親鸞と太宰治を落語で語る桂春蝶「これが僕のスタイル」~桂春蝶、わかぎゑふ、釈徹宗 記者発表~
この秋、大阪市内にオープンする新劇場・扇町ミュージアムキューブにて、桂春蝶が『落語で伝えたい想い・番外編』を開催。9月21日、大阪市内にて、桂春蝶、わかぎゑふ、釈徹宗が会見を行いました。
2013年から始まった「桂春蝶の落語で伝えたい想い」シリーズで、自身作の創作落語を全9作、発表してきた桂春蝶。芸歴30周年を迎える2024年には、シリーズ10作目を発表する予定となっており、その節目の前に、実在作品から二作を「番外編」として上演することとなりました。
ひとつは浄土真宗の開祖・親鸞にまつわる噺で、親鸞滅後、親鸞の真信への異端を嘆いた「歎異抄」に着想を得た「鏡の中の親鸞〜歎異抄より〜」。この監修を務めるのは相愛大学学長の釈徹宗。もうひとつは太宰治の「人間失格」をモチーフに描く「笑う人間失格」で、これら二作品を劇作家・脚本家・演出家のわかぎゑふが手がけます。
「10作目は総決算のような、良い大作を作りたいと思っているのですが、その前にどうしても気になっていた二作品を何とか落語化して、肚の中に落としたいという思いがあった」と番外編の経緯を明かす春蝶。二作品を選んだ理由として、「いずれも日本人が一番触れてきた作品であるので、一度、落語という表現でやることが大切なのかなと思った」と続けました。
「『歎異抄』の落語化は難しいと思った」と率直に話すのは釈。「信仰や信心に関わる人がたくさんおられる中で芸能の演目にするのは、それだけでも困難が予想されます。作品が出来た時点で監修の名前を下ろさせてくださいと言う可能性もあると思います。でも、桂春蝶という人の語りの芸は大変な力を持っております。決して単なる滑稽な落とし噺ではないだろうと。この人の語りの力で、『歎異抄』を落語で表現できるかもしれない」と期待と信頼を込めます。
そして「わかぎえふという大変な奇才が書くなら、見てみたいと思った」とわかぎに全幅の信頼を寄せまました。
わかぎは「『鏡の中の親鸞』は人情噺で、一人芝居を落語の形に落とし込もうと。『笑う人間失格』は、シニカルな笑いのコメディーとして書こうと思っています」と構想を明かします。
「深く深くいろいろなこと考えて、積み上げて、積み上げて、積み上げて、それを全部崩した先に本当の笑いがあると思う」と春蝶。それは入門から29年、歩み続けた落語道の途上で見つけた、ひとつの答えでもあります。「ちょっと痛みを伴うぐらいの思考や苦労があって初めて本当の笑いや喜びがあって。笑いと熟思が対になっているのが僕の落語のスタイルなのかな」とも。
『落語で伝えたい想い・番外編』は 「鏡の中の親鸞〜歎異抄より〜」を 11月22日(水)・23日(木)、「笑う人間失格」を12月9日(土)・10日(日)に開催。チケットは、10月2日(月)11時までチケットぴあにて最速抽選プレミアム先行受付中。一般発売は10月21日(土)からとなります。
チケットぴあ https://t.pia.jp/pia/ticketInformation.do?lotRlsCd=68152
桂春蝶「落語で伝えたい想い・番外編」開催概要
桂春蝶「落語で伝えたい想い・番外編
「鏡の中の親鸞〜歎異抄より〜」
原作/『歎異抄』 脚本/わかぎゑふ
2023年11月22日(水)18:00開場 18:30開演
2023年11月23日(木)14:30開場 15:00開演
「笑う人間失格」
原作/太宰治『人間失格』 脚本/わかぎゑふ
2023年12月9日(土)14:30開場 15:00開演
2023年12月10日(日)14:30開場 15:00開演
会場:扇町ミュージアムキューブ CUBE01
(大阪市北区南扇町6-26)
※大阪メトロ堺筋線「扇町」駅(5番出口)から徒歩3分
JR環状線「天満」駅から徒歩7分
料金:前売券3,500円 当日券4,000円
※未就学児入場不可
チケット:チケットぴあ https://t.pia.jp/pia/ticketInformation.do?lotRlsCd=68152
■桂春蝶 公式サイト https://shunchou.jp/
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