ガザ、ポリオ集団予防接種 1回目終了 約56万の子どもに投与とユニセフ等発表【プレスリリース】

ガザ地区中部にあるクリニックで、子どもにポリオワクチンを投与するユニセフのスタッフ(ガザ地区、2024年9月2日撮影) © UNICEF_UNI637065_El Baba

【2024年9月13日 エルサレム/アンマン(ヨルダン)/ジュネーブ発】

2024年9月1日から12日にかけて、ガザ地区で3フェーズに分けて実施されたポリオワクチンの1回目の緊急集団予防接種では、10歳未満の約56万人にワクチンが投与された、とユニセフ(国連児童基金)等は発表しました。

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12日間にわたる集団接種活動では、入念な計画と調整を経て、55万8,963人の子どもに新規2型経口生ポリオワクチン(nOPV2)が投与されました。これは、保健施設や出張所などのあらかじめ決められた一定の場所でワクチンを投与する、広範なチームネットワークを活用した取り組みでした。移動式チームや輸送チームは、シェルターやテント、避難民キャンプで暮らす家族に積極的に働きかけました。また、地域保健員が集団接種の実施前および実施期間中に各家庭に働きかけ、周知を図りました。各フェーズにおいて、コミュニティと保健スタッフの安全を確保し、予防接種活動を確実に実施するために、特定した地域において1日9時間の戦闘の人道的休止が合意されました。

 

ユニセフ・パレスチナ事務所特別代表のジーン・ゴフは次のように述べました。「ガザ地区と近隣諸国の子どもたちを、人生を一変させてしまうポリオウイルスから守るために、この野心的な活動が迅速で安全かつ効果的に実施されることが肝要でした。1回目の集団接種で得られた進展は心強いものですが、まだ道半ばです。私たちはこの任務を完遂する態勢を整えており、4週間後に予定されている2回目の集団接種で確実に達成できるよう、関係者全員に呼びかけています。それは、あらゆる場所にいる子どもたちのためなのです」

 

あらゆる立場のパートナーが、保健施設から道路に至るまで壊滅的な被害を受けたインフラ、訓練を受けた保健スタッフの不足、治安の悪さによるアクセスの問題、ワクチンを安全に保管したり保冷剤を冷凍したりしておくための発電機の燃料不足、絶え間ない住民の移動など、この取り組みの過程で直面した運用上の共通の課題を把握しています。しかし、これらの問題は、計画された予防接種活動を可能にするためのパレスチナ保健省と国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の主要な支援を得て、適時対処されました。

特に接種率の低い地域で確実にワクチンが行き届くことを目指し、保健員で構成される移動式チームが、毎日午前6時から午後2時まで活動した(ガザ地区、2024年9月2日撮影) © UNICEF_UNI637047_El Bab

こうした課題やガザ地区の家族たちがこの11カ月間耐え忍んできた状況にもかかわらず、家族は子どもたちに予防接種を受けさせるために保健施設に押し寄せました。これは、パレスチナの人々の従来からの前向きな健康志向行動と、認識を高め人々を動かすための効果的な啓発活動によるものです。

 

当初の目標は、正確な実態調査がなかったため64万人の子どもと推定されましたが、住民が各地を移動し続けていること、そして現在も続く戦闘行為により人々が避難したり命を落としたりしていることを考えると、これは実際よりも多い数字だった可能性があります。予防接種実施中、訓練を受けたモニタリングチームが接種活動を監督するために派遣されました。次のステップとして、ガザ地区全体でワクチン接種を受けた子どもの割合を照合確認し、1回目で達成された接種率の独立評価をするために、さらに65人の独立した専門員が派遣されます。彼らには、安全かつ妨げのないアクセスが必要です。そうすることで、各家庭や市場、交通の中継地点、医療施設を訪問し、ワクチン接種時に小指にはっきりした紫色のインクで付けられた目印で、子どもたちをチェックすることができます。こうした取り組みにより、予防接種の達成度と未接種児が生じた理由を独自に測定することができます。

 

ポリオの集団発生を食い止め世界的な感染拡大を防ぐため、2回目の集団予防接種を、理想的には4週間以内に行い、ガザ地区の子どもたちにnOPV2の追加接種を行う予定です。

 

この野心的な取り組みを繰り返し、十分な数の子どもたちに予防接種を行い、ポリオウイルスのさらなる感染を食い止めるために、ユニセフ等関係機関はすべての紛争当事者に対し、再度戦闘の人道的休止を実施し、特別な調整を必要とする地域の子どもたちへの妨害のないアクセスを担保するよう呼びかけています。

 

結局のところは、ガザ地区のすべての家族が、生活を取り戻し、再建し始められるための平和が必要で、そのためには持続的な停戦が必要なのです。

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■ ユニセフ「ガザ人道危機 緊急募金」 ご協力のお願い

ガザ地区をはじめパレスチナで戦闘の影響を受ける子どもたちを支援するため、(公財)日本ユニセフ協会は、ユニセフ「ガザ人道危機 緊急募金」を受け付けています。詳しくはこちらをご覧ください。

https://www.unicef.or.jp/kinkyu/gaza/

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■ ユニセフについて

ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。https://www.unicef.org 

※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます

 

■ 日本ユニセフ協会について

公益財団法人 日本ユニセフ協会は、33の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間で唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。https://www.unicef.or.jp 

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会社概要

URL
http://www.unicef.or.jp
業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
東京都港区高輪4-6-12 ユニセフハウス
電話番号
03-5789-2016
代表者名
赤松良子
上場
未上場
資本金
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設立
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