乳酸菌で発酵させた豆乳の摂取が健常者の免疫指標に及ぼす影響について
■研究背景と目的
当社では植物性発酵乳をはじめとする植物性素材について各種研究を進めており、Streptococcus thermophilus SBC8781株の産生する菌体外多糖(EPS)が, 牛乳から調製するよりも豆乳から調製した方がNK活性※1(細胞障害活性)が高いことを明らかにし、2021年に「植物性発酵乳における菌体外多糖の免疫活性」について、日本農芸化学会2021年度大会で発表をしました。
今回、さらに研究を推し進め、SBC8781株で発酵させた豆乳が健常者の免疫指標に及ぼす影響についての試験を行いました。
■研究方法と結果
・22~59歳の健康な男女34名を対象に、Streptococcus thermophilus SBC8781株で発酵させた豆乳ヨーグルトを摂取する群、非摂取群に分け試験を行った。
・摂取群は、毎日Streptococcus thermophilus SBC8781株で発酵させた豆乳ヨーグルト100gを4週間継続して摂取した。
・摂取開始時と終了時に、採血と唾液採取を実施し免疫指標の変化を調べた。 加えてアンケートによって風邪様の症状等の体調に関する評価も行った。
その結果、摂取群では非摂取群と比較して、重要な免疫指標の一つであるNK活性※1(細胞障害活性)が高くなることがわかりました(図1)。また、体調に関するアンケート結果から、摂取群では非摂取群と比較して、風邪様の症状等の出現日数が少なくなることがわかりました(表1)。
これらの結果により、Streptococcus thermophilus SBC8781株で発酵させた豆乳を摂取することによって、免疫力が向上し、風邪様の症状の出現を抑制する可能性があることが示唆されました。
※1:NK(ナチュラルキラー)細胞が、感染した細胞やがん細胞を攻撃する活性。
図1. NK活性(細胞障害活性)への影響
表1.体調に関するアンケート結果(累積出現日数)
カイ2乗検定…統計解析の手法の一つで、一般的にこの値が0.05より低いと、摂取群と非摂取群で有意な差があるとされている。
学会発表の概要
1.演題:Streptococcus thermophilus SBC8781株で発酵させた豆乳の摂取が健常者の免疫指標に及ぼす影響
2.発表者:ポッカサッポロフード&ビバレッジ(株)仲田創、清治幸弘、小笠原千春、平光正典、井上孝司、
平山悌也、北澤春樹
3.発表日:日本食品科学工学会第70回記念大会(2023年8月24日~26日)
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