性器切除(FGM)禁止法の廃止法案をめぐる議論が進む中、ユニセフ(国連児童基金)ガンビア事務所代表のナフィーサ・ビンテ・シャフィークは、他の国連機関と共に、女性と女の子の権利と尊厳を守るために費やされた数十年の取り組みが覆される可能性に深い懸念を抱いている、と以下の共同声明を発表しました。
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2015年の「女性(改正)法(Women’s 〈Amendment〉 Act」内で「女性割礼」と呼ばれるFGMは、この法律によって禁止されました。禁止を撤廃するという法案は、深刻な人権侵害であり、ジェンダーに基づく暴力と闘うという世界的な取り組みにおける後退です。この動きは、FGMを経験したサバイバーが受けている計り知れない苦しみをまったく考慮していないだけでなく、この有害な慣習を放棄するために、啓発を行い、人々の意識を変え、地域社会を動員してきた成果を台無しにするものです。それは、女の子と女性の権利と尊厳は犠牲にしてよいもので、公正で公平な社会にあってはならない差別と暴力の連鎖は永続する、というメッセージを発信するものです。
2015年にガンビアでFGM禁止法が導入されたことは、女性の権利とウェルビーイングを守ろうとする同国の努力における重要な一里塚であり、世界の進歩的な法律の模範と見なされました。この法律は、このトラウマ的な処置を受ける危険に直面していた、その多くは声を上げることができない無数の女の子にとっての希望の光であり、有害な慣習を絶つという政府の決意を示すものでした。
この法律を廃止することは危険な前例となり、ガンビアは取り組みから一歩退く世界初の国となるでしょう。
ガンビアは、女性と女の子の権利を支持し守る複数の国際文書に署名しています。したがって、私たちは同国政府に対し、国際人権法上の義務を守り、FGMの禁止を維持するよう強く求めます。また、確固たる法執行体制、男性や男の子を含む地域社会への的を絞った介入、保健サービスの強化、女性と女の子のための機会拡大などを通じて、根本的な原因に対処するのに必要な、この慣習を阻止し、改めるための取り組みを強化するよう強く求めます。
私たちは、サバイバー、活動家、市民団体、信仰に基づく組織、そしてこの人権侵害をなくすためにたゆまぬ努力を続けているすべての人々と連帯します。私たちは共に、世界中の女の子と女性の権利と尊厳を守り、FGMという有害な慣習のない未来を確保するために、一層の努力をしなければなりません。
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■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。 https://www.unicef.or.jp/
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、33の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間で唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/
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