ガザの停戦後の栄養状態を調査 5歳未満児の12.2%が慢性栄養不良 母親の栄養不良も 【プレスリリース】

公益財団法人日本ユニセフ協会

ユニセフが支援するガザの移動式クリニックで、診察を受ける子ども(パレスチナ、2026年6月30日撮影) © UNICEF/UN0879814/El Baba

【2026年8月24日 アンマン(ヨルダン)発】

パレスチナ・ガザ地区で実施された栄養調査の結果を受け、ユニセフ(国連児童基金)中東・北アフリカ事務所代表のエドゥアルド・ベイグベデルは以下の声明を発表しました。

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パレスチナ・ガザ地区の立ち入り可能な区域で実施された新たな人口ベースの栄養調査によると、現地の人々の栄養状態は複雑な様相を示しています。調査対象となった地域に暮らす子どもの急性栄養不良の割合は比較的低い一方で、慢性栄養不良(発育阻害)の割合は懸念される水準にあります。また、母親の栄養不良、極めて低い食事の質、乳幼児への授乳や食事が不十分であること、さらには子どもの疾病による影響もかなり大きいことが明らかになりました。

ガザで、ユニセフが支援する移動式クリニックの診察を待つ家族(パレスチナ、2026年6月30日撮影) © UNICEF/UN0879825/El Baba

5歳未満の子どもにおける急性栄養不良の割合は低かったものの、慢性栄養不良すなわち発育阻害(スタンティング)は5歳未満児の12.2%に見られました。発育阻害とは、年齢相応に身長が伸びていないことを表す指標で、長期にわたる栄養状態や健康状態の累積的な影響を反映します。過体重は4%に認められました。同じ集団内で発育阻害、消耗症、過体重が併存していることは、単に食事の量だけでなく、質の低さを示唆しています。生後6~23カ月の子どもの73%が調査前日に栄養価の低い不健康な食品を摂取しており、最低限満たされるべき食事を摂取していたのはわずか22.4%にすぎませんでした。5歳未満の子どもの約37.1%が、調査前の2週間以内に下痢症を経験していました。また、15~49歳の女の子や女性の間で、母体の栄養不良が確認されました。

 

この調査は、2025年10月の停戦後に人道支援が大幅に拡大されたことを受け、2026年5月31日から6月15日にかけて実施されました。総合的食料安全保障レベル分類(IPC)でガザが飢きんの状態にあると確認された2025年8月を含め、停戦前の数カ月間には、厳しい立ち入り制限と物資供給の途絶により、急性栄養不良の予防の主要手段である栄養補助食の一律配布は、ガザ全域でほぼ停止していました。栄養不良の早期発見・治療を行う一部の活動は継続されていましたが、子どもたちの栄養不良を未然に防ぐために必要な物資や支援は届いていませんでした。停戦後に人道支援と商業物資の流通が再開された結果、急性栄養不良の治療を受ける新規患者の数は、2025年8月にはほぼ1万7,000人でピークに達しましたが、2026年3月には3,000人未満に減少しました。

 

ガザ地区中部のヌセイラト難民キャンプで暮らすサマーさん(左)。栄養不良の息子ラエドちゃん(1歳)は、ユニセフが支援する保健センターで治療ケアを受け、回復に向かっている(パレスチナ、2026年7月9日撮影) © UNICEF/UN0901851/Ba

ユニセフの中東・北アフリカ事務所代表エドゥアルド・ベイグベデルは次のように述べています。「人道支援物資や商業物資が子どもたちに届けば栄養状態は改善します。しかし、それが届かなければ、状況はたちまち悪化します。私たちが目にしている改善は脆いものであり、継続的な人道アクセス、十分な資金、そして機能する商業市場に頼っています。これらがなくなれば、数カ月のうちに進展は台無しになり、再び子どもたちが最も大きな代償を払うことになるでしょう」。

栄養状態を示す各指標は、それぞれ異なる側面を捉えており、異なる時期や期間の状況を反映しています。急性栄養不良は比較的最近の栄養状態を示す一方、発育阻害はより長期間にわたって積み重なった栄養状態や健康状態を反映します。そのため、今回の調査結果は単一の指標だけで全体像を判断するのではなく、総合的に捉える必要があります。

 

ベイグベデル代表はこうも述べています。「急性栄養不良は数週間で改善することがあります。しかし、より広範に及んだ影響は簡単には元にもどりません。子どもたちには、生き延びるのに十分なカロリーだけでなく、安全な水、保健医療、そして多様で栄養価の高い食べ物も必要です」

 

この調査は、立ち入り可能な区域の状況を反映するものです。立ち入り制限や治安上の制約により、ガザの人口の約17%、およそ35万8,000人は、調査集団を選定する以前に標本抽出対象から除外されました。

 

ユニセフは、状況のさらなる悪化から子どもを守るため、燃料の搬入を含む持続的かつ妨げのない人道アクセス、栄養・保健・水と衛生サービスへの継続的な資金拠出、そして開かれた商業市場を求めています。

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■ 注記

「ガザSMART(Standardized Monitoring and Assessment of Relief and Transitions)調査」は、ユニセフが主導するパレスチナ栄養クラスターによって実施されました。データは2026年5月31日から6月15日にかけて収集され、147のクラスターにおいて0~59カ月齢の子ども1,335人の測定が行われました。SMART調査は横断調査です。特定の母集団を、短期間の調査期間内の特定の時点において測定するものです。この調査には、その期間の前後における状況に関する情報は含まれておらず、以前の期間を評価したり、国際比較のための全国的に代表的な統計として用いたりすることを目的としたものではありません。

「ガザSMART調査報告書(Gaza SMART Survey 2026)」

■ 「ガザSMART調査報告書」はこちらからダウンロードしてご覧いただけます。

https://www.unicef.org/sop/reports/gaza-smart-survey-2026 

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■ ユニセフについて

ユニセフ(UNICEF:国連児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。https://www.unicef.org 

※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する32の国と地域を含みます

 

■ 日本ユニセフ協会について

公益財団法人 日本ユニセフ協会は、32の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間で唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、アドボカシーを担っています。https://www.unicef.or.jp 

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会社概要

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URL
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業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
東京都港区高輪4-6-12 ユニセフハウス
電話番号
03-5789-2016
代表者名
赤松良子
上場
未上場
資本金
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設立
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