中東での戦闘激化から1カ月 340人以上の子どもが死亡 物資供給の混乱で世界中の子どもも危険に 【プレスリリース】

公益財団法人日本ユニセフ協会

ベイルートの学校で避難生活を送る3歳のナージェスちゃん(左)と4歳のマリカちゃん(右)。子どもたちがわずかな時間でも日常を取り戻せるよう、ユニセフはおもちゃを提供している(レバノン、2026年3月17日撮影) © UNICEF/UNI965200/Choufany

【2026年3月30日 ニューヨーク発】

中東で続く戦闘の激化により、子どもたちが直面する危機と人道的影響が拡大している中、ユニセフ(国連児童基金)は各地での支援の継続に尽力するとともに、すべての当事者による即時の敵対行為停止と実質的な緊張緩和を訴えています。

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中東での軍事衝突が激化して1カ月以上が経過した現在も、この戦闘は地域の子どもたちに甚大な犠牲を強いています。報告によれば、 340人以上の子どもが死亡し、数千人が負傷しました。この数字には、イランで216人死亡・767人負傷、レバノンで124人死亡・413人負傷、イスラエルで4人死亡・862人負傷、クウェートで1人死亡、バーレーンで4人負傷、ヨルダンで1人負傷した子どもが含まれています。最も多くの子どもの犠牲が報告されたのは、戦争初日にイランのシャジャレ・タイエベ女子小学校へのミサイル攻撃で、168人の子どもが命を落としました。

ベイルートのスポーツ施設内に新たに設置された避難所の様子(レバノン、2026年3月18日撮影)© UNICEF/UNI965205/Choufany

複数の国にまたがって紛争当事者による容赦ない攻撃が続き、病院、学校、水・衛生システムなど、子どもたちに必要な施設やインフラが破壊され、損傷を受けています。

同じ期間、ガザ地区およびヨルダン川西岸地区を含むパレスチナでも暴力が続き、パレスチナの子ども16人が死亡し、50人以上が負傷しました。

ユニセフ事務局長のキャサリン・ラッセルは次のように述べています。「この地域の子どもたちが想像を絶する暴力にさらされる一方で、彼らを守るはずの制度やサービスそのものが攻撃を受けています。すべての紛争当事者は、民間人の命を守り、子どもの権利を守るため、直ちに行動を起こさなければなりません」

中東各地で、空爆や退避命令によりコミュニティ全体から住民の姿が消える中、住まいを追われた子どもたちは120万人に上ります。こうした大きな混乱において、子どもたちは心に深い傷が残るような出来事に直面したり、安心感の拠り所となっていたすべてを失ったりすることがあります。暴力や不安定な状況に長期間さらされると、脳の発達や感情のコントロール、さらには将来にわたるメンタルヘルスへの影響が及ぶことがわかっています。

コペンハーゲンにあるユニセフの物資供給センター。レバノンに向けて、緊急支援物資の輸送準備をしている(デンマーク、2026年3月10日撮影) © UNICEF/UNI958776/Asamoah

現在進行中の敵対行為により、中東のみならず、それ以外の地域の子どもたちへの影響も徐々に高まっています。ユニセフは、紛争で生じた調達・生産・輸送の中断のために、極めて重要な支援物資が世界各地に届くまで最大で6カ月の遅れが生じる可能性があると見積もっています。さらに、世界的な原油価格が最大20%上昇すると見込まれており、ワクチンや栄養製品など不可欠な物資の製造コストや輸送費の急激な引き上げにつながる恐れがあります。加えて、港湾の混雑や航路の迂回といった物流上の問題も深刻になっており、航路変更により輸送日数が最大で4週間延びるケースもあります。

こうした世界的な供給の混乱に対応するため、ユニセフは空路・陸路・海路の代替ルートを活用し、命を守るための戦略的物資の調達先を多様化するとともに、納期が長くなることを見越して調達を前倒しすることで、世界中の子どもたちに不可欠な物資の安定的な供給を維持しています。また、輸送業者と精力的に協議を進め、過度な追加料金の抑制や人道物資の優先輸送を確保することで、影響を受ける地域に必要な支援が途切れないよう取り組んでいます。

イランでは、保健省からの要請を受け、移動式保健医療ユニット、プライマリ・ヘルスケア用テント、緊急医療キットなどの、あらかじめ配備していた保健医療物資の提供を開始し、戦闘の影響を受けた地域の約22万6,000人が必要不可欠なサービスを利用できるよう支援しています。この支援には、ワクチンに加え、追加のプライマリ・ヘルスケア用品、そして子どもや青少年、コミュニティに向けたメンタルヘルスケアおよび心理社会的支援(MHPSS)の提供も含まれます。

医療ユニットを備えた、ユニセフ支援の車両。高まる支援ニーズを受け、ユニセフは子どもと家族が保健サービスにアクセスできるよう、こうした車両を活用した移動式クリニックの設置を支援している(イラン、2026年3月撮影) © UNICEF

同様にレバノンでも、悪化する状況を受け、ユニセフは緊急対応を強化し、子どもと家族に緊急の人道支援を届けています。集団避難所や避難民受け入れコミュニティ、また支援が届きにくい地域に暮らす、特に脆弱な立場の国内避難民への支援が含まれます。パートナー団体と協力し、ユニセフは予防接種、新生児ケア、小児集中治療を含む統合的な保健サービスを290カ所以上の避難所にいる人々と、受け入れコミュニティに暮らす48万人以上の人々へ提供しています。さらに、全土で20カ所の水・衛生施設を修復し、120万人以上のための安全で安定した上下水道サービスを復旧させました。

ユニセフは、即時の敵対行為停止と実質的な緊張緩和を求める国連事務総長の呼び掛けを、あらためて支持します。すべての当事者は最大限の自制を行使する必要があります。国際人道法の下、民間人、とりわけ子ども、そして民間施設は常に保護されなければなりません。

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■ ユニセフについて

ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。https://www.unicef.org

※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する32の国と地域を含みます

■ 日本ユニセフ協会について

公益財団法人 日本ユニセフ協会は、32の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間で唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、アドボカシーを担っています。https://www.unicef.or.jp

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会社概要

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URL
http://www.unicef.or.jp
業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
東京都港区高輪4-6-12 ユニセフハウス
電話番号
03-5789-2016
代表者名
赤松良子
上場
未上場
資本金
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設立
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