アフガニスタン 女子中等教育・女性就労の制限 「国全体の可能性を奪う」 ユニセフ事務局長 【プレスリリース】

【2026年4月28日 カブール/フィレンツェ/ニューヨーク発】
ユニセフ(国連児童基金)の新たな分析によると、女子中等教育や女性の就労に対する制限が続く中、アフガニスタンでは2030年までに最大2万人の女性教員と5,400人の女性の保健医療従事者を失う恐れがあります。
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「アフガニスタンにおける女子教育と女性の労働力参加に対する不作為の代償(The Cost of Inaction on Girls’ Education and Women’s Labour Force Participation in Afghanistan)」によると、2023年から2025年の間に、公務員の女性比率は21%から17.7%に低下しました。この報告書は、学校や病院で訓練を受けた女性専門職人材が減ることで、子どもたちの学習、健康状態、そして将来の機会が壊滅的な打撃を受けると警鐘を鳴らしています。女の子や女性の教育・就労に対する制限によって、同国で失われた経済的生産高はすでに年間8,400万米ドルに上っており、教育や雇用への道が閉ざされた状態が続けば、その損失は時間とともに増大しています。
同報告書は、女性の就労が許可され、かつ女性が必要とされている教育と保健医療の2つの分野で女性が現場からいなくなることは、学校に通う女の子が減少し、女性と子どもへの保健医療ケアが低下することにつながり、子どもたちに直接的な害を及ぼすと訴えかけています。その影響は保健医療分野で特に深刻です。アフガニスタンでは、社会的背景から、女性が男性から医療サービスを受けることが妨げられることが多く、女性の保健医療従事者の減少は、妊産婦、新生児、および子どもの保健サービスを直接的に制限することになります。

ユニセフ事務局長のキャサリン・ラッセルは次のように述べています。「アフガニスタンは、必要不可欠なサービスを支える将来の教師、看護師、医師、助産師、ソーシャルワーカーを失ってはなりません。しかし、女の子たちが教育から排除され続けるならば、それが現実となるのです。私たちは、事実上の当局に対し、女の子の中等教育禁止措置を解くよう強く求めるとともに、国際社会に対し、女の子の学ぶ権利を支援し続けるよう呼び掛けます」。
アフガニスタンは二重の危機に直面しています。それは、訓練を受けた女性の専門職人材を失うと同時に、それらを引き継ぐ次世代の育成も阻まれているという状況です。経験豊富な女性が退職したり職を離れたりする一方で、女の子は教育を続けることや、これらの役割を担う道が閉ざされています。対応が1年遅れるごとに、アフガニスタンは熟練した専門家の世代をさらに1つ失うことになります。

2021年9月に事実上の当局が、女の子が中等教育を受けることを禁止して以来、世界でも女性の識字率が最も低い国の一つであるアフガニスタンにおいて、100万人の女の子が学ぶ権利を奪われてきました。調査によると、この禁止措置が2030年まで続いた場合、200万人以上の女の子が小学校から先の教育を受ける権利を奪われることになります。学校教育はすでに影響を受けており、初等教育における女性教員の数は2022年の約7万3,000人から、2024年の約6万6,000人へと9%以上減少しています。
こうした制限にもかかわらず、ユニセフはアフガニスタンにおける子どもの教育支援を続けています。2025年には、公立学校の370万人超の子どもが緊急支援を受けました。44万2,000人の子ども(その66%が女の子)がコミュニティを基盤とした学習の取り組みの対象となりました。また232校の学校が建設または修復されました。
また新たな世代の女の子たちが学ぶ機会を失おうとしている中、ユニセフは、女の子の中等教育および高等教育を受ける権利を回復し、初等教育への投資を維持するための緊急の行動を呼び掛けています。初等教育は、人材育成への重要な道筋であり、また包摂的な学習が女の子にもたらす望ましい成果を明らかにする証でもあります。これらの取り組みは、アフガニスタンの保健、教育、そして経済の将来にとって不可欠です。
「アフガニスタンの女の子たちから中等教育を受ける権利を奪うことは、国全体の可能性を奪うことにほかなりません。女の子たち、その家族、そしてコミュニティを貧困に縛り付け、健康状態を損ない、教育を受けた女性の世代がもたらし得る経済の原動力を抑え込んでいるのです」とラッセル事務局長は述べました。
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■ 調査報告書「アフガニスタンにおける女子教育と女性の労働力参加に対する不作為の代償(The Cost of Inaction on Girls’ Education and Women’s Labour Force Participation in Afghanistan)」(英語)はこちらからご覧いただけます。
https://www.unicef.org/innocenti/reports/cost-of-inaction-afghanistan-2026
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■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。https://www.unicef.org ※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する32の国と地域を含みます
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、32の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間で唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、アドボカシーを担っています。https://www.unicef.or.jp
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