大和物流とT2、自動運転トラックによる住宅用建材などの幹線輸送を実証(ニュースリリース)
~住宅業界の未来を見据えた持続可能な輸送体制の確立へ~
大和ハウスグループの大和物流株式会社(本社:大阪市西区、代表取締役社長:杉山 克博、以下「大和物流」)と株式会社T2(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:森本 成城、以下「T2」)は、2025年7月2日から、自動運転トラックを活用して住宅用建材や設備等を幹線輸送(※1)する実証実験を関東と関西を結ぶ高速道路の一部区間で開始します。

トラックドライバーの労働時間規制が強化された「2024年問題」により、物流業界ではトラックドライバーの確保が年々困難になっています。中でも、最も影響を受ける長距離幹線輸送においては、ドライバー不足に対応できる輸送体制の構築や物流の効率化が強く求められています。
こうした状況を受けてT2は、物流危機への対応として自動運転トラックによる幹線輸送の実現を目指しており、大和物流はドライバー不足の代替手段としての可能性に着目し、2023年にT2へ出資しました。そしてこの度、大和物流とT2は、自動運転トラックによる住宅建材輸送において輸送品質の確保と安定的な輸送体制の構築を目的に、大和物流が大和ハウス工業に提供している調達物流(※2)の幹線輸送にて実証実験を実施することとしました。
住宅建材は重量物・長尺物・繊細な内装材など多様であり、輸送中の振動や衝撃により破損や変形が生じるリスクがあります。さらに、輸送時の影響による品質不良は施工不良や安全性の低下を招くだけでなく、現場での再手配や再施工が必要となり、工期の遅延やコスト増加の原因ともなります。
そのため、今回の実証実験では、自動運転トラックによる輸送において、荷姿や重量が不均一な建材の積合せ輸送における輸送品質の検証に加えて、貨物を積載した状態での幹線輸送における自動運転の走行ルートやリードタイムの確認を行います。

【実証概要】
時期:2025年7月2日から2025年10月末日まで(全4回を予定)
場所:関西から関東にかけての高速道路上の一部区間
<行程>大和ハウス工業「奈良工場」(奈良県)→大和物流「海老名物流センター」(神奈川県)
役割:
大和物流:積載貨物の提供、輸送オペレーションの設計および提供
T2:実証実験全体マネジメント、実験用自動運転車両の提供
トラック:T2が開発したレベル2(※3)自動運転トラック(ドライバーが乗車し、レベル2相当で実施)
積載:大和ハウス工業向けの住宅建材および住宅設備
検証内容:
・荷姿・重量が不均一な建材の積合せ輸送における、自動運転トラックの輸送品質の検証
・貨物を積載した幹線輸送における、自動運転走行ルートおよび走行リードタイムの検証
・想定オペレーションパターンにおける有効性の検証

両社では、今回の実証結果を踏まえて、T2が2027年から開始を予定しているレベル4(※4)自動運転トラックの実現に向けて、まずはレベル2自動運転トラックによる定期運行の実現を目指します。また、対象となる輸送品目についても、大和物流が取り扱う建材以外の貨物へ順次拡大していく方針です。
※1集荷した貨物をまとめて大型トラックで別の拠点に運ぶこと
※2工場や施工現場で使用する資材等の貨物をサプライヤーの拠点へ購買側が自ら引き取りに行く物流の形態
※3ドライバーの監視のもとに行われる特定条件下での高機能自動運転
(参照:国土交通省資料 https://www.mlit.go.jp/common/001226541.pdf)
※4特定の走行環境条件を満たす限定された領域において、自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態
【大和物流が自動運転トラックによる物流効率化を進める背景】
大和ハウス工業と大和物流は、効率的な輸送を実現するために独自の「調達物流」体制を構築し、1998年から運用してきました。調達物流では、大和ハウス工業が各サプライヤーから調達する建材や住宅設備などを、巡回集荷と施工現場からの帰り便を活用した集荷を組み合わせて効率的に集荷し、全国各地に所在する大和ハウス工業の工場や施工現場へ共同輸送しています。
「2024年問題」に伴い、トラックドライバー不足が深刻化する中で、従来の輸送体制では安定的な運用が困難になる懸念があります。こうした状況を踏まえて、大和物流では自動運転トラックを調達物流体制の維持・強化に向けた有効な手段としても期待しています。
将来的には、大和物流が調達物流においても自動運転トラックを活用した物流網を整備することで、さらなる物流の効率化と、安定的な住宅供給体制の構築を目指してまいります。
【コメント】
大和物流 代表取締役社長 杉山 克博
物流を取り巻く環境が大きく変化し続ける中、ドライバー不足によるサプライチェーンの不安定化は社会全体において深刻な課題となっています。そうした中で自動運転トラックは持続可能な輸送体制の確立に向けた重要な第一歩であると捉えています。今回の取り組みを通じて、自動運転における輸送品質の高さを検証するとともに、最適な物流環境をデザインするための新たな試みとして挑戦してまいります。
T2 代表取締役CEO 森本 成城
独自の「調達物流」体制を構築し、住宅業界を強力に支えてこられた大和物流様とともに今回実証を実施できることを大変光栄に感じております。既存の大和物流様の仕組みにおいて当社の自動運転トラックが十分な有効性を発揮できるよう、本実証で確かな成果につなげていきたいと考えております。
【各社概要】
■大和物流株式会社
本社所在地:大阪市西区阿波座一丁目5番16号
代表者:代表取締役社長 杉山 克博
設立日:1959年(昭和34年)8月
事業内容:貨物自動車運送事業、貨物利用運送事業、荷造梱包および解梱事業、工場・倉庫内の諸作業、倉庫業、産業廃棄物収集運搬業、建築工事業、電気工事業、宅地建物取引業、人材派遣業、売電事業、古物商
企業サイト URL:https://www.daiwabutsuryu.co.jp/
■株式会社T2
本社所在地:東京都千代田区内幸町二丁目2番3号 日比谷国際ビル1階
代表者:代表取締役 CEO 森本 成城
設立日:2022年8月30日
事業内容:自動運転システムの開発、レベル4 自動運転トラックによる幹線輸送サービス事業、幹線輸送に付随した関連サービス事業、その他関連サービス事業
企業サイト URL:https://t2.auto/
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