デーブ・スペクター、山路徹 “真実”の発信について語る

株式会社WOWOW

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10月25日、第27回東京国際映画祭のメイン会場となるTOHOシネマズ六本木ヒルズで、WOWOWが手がける国際共同制作プロジェクト作品「ニューヨーク・レビュー・オブ・ブックス 50年の挑戦」が同映画祭の特別招待作品として上映された。
自身、創刊当初からの定期購読者でもあるマーティン・スコセッシ監督が、アメリカを代表する文芸誌「ニューヨーク・レビュー・オブ・ブックス」の50年の歴史と、半世紀にわたって貫かれた編集者たちの信念を描きだした本作。この日の上映後には、放送プロデューサーでタレントのデーブ・スペクターとジャーナリストの山路徹によるミニトークショーが行われた。

会場にやってきたデーブは「ジャーナリズムといっても僕は東スポしか読んでないから困っていますけどね」と軽妙にトークをスタートさせると、ダジャレを交えたジョークを連発。国際映画祭ということで、そのジョークを的確に訳してみせる通訳の仕事ぶりに、「くだらないことでも、英語で聞くと立派なことを言っているみたいに聞こえるね」とちゃかしてみせる一幕も。一方の山路は「僕はこのところ、本業がおろそかになったところがあったんですが、ウクライナ、パレスチナ、ガザとまわって帰ってきて、いよいよ本業で巻き返しを図ろうと思っています」とコメント。デーブのジョークに笑顔を見せながらも、ところどころで現代の社会情勢に照らし合わせた鋭いコメントを発し、会場をうならせた。

アメリカの知識層が愛読していると言われる老舗雑誌「ニューヨーク・レビュー・オブ・ブックス」は、書評の枠を超えて、編集者のロバート・シルヴァーズが興味を持つ題材を取り上げてきており、他の雑誌や新聞の論調に流されない“真実”を発信する雑誌として定評がある。「アメリカにそういうメディアが存在するというところに、アメリカの最後のとりでがあるなと思いましたね」と感心した様子を見せる山路は、「現代社会はインターネット情報に囲まれているけれど、どう受け止めていいのか難しいところがあります。なおかつ、われわれの国ではいろんな差別発言をする人がいて、どういう言葉をもって現状に折り合いをつければいいのか分からない。こういうメディアが日本にもあってほしいと思いました」と付け加える。
また、ワイドショーのコメンテーターとしても活躍するデーブは、「もともと空気が読めない方ですから、あまり考えないでしゃべってる方」と自分を分析しつつも、「それでもある程度は時間帯に合わせてしゃべります。それと別の見解からしゃべらないと出る意味がない。うわべだけ言っても面白くないですからね。だからある程度のリスクを負って、自分なりの見解を言いたいと思うが、残念ながらちゃんとした分析がされた長編記事を読むような世の中ではなくなりつつある。今はネットで調べることが多くなりましたが、それでは浅いんです。それはネットの情報が浅いんじゃなくて、気が散ってしまうから。みんな浅く広く、いろいろなものに触れているけれど、この映画に出てくるようなものの読み方、分析力そのものが乏しくなっていく。テレビに出ているいろんなコメンテーターも、一発で本を読んでいるかどうかが分かりますよ。コメントに奥の深さ、引き出しの大きさが全然違いますからね」と興味深い解説で会場を魅了した。今回のトークショーは上映後の短い時間ではあったが、作品を通して描かれた“真実”を発信するということ、“ジャーナリズム”について、この2人だからこそ話せる硬軟取り混ぜたトークショーとなった。

WOWOWオリジナルドキュメンタリー  国際共同制作プロジェクト
「ニューヨーク・レビュー・オブ・ブックス50年の挑戦」
12月13日(土)午後1:00 WOWOWプライムにて放送!

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設立
1984年12月