ガザ地区、5万人以上の子どもが死傷 「想像を絶する恐怖」 ユニセフ、命を守る栄養支援を届ける 【プレスリリース】

【2025年5月27日 アンマン(ヨルダン)発】
パレスチナ・ガザ地区への激しい攻撃が続き、子どもの犠牲が増える中、ユニセフ(国連児童基金)中東・北アフリカ事務所代表のエドゥアルド・ベイグベデルは以下の声明を発表しました。
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先週末の72時間に起きた2件の凄惨な攻撃の映像は、ガザ地区で子どもたちが犠牲となっている非情な戦争の、許しがたい代償をあらためて突き付けています。
先週金曜日、ハンユニスに暮らすナジャールさん一家の自宅跡から、焼けて身体の一部を失った子どもたちの遺体が運び出される映像を、私たちは目の当たりにしました。12歳に満たない10人の子どものうち、唯一生き残った1人も重傷を負っていると報じられています。
月曜日の朝には、炎に包まれたガザ市内の学校に取り残された、小さな子どもの映像を目にしました。この攻撃により、18人の子どもを含む少なくとも31人が亡くなったと伝えられています。
決して単なる数字でまとめられるべきではないこれらの子どもたちの命は、子どもに対する重大な権利侵害、支援の遮断、餓え、絶え間なく強いられる避難、そして病院や水道、学校、家の破壊など、今や想像を絶する無数の惨禍の一部となりました。これは、ガザ地区における命そのものの破壊です。

停戦が事実上終了した3月18日以降、1,309人の子どもが死亡、3,738人が負傷したと報告されています。2023年10月以降、合計で5万人以上の子どもが死傷したと報告されています。どれだけの女の子や男の子がさらに犠牲になるのでしょうか? 国際社会が全面的に立ち上がり、影響力を行使し、子どもたちに対する非情な殺人をやめさせるために大胆かつ断固とした行動を起こすまでに、どれほどの恐ろしい映像がライブ中継されなければならないのでしょうか?
ユニセフはあらためて、すべての紛争当事者に対し、暴力を止め、子どもを含む民間人を保護し、国際人道法と国際人権法を守り、人道支援を直ちに提供し、すべての人質を解放するよう求めます。
ガザの子どもたちは守られなければなりません。彼らには食料と水、薬が必要です。停戦が必要です。しかし何よりも、このような悲劇を終わらせるための、即時かつ一致した国際社会の行動が必要なのです。
参考情報:ガザにおける栄養関連物資の配布に関する最新の進捗状況(2025年5月26日現在)
現地の状況は急速に変化しており、依然として危機的な状況が続いています。
11週間以上にわたり、ガザには人道支援が一切届かない状態が続いていましたが、イスラエルが食料、医薬品、栄養物資などの限定的な支援の搬入を許可すると発表したことを受け、ユニセフはトラック21台分の重要な栄養支援物資をガザに届けました。これらの物資には、子どもたちの緊急の栄養ニーズを満たすために不可欠な、少量脂質ベース栄養補助食品(SQLNS)や、すぐに食べられる補完食(RUCF)などが含まれており、世界食糧計画(WFP)の食料援助を支援・補完します。こうした前進があったとはいえ、届けることができた支援物資の量は、膨大かつ増大するニーズを満たすには、ほんのわずかにすぎません。

これまでに、ユニセフは1万6,700箱のSQLNS、9万5,352パックのRUCFを配布し、ガザの北部および南部のパートナー団体が受け取っています。過去48時間のうちに14のパートナー団体に配布され、現在、南部の75施設と北部の13施設で予防的栄養サービスが提供されています。さらに、特に新たに避難してきた子どもたちの栄養状態の検査と治療に重点を置いた支援活動も実施中です。
治安上のリスクや避難命令、とりわけ子どもや女性の膨大な支援ニーズなど、大きな困難があるにもかかわらず、ユニセフとパートナーは、水と衛生や保健などのさまざまなサービスの中でも、特に命を守るための栄養サービスを提供し続けています。食料、栄養、保健および水と衛生に関連する物資や燃料の予測可能な供給を続け、拡充させることが今後も極めて重要です。近日中に、ワクチンや水処理に不可欠な化学薬品を届けられるよう取り組むとともに、緊急に必要とされる支援物資がガザに搬入されるよう働きかけを続けています。
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■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。(https://www.unicef.org )
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する32の国と地域を含みます
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、32の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間で唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、アドボカシーを担っています。(https://www.unicef.or.jp )
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