“出版社が本気で作った”疲労回復ウェアが累計85万着超の大ヒット!女性責任者に聞く「出版社だからこそできた、編集者視点の服づくり」

株式会社 宝島社

ファッション雑誌販売部数トップシェア(※)の株式会社宝島社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:関川誠)が販売する“着るだけで疲労回復をサポートする”一般医療機器「Recoverypro Lab.(リカバリープロラボ)疲労回復ウェア」は、2023年2月の発売から約3年半で、シリーズ累計実売85万着を超えました。その成長を支えてきたのが、もともと雑誌編集者であり、マーケティング部を経て現在はブランドの事業責任者である天野真里花です。今回は天野に焦点を当て、いかにして出版社が疲労回復ウェアで支持を集められたのか、その舞台裏をお伝えします。

※ 日本ABC協会 雑誌発行社レポート2025年下半期(7~12月)より

「付録づくりのノウハウと読者の悩みに寄り添う❝編集者流❞服づくり」
-出版社発の疲労回復ウェアを支える責任者・天野の挑戦-

「もちろん売上も考えます。でも、それ以上に『良いものを広めたい』という気持ちがあるんです」

そう語るのは、「リカバリープロラボ」を支える事業責任者・天野真里花。新規事業といえば収益が重視されがちですが、天野の言葉からは、それだけではない想いが伝わってきます。アパレルメーカーではない出版社が、なぜこの市場で成功できたのか。そこには、編集者ならではの哲学がありました。

リカバリーウェア事業部 部長 天野 真里花(あまの・まりか)

2002年宝島社入社。広告局、『InRed』編集部、マーケティング部を経て、2023年より「リカバリープロラボ」事業を担当。2025年3月よりリカバリーウェア事業部・部長を務める。雑誌編集部ではファッションを軸に表紙や付録開発に長年携わり、ブランドやキャラクターとのコラボレーションを数多く実現。現在は、「良いものを多くの人に届ける」という編集者の経験を活かし、リカバリープロラボの販路拡大や売上を伸ばすための施策に日々取り組んでいる。

■自由な出版社の社風! 始まりは「飲み会で社長の隣に座ったこと」

天野が事業責任者に抜擢されたのは、「リカバリープロラボ」の発売間もない時期。当時マーケティング部だった天野は、社内の事業コンペで自身の企画が不採用となり悔しさを抱えていた頃でした。直後に開催された社内の飲み会でたまたま着席したのが現社長(関川誠)の隣の席。酔った勢いも手伝い「なぜあの企画を落としたんですか!」と天野は悔しさを率直にぶつけ、良いものを読者に届けたい思いを熱く語りました。ちょうど疲労回復ウェア事業をけん引する担当者を探していた関川や経営陣は、「熱意のある人がここにいた」と、天野をリーダーに抜擢したのです。

(天野)「責任者になって1年後に『なぜ私だったんですか』と関川に聞いたら、『あの飲み会でそういう話をされたからだ』と(笑)。プレッシャーより、とにかく新しいことをやりたい気持ちが強かったですね」

■「読者の悩みに寄り添う」編集力が、女性のためのウェアを生んだ

疲労回復ウェアの事業を進めていくことは、天野にとって「まったく新しい挑戦」ではありませんでした。むしろ、編集者の仕事の延長線上にあったといいます。

(天野)「雑誌編集部は、ずっと『読者の悩み』に寄り添って企画を作ってきました。アンケートを通じて、読者の悩みやニーズをくみ取り、それを解決する企画(商品)を開発するのは、まさに編集者の得意とするところです」。

また、トレンドに敏感である編集者の特質も大きな強みです。当時、50代以上の女性向け雑誌『大人のおしゃれ手帖』の編集長から「読者会『ミモザ会』と連携して、何か新しいことができないか」と声をかけられた天野は、ある提案をします。それが、女性向け疲労回復ウェアの開発でした。その頃、市場の疲労回復ウェアには女性向けの選択肢が少なく、その❝空白❞に天野は気づいていたのです。

(天野)「私自身が着てみて、すごく良いと感じていました。2023年頃は『健康』『タイパ』のトレンドも出てきていた時期。『女性向けの疲労回復ウェアは絶対にいける!』という確信がありました」。

その後、『大人のおしゃれ手帖』の編集部は「ミモザ会」と連携。意見交換を重ねながら体形やデザインなど、女性ならではの悩みに寄り添った疲労回復ウェアを誕生させました。読者のリアルな声を直接反映した商品は発売後すぐに人気となったのです。

『大人のおしゃれ手帖』編集部と読者の会である「ミモザ会」の意見交換の様子

「外でも着たい」という声を反映したデザインの疲労回復ウェアが誕生
「体形をカバーしたい」も反映し、お尻まで隠れるロングチュニックに

■長年の❝付録づくり❞のノウハウ+編集者の本能

宝島社はもともと、ファッション誌に付録をつけた雑誌付録の先駆者です。付録以外にも、美顔ローラーや枕など、書店流通の常識を塗り替えるようなアイテムを次々と発売し、ヒット商品を生み出してきました。こうした❝付録づくり❞で培ったものづくりのノウハウがあるのはもちろんですが、「良いものをたくさんの人に届けたい」という本能が編集者には備わっていると天野は言います。

(天野)「当時、まだ一部の人しか知らなかったリカバリーウェアを、弊社の編集者が『とてもいい! みんなに知ってほしい!』と感じたのが、『リカバリープロラボ』の始まりです。編集者の情熱と、雑誌や付録づくりで養ったものづくり力を活かして、宝島社ならではのリカバリーウェアを生み出せたのだと思います」。

その宝島社ならではのリカバリーウェアの象徴が、人気キャラクターとのコラボ商品です。ただし天野は、これは戦略的に狙ったわけではないと語ります。社内には以前から「スヌーピー」や「ディズニー」の商品を開発する編集者がいて、長年それらの付録や商品を手がけてきました。その取引先とのつながりから、コラボは自然な流れで生まれたと言います。キャラクターの権利元と築き上げてきた信頼関係が、市場での差別化を生み出す大きな強みとなっています。

Recoverypro Lab. 疲労回復ウェア『SNOOPY』
Recoverypro Lab. 疲労回復ウェア『Disney ベイマックス』

■ 「出版社が作っている」ことが、最大の武器に

「リカバリープロラボ」が急成長した最大の勝因は、出版社が作っているという❝意外性❞だと天野は言います。発売当初は、一般医療機器である疲労回復ウェアを出版社が手がけていると知られると『かえって怪しく見えるのでは』という社内の懸念から、あえて社名を伏せて売り出していました。しかしある展示会で状況は一変します。

(天野)「最初ブースに宝島社の名前を出していなかったのですが、来場するバイヤーさんが『宝島社がやるって面白いね』と口々に言ってくださって。それで途中で看板を『宝島社が作る疲労回復ウェア』に書き換えたら、人が集まるようになったんです(笑)」。

「なんで出版社が?」という驚きそのものが、他社にはない差別化のポイントとなりました。

■ 誌面・付録のプロを悩ませた壁

好調に成長を続ける「リカバリープロラボ」ですが、その裏で大きな問題もありました。それは、体形ごとに異なる「サイズ設計」です。発売当初の「リカバリープロラボ」は男女兼用の「M・L・XL」の3種しかありませんでした。しかし店頭からは「Mだと小さく、Lだと丈が長い」という声が出ていたのです。この声に応えたいと、天野たちはすぐに、商品開発チームと共有。様々な体形の人を集め、試作品を着てもらうことを何度も繰り返し、わずか数か月で、女性の体形に寄り添った❝ゆったりM❞を作成しました。その後、子ども用も含めた幅広いサイズ展開へと素早く拡充したのです。ここで発揮されたのも、❝編集者の強み❞でした。

(天野)「お客様(=読者)のニーズをくみ取って商品化する。この決断力こそ、長年読者と寄り添ってきた編集者の強みだと感じました」。

お客様の声を直接聞くため、天野は責任者でありながら、自らポップアップストアの店頭に立つこともあります。

(天野)「百貨店に来られるお客様は、たくさん話しかけてくださるんです。今何に困っているのか、何が欲しいのかなどを聞くことができる、マーケティングとしても大事な場だと思っています。ズバッと意見を言ってくださるお客様とのやり取りも大好きですね(笑)」

▼「Mだと小さい」「Lだと丈が長い」という声から生まれたのが「ゆったりMサイズ」。 

おなか回りが気になる人におすすめ

Mサイズ着用
ゆったりMサイズ着用
Lサイズ着用

▼子どもにも着せたいという保護者からの声で生まれたキッズサイズ

■ 貫くのは「良いものを、多くの人へ届けたい」という哲学

こうしたお客様とのやりとりが、最もやりがいを感じる瞬間だと天野は言います。

(天野)「疲れている人を店頭でお見かけすると、このウェアを着て少しでも疲労を回復してほしい、翌朝すっきり起きてもらえたら嬉しいなって心から思います。実際に着て良かったという声や、高齢の親にもプレゼントをしたとの声を聞けるときもあります。自分たちが良いと思って作ったものが、少しでも困っている人の役に立っているということが、やりがいにつながっています。もちろん売上も考えます。でも、それ以上に『良いものを広めたい』という気持ちがあるんです」。

その思いは、価格へのこだわりにも表れています。現在リカバリープロラボは、長袖上下セットでも税込9,000円台から購入できる価格に設定しています。原材料の高騰や、デザインに凝った商品で原価が高くなったとしても、価格を抑えるための企業努力は欠かせません。

(天野)「普通なら原価が高騰したら、販売価格を高くするところですが、私たちは『その価格にしたら、みんなに届かないよね』と考える。編集者の真髄である、『良いものをたくさんの人に広めたい』という思いが価格に反映されているんです」。

「書店で誰もが手に取れる価格の本を作る」という出版社のDNAが、疲労回復ウェアにも息づいています。

■ 「作り続ける」という、新たな挑戦

「書店流通以外でリカバリーウェアを拡大する」というミッションを掲げた事業のスタート時は、部員は天野を含めわずか2名。販路開拓などゼロからのスタートでした。それでも他部署を巻き込みながら前進し、現在、事業部は全員女性の8名体制へと成長しています。ブランドが成長を続ける今、天野が新たに向き合っているのが「作り続ける」という挑戦です。

(天野)「リカバリープロラボの新商品は、前年実績がなく販売計画が立てづらいのですが、途切れさせずに作り続け、必要枚数を安定供給できるような仕組みを作らなければいけません。また、雑誌コラボなど宝島社ならではの商品も開発し続け、お客様(=読者)を楽しませるしかけを作っていきたいと思っています」。


そう意気込む天野に今後の展望を聞きました。

(天野)「疲労回復ウェアをきっかけに書店以外の様々な販路が開拓できたので、お客様(=読者)のニーズを聞きながら、疲労回復ウェアにこだわらず、これからも良いものを届けていきたいです」

❝良いものを作り続け、多くの人へ届ける❞ ――天野を含めた宝島社の挑戦は今後も続きます。

シリーズ累計85万着突破!宝島社の疲労回復ウェア「リカバリープロラボ」

◇購入は専用ECサイト・ZOZOTOWNから

●「Recoverypro Lab.」公式サイト

https://tkj.jp/recoveryprolab/ 

●ZOZOTOWN 

https://zozo.jp/brand/recoveryprolab/ 

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会社概要

株式会社 宝島社

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URL
https://tkj.jp
業種
情報通信
本社所在地
東京都千代田区一番町25番地
電話番号
-
代表者名
関川誠
上場
未上場
資本金
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設立
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