100万人の子どもが支援を待つガザ地区 ユニセフ、トラック350台超の物資搬入 【プレスリリース】

ガザ地区南部のハンユニスで、ユニセフ支援の衛生キットを受け取るイスラムさん(9歳、右端)とその家族(パレスチナ、2025年1月23日撮影) ©UNICEF/UNI725837/Nateel

 

【2025年1月27日 ニューヨーク発】


ユニセフ(国連児童基金)は、パレスチナ・ガザ地区の子どもたちへの物資の配布やサービスの提供を急速に進めており、多くの人が待望していた停戦の最初の週には、350台以上のトラックが同地区へ入りました。

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水、衛生用品キット、栄養不良を治療するための用品、防寒着、防水シート、その他の不可欠の人道支援物資を満載したトラックがガザ地区の南北の検問所から入り、パートナー団体との協力の下、支援を必要とする家庭に物資が配布されています。

ガザ地区では200万人以上の人々が、安全な水や衛生設備、食料、保健医療ケアといった基本的なものが極度に不足している状態にあります。そしてその半数は子どもです。インフラへの被害は広範囲に及び、多くの学校や病院、家屋が破壊されたままの状態です。

がれきと化したラファの自宅跡地で、ボロボロになった自分のスクールバッグを見つけたジャナさん(パレスチナ、2025年1月21日撮影) © UNICEF/UNI724433/El Baba

ユニセフ事務局長のキャサリン・ラッセルは次のように述べています。「ユニセフのチームは、特に、現場での活動上の課題や制限により停戦前に支援が届かなかった地域を中心に、緊急に必要とされている人道支援の規模を拡大するために、昼夜を問わず活動しています。私たちは切実に支援を必要としている子どもたちに相次いで遭遇しています。停戦により、いくらかは安心できる状況となりましたが、家族は完全に破壊された地域に戻りつつあり、彼らが身体的、そして精神的に負った傷は、非常に深いのです」

 

子どもたちはこの危機の最も大きな影響を受けています。そのため、彼らの当面のニーズに対応し、安全、教育、ウェルビーイングを担保した、緊急の注意を要しています。停戦だけではガザ地区の子どもたちの苦しみは終わらないでしょう。すべての必要不可欠なサービスが崩壊していることや、住宅、保健・教育施設の破壊の規模を考えると、人道的なニーズのレベルは想像を絶するほどです。ユニセフとそのパートナーは対応を拡大する準備ができていますが、こうした取り組みを、求められている資金源をもって、国際社会が支援することが極めて重要です。

 

ザワイダ国内避難民キャンプで暮らす3歳から5歳の子どもたちに、ユニセフ支援の冬用子ども服が配布された(パレスチナ、2025年1月23日撮影) © UNICEF/UNI725839/Nateel

停戦の第1段階の期間中、ユニセフは1日当たり50台のトラックの搬入を目指しています。ガザ地区の境界には何百ものパレットに載せられた支援物資がすでに用意されており、さらに追加の物資も輸送中です。現地のコミュニティや人道支援活動におけるパートナーが最も急を要すると特定した物資が、優先的に搬送されています。

子どもとその家族に対するこころのケアや、水、衛生、栄養に関する重要なサービスなどの提供も現地で強化されています。

 ユニセフはまた、ワクチンと支援チームの投入に重点的に取り組み、感染症の集団発生を防ぐための予防接種活動のキャッチアップ(遅れの取り戻し)を図るとともに、栄養不良の検査および治療の拡大と強化を進めています。ガザ地区の病院、特に北部の病院は、新生児病棟を中心に、その対応能力を高めるための支援を受けることになります。

 

ユニセフは安全な水の製造と衛生設備に対する支援を拡大し、不発弾や家族離散など、ガザ地区を移動する際に子どもたちが直面するリスクについて、子どもや養育者の認識を高める予定です。ユニセフはまた、子どもの保護に関するサービス、こころのケア、多目的現金給付を各家庭に提供するとともに、究極的にはすべての学齢期の子どもが教育を受けられることも目指しています。

 

「この停戦は、長期的な平和への道筋を開くことが期待される、初期の復興の機会を提供するものです。膨大なニーズに対応するため、再開された物資の流れが持続し、人道支援関係者が安全かつ妨害のないアクセスを確保できることが極めて重要です」(ラッセル事務局長)

 

ユニセフは国際社会に対し、復興努力において子どものニーズを優先し、人道支援機関が十分な資金を得て、人道回廊が安全に機能する状態が維持されるよう呼び掛けています。

 

ユニセフは、最年少の15歳を含むイスラエルで拘束されていた子ども12人の釈放、および、拘束当時は子どもであった若者の釈放を歓迎します。ユニセフは、あらゆる形態の子どもの拘束を終わらせるよう求めています。またユニセフは、ガザ地区にいるすべての人質、特に残る2人の子どもの釈放をあらためて求めます。

 

すべての当事者が停戦合意と国際法上の義務を堅持することが不可欠です。すべての子どもの利益のために、この前向きな進展を持続させなければなりません。

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■ ユニセフについて

ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。(https://www.unicef.org )

※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する32の国と地域を含みます

 

■ 日本ユニセフ協会について

公益財団法人 日本ユニセフ協会は、32の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間で唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。(https://www.unicef.or.jp )

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会社概要

公益財団法人日本ユニセフ協会

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URL
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業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
東京都港区高輪4-6-12 ユニセフハウス
電話番号
03-5789-2016
代表者名
赤松良子
上場
未上場
資本金
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設立
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