第16回 「shiseido art egg」賞 受賞者決定のお知らせ
資生堂は、新進アーティストに資生堂ギャラリーの門戸を広く開く公募制のプログラムshiseido art egg(シセイドウアートエッグ)を開催しています。16回目となる2023年は入選作家の岡 ともみ(おか ともみ)氏、YU SORA(ゆ そら)氏、
佐藤 壮馬(さとう そうま)氏が、1月から5月にかけてそれぞれの個展を開催しました。今回、3つの作品の中で資生堂ギャラリーの空間に果敢に挑み新しい価値の創造を最も感じさせた作品に贈る「shiseido art egg賞」に、佐藤 壮馬氏が選出されました。
5月31日には授賞式を行い、当社取締役常務の鈴木 ゆかりより、佐藤氏にトロフィー並びに賞金20万円を贈りました。
■shiseido art egg賞 選考について
3つの展覧会を開催後、今日のクリエイティブシーンで活躍する3名の審査員、磯谷 博史氏(美術家)、温 又柔氏(小説家)、諏訪 綾子氏(アーティスト/food creation主宰)による審査の結果、世界の見え方を疑い科学と人々の心の間に生ずる違和感を表現しようと模索する姿勢からは、既存のアートの枠組みを攪乱し、拡張していく大きなポテンシャルを感じさせると評価され、佐藤 壮馬氏が第16回shiseido art egg賞に決定しました。
■佐藤 壮馬展について
「おもかげのうつろひ」 会期:2023年4月18日(火)~5月21日(日)
佐藤 壮馬は、時空間における身体と心の問題を主題に、表象の背景にある記憶や慣習について考察しています。複製技術を用いてアーカイブされたものを制作に取り入れるなど、モノや空間が持つ時間の流れや、それらとの関係性を表現することを試みてきました。本展では、2020年大雨により倒れた岐阜県の神明神社の大杉を3Dスキャンで複製し構成する新作を中心に、科学技術と人間の記憶や心の在り方との関係を探る展示となりました。
■受賞者コメント
制作過程から、展示の始まりから終わりまで、そしてその後も、shiseido art eggを通して様ざまな出会いがありました。小さな心の揺れを静かに見つめ、作品を制作し、展示ができた先にあったこの喜びと経験は、これからの私の創造活動において新たな礎となります。これまでご支援いただいた方々、ご協力してくださった大湫の方々、資生堂の方々の美の探求と創造への飽くなき情熱に、心より感謝を申し上げます。
■佐藤 壮馬プロフィール 1985年 北海道生まれ 北海道在住
■第16回shiseido art egg賞トロフィーについて
日本の木「ナラ」で制作された世界でひとつのトロフィーです。本トロフィーは、カリモク家具*とのコラボレーションで実現しました。家具製造の過程で出る端材を再利用し、少し変形したようなたまごのフォルムは、社会に柔軟に適応しながら、多くの事を吸収するしなやかさを表現しています。
*カリモク家具:端材や未利用材を活用した製品の開発など、森林資源の有効活用を推進する木製家具メーカー。当社BAUMブランドの容器制作もコラボレーションしています。
■第16回shiseido art egg岡 ともみ展 YU SORA展 覧会概要(展示風景 撮影:加藤 健)
展覧会名:岡 ともみ展 「サカサゴト」
会期:2023年1月24日(火)~2月26日(日)
個人の大切な思い出や消えかかっている風習など、見過ごされがちな小さな物語を写し出す装置を作り、記憶を空間に立ち上げるインスタレーション作品を展示
展覧会名:YU SORA展 「もずく、たまご」
会期:2023年3月7日(火)~4月9日(日)
白い布と黒い糸を使った刺繍の平面作品や、家具やカーテンなど実物大の立体作品を組み合わせたインスタレーションで些細な日常に向き合う作品を展開
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