スーダンでコレラ感染拡大 100万人以上の子どもに感染リスク ユニセフ、命を守る支援を継続 【プレスリリース】

【2025年5月28日 ポートスーダン発】
スーダンの保健当局の報告によると、2025年1月以降、ハルツーム州で7,700件以上のコレラ感染(5歳未満児の感染1,000件以上を含む)が確認され、185人が感染に関連して亡くなっています。こうした事態を受け、ユニセフ(国連児童基金)はスーダンの連邦保健省と協力し、この致命的な病気のまん延を食い止め、命を守るための取り組みを行っています。
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残酷な紛争が始まって以来、300万人以上の人々がハルツーム州の自宅からの避難を余儀なくされ、暴力によって何百万人もの人々の生活が一変しました。州内の広い地域へアクセスできるようになったことで、今年に入ってから、3万4,000人以上の人々がハルツーム州に帰還しています。彼らの大半は、水や衛生などの基本的なサービスがほとんど利用できない地域の、損傷した自宅に戻っています。ハルツーム州全体で100万人以上の子どもが、紛争の影響を受けている地域で暮らしていると推定されています。

ハルツーム州では先月、発電所が執拗な攻撃を受けたことで電力の供給が止まり、水不足がさらに深刻化し、安全で清潔な水へのアクセスに深刻な影響が出ています。これにより多くの家族は、安全でなく汚染された水源の水を使うことを余儀なくされ、特に過密状態の住宅地や避難場所において、コレラや、その他の水が媒介する致命的な疾病に感染するリスクが高まっています。報告されたコレラの症例数は、5月15日から25日の間に1日当たり90人から815人に急増し、わずか10日の間に9倍に増加したことになります。

さらに、ハルツーム州内のジャバラ・アウリアとハルツームの2 つの区域は飢きんの危険にさらされています。ハルツーム州で急性栄養不良に陥った30万7,000人の子どものうち、33%を2区域の子どもが占めています。このうち 2万6,500 人は、深刻な栄養不良の形態である重度の急性栄養不良に苦しんでいます。栄養不足で体力が低下している子どもにとって、コレラやその他の重度の下痢症は、迅速な治療ケアを受けなければ命にかかわる可能性さえある疾病です。
ユニセフ・スーダン事務所代表のシェルドン・イェットは次のように述べています。「ユニセフはパートナーと共に、致命的な疾病や重度の急性栄養不良に対して非常に脆弱な子どもに、基本的な保健ケア、清潔な水、良質な栄養などの命を守る支援を迅速に提供しようと取り組んでいます。これは時間との闘いです。毎日、さらに多くの子どもがコレラと栄養不良の二重の脅威にさらされていますが、迅速に支援を届けられれば、そのどちらも予防および治療が可能なのです」
ユニセフは、ハルツームのリスクが高いコミュニティに対象を置いた重要な水インフラの支援など、多角的なコレラ対策を実施しています。これには、水処理のための化学薬品(ポリマーや塩素)および、カラリとオールド・オムドゥルマンの100万人以上の住民に水を供給するアル・マナラ浄水場の運転維持のための1,000キロボルトアンペアの発電機の提供が含まれます。

ユニセフはパートナーと共に、地域内での感染拡大を抑えるために、家庭用の水処理薬品を配布し、安全な飲料水を提供するため、水供給施設に塩素処理のための装置を設置し、緊急対応チームを動員して水の塩素処理と消毒を支援しています。またユニセフはコミュニティの住民向けに、対面での会話やソーシャルメディアを通じて、コレラの感染源、感染した際の症状、予防に関する重要な情報を広めています。
ユニセフは、スーダンに対して年初以来160万回分以上の経口コレラワクチンを提供し、紛争の影響を受けている地域での予防接種キャンペーンを支援しています。また、コレラ治療キットを供給し、コレラ治療センターへのスタッフの派遣を支援し、対応を強化しています。さらに、感染予防対策に関する公衆衛生担当官や、現場で状況をモニタリングする地域住民への研修も支援しています。
ユニセフは引き続き、ハルツーム州の医療ケア施設における 105 の外来患者管理プログラムと 4 の安定化センター(stabilisation centres)を通じて、命を守る栄養サービスの提供を続けています。
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■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。(https://www.unicef.org )
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する32の国と地域を含みます
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、32の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間で唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、アドボカシーを担っています。(https://www.unicef.or.jp )
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